表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/6

ジョアンナへの想い5

本当に少しずつ勘違いして生きています。

その歪みが成長と共に大きくなっていきます。

 ある日の授業を境にサイファー・フェルベイトがジョアンナとシシリーの周りをウロウロするようになった。

 だがジョアンナは身持ちが固く、絶対に触れさせたりエスコートさせたりはしなかった。

 友人としての節度ある距離を保っていた。

 さすが私のジョアンナだと感心した。

 彼女こそが私の婚約者であると大声で言いたかった。


 それでも気分が悪いことにはかわりなかった。カリーナの友人達にそれとなく「身持ちが悪いんじゃないか?」とか「簡単な女」とか言っておいた。

 その声はジョアンナに届いたようで嫌そうな顔をしていた。


 3年になったらジョアンナに婚約破棄しようと言ってみるのはどうだろうか?

 すがりついてくるのだろうか、それとも毅然とした態度で接してくるのだろうか?

 婚約破棄など、自分達の勝手で出来ることはない。

 子供のちょっとした喧嘩だ。とてもいい考えのように思えた。


 カリーナの友人がサイファーになにか言われてガタガタと震えていた。

 相手は公爵様だからな。あいつら何を言ったのやら。


 気のせいかもしれないが、ジョアンナの友人のシシリーが学校を休んだ頃からジョアンナとサイファーの距離が縮まったような気がした。

 ジョアンナに限ってありえないと思っていた。


 ある日、ジョアンナの父セラフィー伯爵が来た。

 父と1時間程、話して帰っていった。

 その後すぐ父に呼び出され、ジョアンナとの仲をまた聞かれた。

 「16歳らしく節度を守った程よい距離でお付き合いしている。結婚するのが楽しみだ」と言った。

 「ジョアンナが婚約解消を言い出したそうだが?」

 「そんな事はありえません!」

 「カリーナとの方が仲が良いと聞いたが?」

 「それは幼馴染ですし、兄妹みたいなものですから」

 「問題はないのだな?」

 「私はそう思っております」

 サイファー・フェルベイトの話はしない方がいい気がしたので口にはしなかった。


 翌日、なんとかジョアンナと2人きりになろうとしたが、誰かがずっと側にいて話すタイミングがなかった。

 仕方ないので昼食後、東屋に向かう4人を追いかけた。

 「2人で話をしたい」と言うと「男女が2人きりになるようなはしたない真似は致しかねます」と断られた。

 学校の中で婚約者であるのだからちょっとくらいはいいのではないかと思ったが、これもジョアンナの身持ちが固い、良いところだと妙に納得した。


 婚約破棄などするつもりもないし、出来るものでもない。

 婚約当初は知らなかったが、今はもう子供の頃に3回名前を書いた理由も知っている。

 この婚約は王家に提出された確固たるものだ。どちらかが死ぬくらいのことがない限り婚約破棄は出来ないはずだ。

 ジョアンナに婚約破棄するつもりはないことを伝えて私は満足した。


 その日、学校から帰った私は婚約破棄をするつもりはないとジョアンナに伝えたと父に言った。

 父は満足そうに首肯(うなず)いた。


いかがでしたでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 果てしなく気持ち悪い男を書きたかったのなら大成功だと思う。読んでいて楽しい話ではないが。 人物の心情を掘り下げれば掘り下げるだけ、いい所が見当たらないのはある意味すごいと思う。政略結婚なら…
[良い点] こっちの視点こそがこの物語の醍醐味感あるインパクトです。 身近に潜むホラー的な。 治らないDV男の本質への理解が深まった様な不思議体験ですね。 [気になる点] 身分の割に従者がついて回って…
[良い点] ダットンの視点がわかって、スッキリしてます。父親たちは、子供たちの事をどう考えてるのか、どこかでわかるとさらにスッキリします。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ