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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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83ー先発隊

 さて、夕食です。今日は野営です。


「リアンカー!」

「はい! ルル様!」

「お茶が飲みたいわ。蜂蜜を入れて欲しいの」

「はい、直ぐにお入れしますね」

「ルルどうした? 疲れたか?」


 レオン様がピアを頭に乗せてやってきましたよ。


「レオン様、私魔道具作成て好きじゃないのよ。しかもあのメンバーだし」

「ハハ、なんだそれ」


 少し声を潜めます。


「ヘッドセットが通じなかったわ」

「当然だろ。何? ヘッドセット作りたかったのか?」

「だって、ミッションなんとかみたいでちょっとカッコいいでしょ?」

「おお! トム◯◯ーズか!?」

「そうそう」

「懐かしいなー!」

「本当は皆んな転ス◯みたいに念話が出来れば簡単なんだけどね。現実はそうもいかないわ。せめてレオン様は念話が出来る様になって欲しいわ」

「俺は魔王じゃないぞ」

「物語とはいえ、あーゆー無敵感、同じ転生者なのに私にはないなー。私より家族の方が強いし、ユリウスの方が頼りになるんだもん」

「ハハ、それを言うなら俺はどうなるんだ?」

「そうね、そうだわね」

「あ、ルルさん地味に酷い……」

「ルル様、レオン様もお茶が入りましたよ。食事にしましょう」

「リアンカ、有難う!」


 ハンバーガーとスープでちゃちゃっと済ませてしまおう。


「ピー!」

「ん? ピア、お腹すいたか?」

「ピ!」

「モモもルビも食べましょう」

「はーい」

「わふっ」


 あぁー、ルビちゃんは可愛いなぁー。うちの可愛い担当ね。


「わふっ!」

「ピピッ!」


 うん、勿論モモもピアも可愛いわよ。


「ルル、ユリウス、マーリソン殿、魔道具はどうだ?」


 お父様はもう食べ終わったみたいですね。


「お父様、まだですね。もう少しかかります」

「そうか。明日にはリルとノトスを出したいんだ」

「アーデス様、明日のお昼には出来るかと」

「ユリウス、そうか。頼んだぞ」


 あー、明日のお昼迄は魔道具作成決定ね。


「ルル、顔……」


 え? 何かしら?


「スッゲー嫌そうな顔してたぞ」


 まぁ、嫌だもの仕方ないわ。


「ルルーシュア様、頑張りましょう!」


 はい、マーリソン様。分かってますよ。やりますよ。


「ルル、ホントにヒロインらしくないな」

「え? レオン様、何言ってるの? 私ヒロインじゃないわよ。ヒロインはピンクちゃんでしょ?」

「なんでだよ、この流れだとルルがヒロインだろ。ピンクは悪役だろ」


 ええー、ヤダわ。


「なんでヒロインを嫌がるんだよ」

「だって私は普通の人ですから。モブよ、モブ」

「どこがだよ!」

「え? 全部が?」

「……」


 なんでよ。なんで無言よ。


「まぁ、いいわ。俺にとっては充分ヒロインだわ。」


 ん?


「ルルは可愛いからな!」


 頭ナデナデ……

 んん?


「早く婚姻したいな」


 ナデナデナデ……

 んんん?


「レオン様て前世リア充でした?」


 今、スッゴイ自然にナデナデしましたよね?


「ん? まぁそれなりに」


 ふーん……リア充かよ!


「ルルは?」

「私は生まれてからズッと病弱だったから」

「じゃあ、ルルは……」


 何かしら?


「いや、ルルは誰とも付き合った事がないのか?」

「付き合うどころか、人と縁がなかったから。10代で孤独死だし」

「そうか、悪い」

「どうして? 覚えてないから平気よ。全くなんともないわ」

「そうか、じゃあ全部俺が初めてか」


 全部とは……? なんで赤くなってるの? お顔を片手で覆って隠してるけど、お耳が真っ赤よ。


「いや、いい。俺が勝手に喜んでるだけだ」


 ふーーん……。


「ルル、今世は一緒に幸せになろうな」


 あら、なあに? どうしたの?


「ルルは可愛いな!」


 だから何よ?


「ピー」

「ほら、ピアがお水欲しいみたいですよ」

「ピア、お前さぁ……」

「ピ?」

「いや、いいよ。ほら、水だ」

「ピー!」


 さてさて翌日。やっと出来ました! 勿論、魔道具ですよ。これで魔道具作成から解放されるわ!


「ルル様、次の街で魔石を購入する迄ですよ」

「いいのよユリウス、分かってるわ」


 今はこの解放感に浸りたいのよ。 

 予定よりも小さくしたので、リルとノトスそれにケイに渡す分が出来ました。その代わり、こっちには1個しか残せなくなってしまいましたが、その1個をラウ兄様が持つ事になりました。

 さて、リルとノトスそれにラウ兄様に渡します。リルとノトスは一緒に行動してもらいます。お父様の先触れとして、貴族に会いに行ってもらいます。多分、平民より貴族の方が魅了に掛かっている可能性が高いだろうと予測しての事です。さっきの街ではお構いなしだったけどね。

 念の為、二人のマジックバッグに魅了の解呪薬と解毒薬も入れてもらいます。肉まんとアイスもたっぷりね。

 それに、前回第2王子の誕生日パーティーで王都に行った時には二人は領地にお留守番だったので、渡していなかった魔道具を作って持ってもらってます。離れても場所が分かるブレスレット型の魔道具です。所謂前世でのGPSみたいな感じです。

 あとは勿論、これから行くから宜しく、て内容のお父様の文を持って準備万端。ラウ兄様とリルとノトスにテストをしてもらいました。


「ルル! 凄いぞ、本当に喋れるぞ!」


 ラウ兄様、喋れる様に作ったんだから当たり前ですよ。


「では、リル、ノトス頼んだぞ」

「はい、お任せ下さい」

「畏まりました」


 リルとノトスは次の街へ向かって馬を走らせて行きました。入れ違いでケイがやってきました。


「レオン殿下、お呼びでしょうか?」

「ケイ、呼び出してごめんなさい。お昼食べて行かない? スープは飲む?」

「ルルーシュア様! 有難う御座います! 頂きます!」

「リアンカ!」

「はい、ルル様」

「ケイにお昼出してあげて」

「はい、畏まりました」

「ケイ、お前食事時を狙ってないか?」

「まさか、レオン殿下。人聞きの悪い事を仰らないで下さい。殿下じゃあるまいし」

「ケイ、すまんな。頼みたい事があるんだ」


 お父様がいらしたわ。


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