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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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84/137

84ー次の街へ

「公爵様、なんなりと申し付け下さい。レオン殿下がお世話になっておりますから。せめてお役に立てるのなら」

「あー、もうケイ。いいから」

「レオン殿下、そうは参りません」

「我々もケイの調査で助かっているんだ。気にするな」

「公爵様、有難うございます。しかしダスピルク領ではコレと言った新しい情報は掴めませんでした。で、私は何をすれば宜しいのでしょうか?」

「ああ、実はな……」


 と、お父様が一連の流れをお話になり……


「お任せ下さい。では先に次の街へ向かいます」

「ああ、ケイ。渡しておきたい魔道具があるのよ」


 通話できる魔道具と、位置の分かる魔道具、それにマジックバッグです。解呪薬と解毒薬、肉まんとアイスも沢山入れてます。


「それからケイ、これは解呪薬入りの食べ物なの」


 肉まんとアイスを渡します。


「食べてみてもいいわよ」

「私は魅了には掛かっておりませんが、大丈夫なのですか?」

「ええ、なんともないわ」

「では一つ……」


 ケイは肉まんを口にしました。


「ルルーシュア様! 美味いです!!」

「そうでしょう? アイスも食べてみて」

「なんですか、コレはッ!?」

「冷たくて美味しいでしょ?」

「はいっ! 口の中で溶けてしまいます!」

「ブッ! ケイ、お前本当にティシュトリアの食べ物好きだな」

「殿下、これ程のものは食べた事がございません。やはり殿下は食べ物が美味しくて戻られないのでは?」

「だからなんでだよ! 俺はルルといたいんだよ! て、言っただろ?」

「まぁ、殿下が婚姻されれば私もティシュトリアに付いて来ますから」

「あら、そうなの?」

「はい! 勿論です。ルルーシュア様、宜しくお願いします!」

「まぁ! 心強いわ! 宜しくね」

「もういいからケイ行けよ」

「はいはい。では、参ります」


 ケイも次の街に向かって出発しました。



 さて、私達は馬車でカッポラカッポラ街を目指します。ちょっとクロノス侯爵様とジュノー様が気になるのよね。ズッと馬車の中にいらして大丈夫かしら?


「ルビがまたそばに行く?」


 ルビちゃん優しいわね。


「次に止まった時にお話してみるわ。それからね」

「わかったの」

「ルビ、有難う」


 ルビがスリスリしてきます。癒されるわー。

 夕食と野営の為に馬車が止まりました。さてと、私はディアナを探してます。


「ディアナ!」

「ルル様、どうされました?」

「あのね、クロノス侯爵様とジュノー様の事が心配なんだけど」

「ああ、そうですね。一度見ておきましょうか」

「ええ、お願い」


 二人で侯爵様の馬車へ行きます。


「公爵様、ルルーシュアです。宜しいでしょうか?」


 馬車のドアが開きました。


「これは、ルルーシュア嬢。どうされました?」

「侯爵様、お身体は大丈夫ですか? あまり食事も食べていらっしゃらない様ですが?」

「お気遣い有難う御座います。いや、旅に慣れておりませんので、なかなか辛いものがあります」


 クロノス侯爵様は解毒が終わって直ぐだったから余計に辛いでしょうね。


「侯爵様、少し見せて頂いても宜しいですか?」

「ディアナ殿、辱い」


 ディアナと馬車に乗ります。ディアナが見ている間に私は鑑定を……異常はないみたいよ。


「うん、異常はありませんね。侯爵様、体力をつける薬湯を少しお飲みになってみて下さい。毒で少し体力が落ちてしまったのかも知れません。調合しますので、食後にお持ちしますね」

「有難う。私よりジュノーが心配なのですが」

「侯爵様、この後ジュノー様も拝見します。大丈夫ですよ」

「それは有難う。宜しく頼みます」

「はい。ルル様参りましょう」

「ええ。では侯爵様失礼致します」

「ルル様、薬湯を暫くお飲み頂いたら大丈夫だと思いますよ。ジュノー様の方へ参りましょう」


 そして、ジュノー様の馬車に行きました。


「ジュノー様、ルルーシュアです。宜しいでしょうか?」

「まあ、ルル様。どうされました?」


 直ぐにジュノー様が顔を出されました。


「ジュノー様、お身体は大丈夫ですか? 一度ディアナに見てもらっては如何ですか?」

「ルル様、お気遣い有難う御座います」


 同じ様にディアナが見ている間に鑑定します。


 ん、そうか、そうなのか……こんな状態まで見れるって、普通は鑑定で分かるものなのかしら?


「大丈夫ですね。旅慣れてらっしゃらないので、お疲れですね」

「ええ、私こんなに馬車に乗った事がなかったものですから。こちらに来る時も大変でした」

「ジュノー様、食事の後に薬湯をお持ちしますので、暫くお飲み下さい。そして、馬車が止まっている間は出来るだけ外に出て身体を動かす様になさって下さい」

「身体を動かすのですか?」

「はい、馬車の周りを歩くだけでも違いますよ」

「分かりました」

「ジュノー様、邸にいた時の様にまたジュード兄様と一緒に歩かれては如何ですか?ジュード兄様に伝えておきますね」

「ルル様! そんな……」

「いえ、大丈夫ですよ。お気に為さらず」

「ルル様、有難う御座います」


 ジュノー様の馬車を離れます。


「ルル様、なんですか? どうしてジュード様ですか?」

「ディアナ、ジュノー様は兄様の事が気になるのよ。お邸でも一緒に散歩されてたわ」

「まあ、そうなんですか?」

「ええ、私はこのままジュード兄様へ話に行くわ。ディアナは薬湯をお願い」

「はい、分かりました」


 やだわ、ジュード兄様までリア充だったわ。

 次の日、お昼過ぎに街へ到着しました。街へ入る為に先頭を行くお父様の馬車が動くのを待っています。私は自分の馬車に、レオン様、モモ、ルビ、ピア、リアンカと一緒です。


「あら? お父様の馬車に門兵が走って行くわ」

「ん? 何でだ?」

「さぁ?」


 すると直ぐに別の入口に向かって馬車が動き出しました。


「レオン様、とにかく鑑定です」

「ああ、分かってる」


 馬車は真っ直ぐに領主邸へ向かいます。その間も馬車の中からレオン様と二人で鑑定します。馬車は街に入り、貴族街を通り領主邸に入って行きます。領主邸の庭には何やら人が集まっています。


「何? どうなってるの?」

「ルル、とにかく行くぞ」


 レオン様に手を取られ馬車を降り、お父様に近付いて行きます。


「ルル、レオン来たか」

「お父様、これはどうなっているのですか?」

「ああ、先行したリル、ノトス、そしてケイの成果だ」

「ティシュトリア公爵様、ようこそお越し下さいました!」


 領主らしき人も駆けつけて来ました。先行していたリルとノトスが領主に先触れを兼ねて計画通りに動いた。ユリウスの予想以上に、困っている人達がいたと言う事みたい。

 それに加えてケイが街でティシュトリアの話を広げたので、解呪希望の人達が領主邸に押し掛けてきたそう。まだ邸に来れない人もいるらしい。


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