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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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85/137

85ーよく似た2人

「お父様、これは前の街より多いですね」

「まあ全てが魅了て訳じゃないだろうがな」

「公爵、ルル! ざっくり鑑定しただけでも魅了されてる人がかなりいる!」

「レオン様、そんなにですか?」

「ああ、肉まんを配ろう!」

「お父様、どうします?」

「お待ち下さい」

「ユリウスか、どうした?」

「はい、アーデス様。この街は前の街より魅了に掛かった者が多くおります。それで少し考えたのですが、この街を直進すると王都方面です」

「そうだな。我々が向かっている先だな」

「はい。ではこの街を右手に逸れると何があると思われますか?」

「ユリウス、何があるの?」

「シャーロット・プロセルの父親、ペイドン・プロセルの元領地があるのです」

「そうか……王都からその領地へ向かう途中にある街なんだな」

「そうです。この街でこの人数です。ペイドン・プロセルの元領地になるとどれだけの人数になるのか、想像も出来ません。そしてその人数が多い程、私達を敵視する者が多いと言う事です。それは解呪が難しい状況かも知れません。そしてこれから王都に向かう途中の街でも覚悟をしておく方が良いだろうと思われます。シャーロットが通った街には、一体どれだけの人数が魅了を掛けられているか想像できません。まさか、これ程とは私も思いませんでした。先行している3人にも伝えておく方が良いでしょう」

「公爵、その様な街にクロノス侯爵とジュノー嬢をお連れするのは危険ではないでしょうか?」

「レオン殿下、私もそう考えます」

「ユリウス、よく気がついたな」

「解呪を希望する者があまりにも多かったのが引っ掛かったのです」

「で、どうするか考えがあるのだろう?」

「はい、アーデス様。この街では普通に解呪薬を飲んでもらいましょう。次の街では、大っぴらに解呪出来ない状態かも知れませんので」

「よし、分かった。ルル、レオン。邸に来ている者を見分けられるか?」

「お父様、この程度の人数なら大丈夫です」

「では、レオン殿下。解呪が必要なさそうな人達をお願いします」

「必要ない人達か? どうしてだ?」

「何を目論んでいるのか分からないからです。解呪が必要なければ、探れるだけ探って頂きたいのです。ルル様にはそれは無理ですから。私もお二人の後ろに付きます」


 なんかサラッと、ユリウスにディスられた?


「分かった。じゃあ俺は先に大体だが分けておくよ」

「お願い致します。その後になってしまいますが、邸内の解呪に参りましょう」

「それまで私が領主から話を聞いておこう。状況次第では、クロノス侯爵とジュノー嬢はこの街に残って頂こう」


 レオン様と二手に分かれて、鑑定しながらディアナの解呪薬を飲んでもらいます。解呪後、ラウ兄様とジュード兄様が話を聞いてくれています。


「ルル様、レオン殿下、最後です」


 二人で取り掛かると早いわね。


「お願いします! 私じゃないんです。うちの人を正気に戻して下さい! お願いします!」


 レオン様の方にいた最後の女性が膝をつき泣き出しました。


「ルル様、こちらはこれで最後です。解呪できました」

「ディアナ、有難う」

「やはり、こうなりましたか」

「ユリウス?」

「いえ、困った身内が駆け込んでくる事もあるだろうと思っていたのです。話を聞いて対処しておきます。レオン様、お願いします。ルル様はアーデス様の方へお願いします。ラウ様とジュード様も聞き取りが終わり次第向かって頂きます。ディアナ、ルル様と一緒にいなさい」

「ユリウス、あの女性はどうするの?」

「私がこれから話を聞きます。多分、あの女性の旦那さんだけではないだろうと思いますので。解呪しやすい様に纏めますよ」

「レオン様もユリウスも無茶はしないでね」

「おう、大丈夫だ」

「大丈夫ですよ。マーリソン殿をお借りしますね」

「ユリウス、何かあれば直ぐに魔道具で連絡してちょうだい」

「はい。ではルル様ディアナ、行って下さい」


 私はディアナと領主邸に入ります。


「ルル、終わったか?」

「まだレオン様とユリウスが街に行く様です」

「公爵様」

「ああ、分かっている。ルル、領主の嫡男とその従者や護衛等嫡男付きの者が片っ端からやられている」

「そうですか。では、解呪薬を」

「それが、部屋に閉じこもっていて入れないそうだ」

「そうですか。では肉まんを」

「食べ物を差し入れても受付けないそうだ」

「そうですか。では無理矢理部屋に入りましょうか」

「私もそう思う。やるか?」

「ええ、お父様」

「嫡男殿が立て篭もっている部屋へ案内してくれ」

「か、畏まりました。此方です」

「もう、ルルもあなたも程々にして下さいよ」


 お母様、分かってますよ。

 嫡男の部屋に着きました。


「ルル、どうする?」

「ぶち破るに決まってるじゃないですか」


 せーーのっ!

 ――ドカッ!!

 思い切りドアを蹴ると、簡単に開きました。


「アースバインド! お父様、ディアナ、解呪薬を飲ませて下さい」

「お、おう」


 お父様とディアナが問答無用で解呪薬を飲ませていきます。


「やだわ、ルル。あなたアーデスより脳筋じゃなくて?」


 ええー!! お母様それはないですー! つい面倒で。テヘッ!


「ああ、面倒だったのね。分かったわ」


何故に!?


「よし、終わったぞ」


アースバインドを解除します。


「あれ? 父上。私は何を?」


はい、終了です。

 さて、レオン様とユリウスは大丈夫かしら?


 街へ解呪に来たレオン様とユリウスとマーリソン様です。5名程が一つの部屋に閉じこもっているらしいです。

 俺達は魅了なんて受けてない! 正常だ! と訴えているそうですよ。


「レオン殿下、どうなさるのですか?」

「え? ユリウス。こんな時はな、ドアをぶち破るに決まっているだろ?」

「では、開き次第、拘束しますね」

「ああ、マーリソン殿頼んだ」


 せーーのッ!

 ――ドカッ!!


「アースバインド! 今のうちです。解呪薬を飲ませて下さい」

「おう」


 レオン様とユリウスが問答無用で次々と飲ませていきます。


「こいつで最後だ」

「アースバインドを解除しますよ」

「あれ? 俺達は何を?」

「よし! 終了だ」

「レオン殿下、脳筋ですか?」

「いや、つい面倒でな」

「あー、ルル様みたいですね」

「えっ! ユリウス、マジか!?」


 さて、お話を纏めて頂きましょう。ふぅ……。客間に戻って一休みです。


「リアンカ」

「はい、ルル様」

「喉が乾いたの。お紅茶もらえないかしら?」

「畏まりました。もらってきます」


 こちらはレオン様とユリウスとマーリソン様です。


「さて、話を纏めてもらおうか?」


 ふぅ……。


「ユリウス、喉が乾かないか?」

「あ、私お茶入れます」


 レオン様に泣きついていた女性が慌てて動きます。


「すまない、有難う」


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