出会い
安定の短さです、ちなみに、あと3話程はプロローグになる予定です
「ただいま〜」
シンとした部屋に自分の声が響き渡る。
一人ぼっちの身の上ではやはり2DKは少し広すぎたらしい、無性に誰かと話したくなる。
思えば、先程の占い師の言葉に立ち止まったのもそんな寂しさからなのかもしれない
「それにしても.....このランプは一体なんなのだろう.....」
スーツを脱ぐなり、カバンから占い師に貰ったランプを取り出す。
見れば見るほど不思議なランプだ、アラビア語で何か書かれているかと思い調べても全く違う文字が使われており、理解不能だ。
強いて言うなら、ルーン文字や象形文字に近いだろうか、文字そのものが意味を持つのだと思う
「しかし....インテリアとして飾るのも微妙な感じだな....あれ?」
ランプの中身を確かめようとしたら、蓋が開かない
「くっ.....全く開かないぞ.....一体なんなんだ」
ランプを開けるのを諦めてテーブルの上に置きそのまま夕飯の支度をしにキッチンへと向かう
「......ん?」
夕飯を作っている途中、ふとある事を思い出す
「そういえば、あの映画でランプを擦ってたっけ....」
まさかと思いながらも、違ったとしても掃除にはなるしと思い夕飯を作り終えたらランプをこすってみようと決めた。
幸い、今日作るのはパスタなのでそこまで時間はかからない
「あとは味付けだけだな....」
パスタが茹で上がり、軽く味付けをして夕飯を完成させた。
そのまま布巾を取りだしランプの方へと向かう
「このランプ、本当に古ぼけているな.....まぁ昔のものだと言ってたし今更か」
ランプを擦るとすぐに砂埃のようなものが布巾に付く。
キュッキュッという音と共に徐々にランプが綺麗になっていく
「あれ?ここの文字の所掠れてると思ったら、汚れが付いていただけか....」
一部文字の途中で見えなくなっていた箇所があったが、どうやら汚れていただけらしい。
そこを重点的に拭きとると、ある程度文字が読めるようになってきた。
そうは言っても、見た事の無い文字なので解読することは不可能なのだが
「もう少しで綺麗になるな....開かなかったのは残念だが、綺麗になったら飾るのもアリかもしれない」
そんな事を思いながらランプを掃除していく。
すると、文字が全て見えるようになった途端、ランプが光り始め、それと同時に明るかったはずの室内が急に暗くなる。
もちろん、電気のスイッチには一切触れていない
「.......は?」
困惑と同時にそんな声が漏れ出る。
何やらランプの中から音が響いてきていて、その音に合わせてランプが発する光も徐々に強くなり始める
「おや?此度の主は間抜けな顔をしていらっしゃる」
目を開けていられないほどランプの光が強くなった時、そんな声が聞こえた
「お前は誰だ!?もしランプの中から出てきたのなら、頼むからこの音と光をどうにかしてくれ!」
目を開けていられないほどの光と、頭が痛くなるほどの音にそんな事を告げると
「ほう?これは申し訳ないね、失敬失敬」
そんな言葉が聞こえた瞬間、音と光が無くなる。
光が無くなったのを確認して目を開けると
「さて、此度の主はどんな願いで呼んだのかな?欲深く、傲慢、それでいて愛おしい主様?」
見たことも無い何者かがそこに立っていた




