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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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96/137

96ーお祖父様がキレた!

「ルル、ルル」

「レオン様、なんですか? 甘いものですか?」

「ちげーよ! なんでだよ! 俺がルルを呼ぶと甘いものなのかよ!」


 レオン様、ツッコミが素晴らしい。前世は関西人だったのかしら?


「あの二人めっちゃ乗り気だけどいいのか?」

「ええ、いいのよ。また新しい魔道具を発明するんじゃない?」

「そうなのか?」


 甘いもの食べたくなったじゃない。


「リアンカ!」

「はい、ルル様」

「お茶にするわ。リアンカも一緒にオヤツをいただきましょう」

「はい、ルル様。直ぐにお入れしますね」

「みんなの分もお願いね」

「お、いいね。オヤツは何?」


 やっぱり甘いものもいるんじゃない。


「ピー!」

「マーリソン様特製のシュークリームよ」


 と、ポンとお皿に出します。


「マジで! これマーリソン殿が作ったのか?」

「ピー?」

「そうよ。クリームが二層になっていて美味しいのよ。イワカムが悔しがっていたもの」

「マーリソン殿て、なんでも出来るんだな」

「そうですね、剣の腕前も……」

「ルル、それは禁句だな」


 あら、ごめんなさい。


「モモちゃん、ルビちゃん、ピア、食べたら裏庭でもお散歩しましょうか」

「わふっ!」

「するのー!」

「ピピー!」

「ルル、無理矢理話変えただろ」

「ソンナコトナイワ」


 ふふふ。


「あの二人、ノリノリだったなぁ」


 レオン様と、モモやルビとピアでお祖父様のお邸の裏をお散歩してます。最近、ルビもピアと一緒にフワフワとよく飛ぶようになったわね。


「いいんじゃない? ああなったら二人は止められないわ」

「それにしても、公爵殿遅いよな?」

「そうね、もうすぐ夕食なのに。拗れてるのかしら?」

「んー、どうだろなー」

「ルル様! レオン殿下! モーガン様と旦那様がお戻りになりました!」


 リアンカが叫んでますよ。


「ルル、行こう」

「ええ。リアンカ、モモ達をお願い!」

「はい! ルル様!」


 部屋に入ると、もう伯父様とお兄様達がいました。


「お祖父様、お父様おかえりなさい。どうでした?」

「ああ、ルル。ただいま」

「ルル、何か甘いものが欲しい」


 お父様もお祖父様もお疲れね。そんな時は甘いものが欲しくなるわよね。


「お父様、マーリソン様が作られたシュークリームが美味しいですよ」

「マーリソン殿はなんでも出来るんだな」


 部屋の隅にいるメイドのところに行きます。


「ルル様」


 もう、メイドさん達も分かっているから、大皿を手に持って目がキラキラしてるじゃない。

 仕方ないなー。メイドが持つお皿にドカッとシュークリームを出します。


「お祖父様達に出して下さる? 私達はもう食べたからいいわ。貴方達も食べてね」

「はい! 有難う御座います!」

「お祖父様、父上、思ったより時間が掛かっていましたが?」

「ああ、ラウ。もう馬鹿らしくてな」


 お父様が、お茶を飲みながら大きなため息をつかれました。


「父上、馬鹿らしいとは?」

「ラウ達が捕縛した者を連行して調書を見せたら、あの馬鹿王は何と言ったと思う?」


 何かしら? お祖父様はシュークリームに夢中ですね。


「父上、何ですか?」

「知らなかったのだから仕方がない。と、言いやがった」

「「「「…………!!!!」」」」

「あれだけ何度も何度も私が進言しておったのに、知らなかったと言い切りよった!」


 お祖父様、生クリームがお口の端についてますよ。


「お祖父様、それでどうなったのですか?」


 お祖父様、お口の端にクリームが……と、手で示すと……ああ伝わったわ。

 

「お前達が王都に来る道中で解呪してきたのなら、もうそれでいいだろう。と言いよった!」


 何言ってるの!?


「お祖父様、肝心の王都がまだなんですよ!」

「ジュード、私もそう言った。そしたら何と言ったと思う?」

「何ですか?」

「ついでに王都もしてくれれば良いだろう。だと!」

「お祖父様、それで?」

「…… 」


 あれ? お祖父様どうして黙ったの?


「あー、ジュード。あのだな……そこで父上がキレてだな。いきなり椅子を蹴り倒し執務机に乗って陛下の胸倉を掴んでしまってな。その上、陛下の顔の真横の壁を殴って穴を開けた」

「お、お祖父様! カッコいい!!」


 お祖父様、めちゃくちゃカッコいいじゃない! ドラマみたいだわ!


「ルル! そうか! お祖父様はカッコいいか! ハハハ!」

「はいッ! お祖父様、凄くカッコいいです! 見たかったです!」

「そうか、そうか! 今度見せてやろうな! ワハハハ!」

「父上、今度はありませんよ。もう二度としないで下さい。ルルも、そんな事をカッコいいとは言わないぞ」


 お父様に叱られちゃった。


「アーデス、お前も怒っていたではないか」

「怒ってましたが、陛下の胸倉は掴んでませんし、壁を殴ってもいません」

「お父様、じゃあお父様は何をしたんですか?」


 その言い方はお父様も何かしたのね?


「その……まあ、あれだ」

「何ですか?」

「執務室のテーブルを殴って真っ二つに割ってしまった」


 テーブルを割った!? テーブルてそんな簡単に割れるものなの!?


「お父様! カッコいいー!」


 どっかの赤い魔王みたい! いいなぁー! 見たかったなー!


「ん? ルルそうか? カッコいいか? ワハハハ!」

「いやいや! 二人共おかしいから! ルルもまた、そんな事をカッコいいとは言わないぞ!」


 今度は伯父様に叱られちゃった。


「ブハハッ!」


 この吹き出し方はレオン様ね。


「それから、側近や宰相殿が父上を止めに入って、それでも父上は陛下の胸倉を離さなくて大変だった」

「アーデスもテーブルを壊したんだよね?」

「兄上、だってあれは酷すぎる」

「だからと言って暴力はいけませんね。父上、アーデス」


 おー、なんか部屋の中が寒くなってきたぞー。


「兄上、それがだな…… 」

「アーデス、何かな?」


 伯父様怖いッ! 冷気が凄い!


「そこへ、ディーユ殿下が慌てて入って来られてな…… 」

「それで?」

「土下座された…… 」


 …………!?

 え? お父様何て? 私のききまちがい? 土下座って聞こえたけど? マーリソン様じゃあるまいし。


「アーデス、なんだと?」

「ディーユ殿下が土下座されたんだ!」

「「「「ええーー!!!!」」」」


 皆んな超ビックリです! レオン様までビックリです!


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