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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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79/137

79ー忘れてた!

「ルル様、どうなさいました?」

「リアンカ、モモに聞きたい事があるの」

「分かりました。私は直ぐそばに出ております」


 リアンカが馬車を降ります。


「ルル!」

「レオン様、入って」

「ルル、どうしたの?」

「モモ、私大事な事を思い出したの! 以前お茶会で男爵令嬢を鑑定したでしょ。その時はスキルに目がいって気にもしてなかったんだけど、ダメだったのね! 大事な事だったのよ!」

「ルル、落ち着け。分かる様に話してくれ」

「あのね、見たのよ鑑定した時に確かに」

「ルル、何を見たの?」

「モモ。あの男爵令嬢ね、邪神の眷属から加護を受けてるわ」

「なんですって! 邪神の眷属ですって」

「そうなの! この魅了の使い方、魅了の能力の高さ、まるで洗脳でしょ? 普通の魅了じゃないと思ったのよ」

「ルル、よく気付いたわね。そう、邪神の眷属ね」

「ルル、モモどう言う事だ?」

「分からない。私には分からないからモモに聞きにきたの」

「わふぅ……加護とは何なのかよ。神が力を与えてその人を護ること。それが加護よ。普通、邪神は加護を与えない。いえ、与えてはいけないのよ。ましてや、邪神の眷属が加護を与えるなんてあってはならない事よ。どうやって神の目を擦り抜けたのかしら」

「モモ?」

「ルル、私は神にご報告するわ」

「モモ、危険な事なのか?」

「ルルとレオン様は創造神の加護があるから、手を出せないわ。でも他の人間はそうじゃないもの。このまま、あの男爵令嬢が大人しくしてくれていれば問題ないけど、あってはならない加護を持っていると分かったから油断は出来ないわ。とにかく、神にご報告するわ」

「モモって、そんな事できるんだ。スゲーな」

「レオン様、ルルのそばを離れないで。私は神にご報告する間は寝てしまうから、お願い」

「分かった! 任せてくれ」


 翌朝は早くに出発した。


「モモちゃん昨日からズッと寝てますね。食事もとらないで大丈夫でしょうか?」

「ああ。リアンカ、大丈夫だ」

「レオン様、ルル様も昨日から元気がないですよね。何かあったのですか?」

「ピ?」

「リアンカ、ごめんなさい。大丈夫よ」

「ルル様……」

「ピー……?」

「ピアお前も心配してるのか?」

「ピ……」

「大丈夫なの。もうすぐ戻ってくるの」

「ラビ、分かるの?」

「分かるのー」


 お昼休憩の為に、街道にある休憩所で馬車を停め食事をしました。


「わふっ」

「モモ、おかえり」

「わふん」


 モモ、だから喋ろうよ。


「わふっ」

「もう、モモ。心配したわ」


 モモに抱きつきます。


「ルル、まぁ先に食事にしよう」

「レオン様、だって心配で」

「まあな、でも緊急性がないからモモもこんななんじゃないか?」

「わふん」

「もう、モモったら」

『ルル、夜に話すわ。其れ迄待ってて』


 分かったわよ。

 街道にある休憩所に馬車を停めて皆で火を囲んで夕食を済ませました。クロノス侯爵とジュノー様は旅に慣れていないからか、もう天幕でお休みです。


「わふっ、少し私からお話があるの」

「モモちゃん、今なの!?」

「ルルそうよ。皆に聞いてもらいたいから今なのよ」

「モモ、大事な話なんだろう? 構わない、話してくれ」

「アーデス様、皆さん、昨日ルルが男爵令嬢について思い出した事があるの。ルルがお茶会の時に鑑定スキルを使って男爵令嬢を鑑定した事は覚えているわね」

「ああ、魅了を発見したんだな」

「そうよ、ラウ様。その時にルルは令嬢の加護も見ていたの。あの時は魅了に気を取られていて気にかけなかったみたいだけど」


 ごめんなさい、反省してるわよ。


「ちょっと待てモモ。加護とは何だ?」

「ああ、ラウ様そうね。そこからね。加護とは、神が力を与えてその人を護ること。それが加護よ。

 この世界では生まれながらに加護を持っている人、若しくは後天的に加護を持つ人がいるわ。例えば、生まれながらに持っている加護だとルルの【創造神の加護】【眷属神の加護】ね」

「なんとッ!! 素晴らしい!! やはりルルーシュア様は神に愛されていらっしゃる!!」


 この人はこんな時でもこのテンションなのね。


「マーリソン様、そうね。ルルは【神の愛し子】【異界帰りの姫】て称号も生まれながらに持っているわ。後天的な加護だとレオン様の【創造神の加護】ね。称号は【神に選ばれし者】どちらもルルと運命が重なってから与えられたものね」 

「モモ……?」


 そんなに話して大丈夫なのかしら?


「ルル、大丈夫よ。もうティシュトリア家とその関係者には話していいと許可を貰っているわ」

「モモ、誰の許可なんだ?」

「アーデス様、この世界の創造神の許可よ」

「モモ、話がとんでもなさすぎて……」


 そうよね、お父様は脳筋だって事を忘れていたわ。


「まあ、ルルとレオン様が加護を持っている、て程度の認識で今はまだいいわ。それで例の男爵令嬢も加護を持っていたの」

「あの令嬢が……?」


 そうなのよ、ラウ兄様。なのに私ったら忘れてたのよ!


「そう、【邪神の眷属の加護】ね」

「邪神ですか!?」

「ユリウス、何か思い当たる事があるの?」

「いえ、ルル様、一般的な知識です。邪神と言えば、人々に対し天災や疫病あるいは戦乱などの禍いをもたらすと認識してますが、その邪神ですか?」

「その通りよ。この世界の神々の議定として、邪神は加護を与えてはならない決まりになっているわ。なのに邪神の、しかも眷属の加護なんてあり得ない。絶対にあってはならないものなのよ」

「……では、議定を破って与えたと?」

「ユリウス、そうなるわね。実際に創造神はご存知なかったわ。神もその事について動かれる事になったわ」

「モモちゃん、その邪神の眷属の加護を持っているとどうなるのですか?」

「ユリウスが言った邪神の認識はその通り正しい認識よ。その禍いをもたらす邪神の眷属の加護よ。良い事がある訳ないわ。そんなものがあれば人は簡単に悪に染まるわ。その加護の影響で令嬢が使う魅了の力は普通じゃない。ルルも気付いていたけれど、まるで洗脳ね。王家がどんなスキル封じを施したかは知らないけど、その強力なスキルをいつまで封じていられるか」

「モモ、再びあの令嬢の力を使われるかも知れないと言う事だな?」

「アーデス様、その通りです。そして、それに対抗できるのはルル、レオン様、そしてティシュトリア家の皆さんだと言う事よ」


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