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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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70/137

70ー頑張ったのー!

「セイバー、付近を捜索! 仲間が潜んでいるかも知れん!」

「「「はっ!」」」

「ジュード様、後は私とセイバーが。先に戻ってジュノー嬢を早く休ませて差し上げて下さい」

「ノトス、頼めるか」

「はい、お任せ下さい」

「ルル、戻るぞ」

「いえ、ジュード兄様。モモと残って魔力の残滓を追ってみます」

「ジュード、ルルが残るなら俺も残る」

「レオン頼む。ノトス!」

「はい、ジュード様。」

「セイバーを5人ルルとレオンに着けてくれ!」

「分かりました!」

「ルル、レオン深追いするんじゃないぞ」

「はい、ジュード兄様」

「モモ、2人を頼むな!」

「わふっ、大丈夫よ」

「ジュード。二人って、俺もかよ!」

「わふっ!」

「俺は先に戻る! セイバー2人ついてこい!」

「「はいッ!」」


 ジュード兄様がジュノー様を抱えながら馬を走らせて行きました。


「マジックサーチ……」

「モモ、小屋の中でルルは何してるんだ?」

「レオン様、あれはマジックサーチと言って、小屋に残った魔力を調べてるのよ」

「ルビのじゃない魔力があるわ」

「ルビが連れて来られた時は誰もいなかったの」

「そう、ルビを連れて来た人達は何処かへ行った?」

「閉じ込められたから分からないの」

「そっか。モモ、この魔力をサーチしてみるわ」


小屋を出て周りを見渡します。


「サーチ……モモ、いたわ!」

「ルル、人数は分かる?」

「2人ね。1人の魔力がサーチにヒットしたわ」

「ルル! 追跡できるか!?」

「レオン様、当然よ! モモ、行くわよ!」

「ルビも行くの!」

「ルビ、モモに乗って! 行くわよ!」

「セイバー! ルル様を守れ!」

「「「「「はッ!」」」」」


 ノトスが指示します。セイバー5人がそばに付きます。


「ノトス! 此処はお願いね!」

「ルル様! お気をつけて! モモちゃん、頼んだ!」

「大丈夫よ、任せて!」

「モモ、レオン様行きます!」

「おうっ! ケイ、ルルに付け!」

「はッ!」


 サーチで確認した方へ馬を走らせます。モモはルビを乗せて横を走ってます。レオン様、ケイも直ぐ後ろに、セイバーは私達を守る様に周りに付いて走ってます。


「ライト」


 前後にライトを出します。


「ルル、距離はあるのか?」

「レオン様、向こうも馬で移動してるみたいね。でも森の中なら森に慣れてる私達の方が有利だわ」

「ああ!」

「ルル、レオン様、もうじき見える筈だわ」

「モモ分かったわ。ブースト! プロテクト!」


 全員に強化と防御の魔法を掛けます。


「一人は魔術士です! 気をつけて!」

「「「「「はいッ!」」」」」

「ルル、見えたわ!」

「アースウォール!」


 逃走先に土の壁を作って足止めします。


 ――うわっ!

 ――なんだこれは!?


「ルル様! 我々が行きます!」


 セイバーが突っ込んで行きます。


「マジックガード!」


 セイバーに魔法防御を掛けます。


「ルル様! 気絶させます! 拘束を!」

「了解!!」


 男の一人が懐から何かを取り出したその時……


 ――うわっ!!


 ケイが投げた短剣が男の手を掠めました。


「自害しようとしてましたね」


 男が落とした丸薬をケイは拾ってます。

 セイバーはアッと言う間に2人を気絶させてしまいました。


「アースバインド」


 一人は見るからに、ならず者。もう一人はジュード兄様の報告にあったケープを着けています。


「こいつがアレイ・モルドレッドか?」

「レオン様、どうかしら? ジュード兄様の報告にあった濃紺のケープを着た人物は間違いなくこの人だろうけど」

「レオン殿下、ルル様、戻りましょう」

「ケイ待って。念の為、周辺をサーチしてみるわ。サーチ……」

「ルルどうだ?」

「レオン様、他には誰もいないみたい」


 セイバーが二人を確保して戻ってきました。


「戻りましょう」


 お邸に戻ってきました。


「ルル!! 無事か!?」

「はい、お父様。先に逃げていた二人を確保してきました。一人は魔術士です」

「そうか」

「ルルーシュア様!」


 マーリソン様がバタバタと走って来られました。


「マーリソン様」

「魔術士を確認させて下さい!」


 セイバーがいる後ろに目をやります。マーリソン様は、まだ気絶している濃紺のケープの男の顔を覗き込みます。


「……!」


 ズサーッ! と、いきなりマーリソン様がお父様に土下座をされました。


「申し訳ありません! 我が身内がまたもやこんな……こんな大それた事を! なんとお詫びして良いか!」

「マーリソン殿、立ちなさい。マーリソン殿がその様な事をする必要はない」


 お父様が、マーリソン様を立たそうとなさいます。


「しかし……しかし! 公爵様!」

「マーリソン様、お父様の仰る通りですよ。さ、お立ち下さい」


 マーリソン様が首を横に振られます。


「此度ばかりは! 私は、同じモルドレッドの名を持つ者として、捨て置く訳には参りません! 侯爵様にもご令嬢にも何と言う事を! なんと、なんとお詫びすれば良いのか!」

「マーリソン殿は、我々の同志であろう? 気持ちは理解するが、マーリソン殿とは別の話だ。良いですかな? マーリソン殿とは無関係なんですぞ!」

「公爵様……!」

「アーデス様、先ずはそのならず者の指にある指輪を取りましょう。そして、アレイ・モルドレッド殿には魅了の解呪を」

「そうだな、ユリウスの言う通りだな。セイバー、指輪を確認し外してから地下牢へ連れて行け。ああ、自害する為の毒薬も全て没収しておく様に。魔術士だけは別の牢に入れておけ」

「「「はっ!」」」


 セイバーが二人を担いで出て行きます。


「自害しようと取り出した丸薬は如何しましょう?」


 ケイが丸薬を手にサラッと言います。


「ああ、私がお預かりしましょう」


 ユリウスが受け取りました。


「お父様、ジュノー様は?」

「ああ、大丈夫だ。ジュードが連れ戻って、今はまだ意識は戻ってないが部屋で休ませている」

「怖い思いをされたでしょうに」

「そうだな。しかしルル、早期に助け出せて良かった。ルビ、此度は助けられたな」

 

 お父様がモモに乗ったルビを撫でられました。


「頑張ったのー!」

「ああ、ルビは偉いぞ!」

「ルビ、偉いのー!」

「あれ? そう言えば一番煩いのがいないな」


 そうね、真っ先に飛んできそうだけど。


「ルル様、レオン殿下。ピアちゃんならお腹いっぱいになった様で、ルル様のお部屋で寝ています」

「リアンカ、有難う」

「やっぱりピアは馬鹿なのー」


 ピアの言葉で、一気に張り詰めた空気が緩みました。


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