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69ー追跡

「モモ!!」


 私は慌てて部屋に入って行きました。


「ルル! 侍女達を助けて! 毒をもられているわ!」

「お兄様! ディアナを!!」

「分かった!」


 ジュード兄様がディアナを呼びに戻って行きます。


「ルル、アンチドーテをお願い!」

「モモ、分かったわ! アンチドーテ」


 倒れている侍女達に解毒魔法を掛けていきます。侍女達の身体が光りだし、直ぐに光が消えて行きます。


「取り敢えずこれで命は助かるわ。ルル、解毒薬はあるの?」

「ディアナが持ってる筈よ。まだ皆に持たせる前だったのよ!」

「ルル、仕方ないわ。飲ませた後にヒールよ」

「モモ、分かったわ」

「モモ、どうしてこうなったのか分かるか?」

「レオン様、ルビが念話で助けを求めてきたのよ」

「ルビが?」

「ええ、アーデス様。侯爵様が毒に倒れられてから、ルビはジュノー様のお心を癒すと言ってそばに付いていたのよ」

「そうだったのか」

「ルビの念話だと、ジュノー様が連れて来た侍女が犯人だそうよ。アーデス様が、護衛を兼ねて付けていたこの邸の侍女達に毒を盛った。そして外部から、ならず者を招き入れてジュノー様を連れ去ったらしいわ。まだ毒が薄くて助かったわ。でもラビも一緒に攫われたの。珍しいカーバンクルだから売るつもりの様ね」

「内部に敵がいたのか!?」

「ルル様!」


 ディアナが慌てて入ってきました。良かった、早く解毒薬を!


「ディアナ! 倒れている侍女達に解毒薬をお願い!」

「はいッ!」

「ディアナ、手伝おう!」

「兄様、お願い!」


 ユリウスとディアナが手分けして順に解毒薬を飲ませていきます。


「ルル様、ルビちゃんは!?」


 解毒薬を侍女に飲ませながら、ユリウスが聞いてきます。


「ジュノー様と一緒に連れ去られたからそばにいる筈よ」

「大丈夫です、ルル様。ルビちゃんは所在の分かる魔道具をつけています!」

「そうだわ!」


 そうだったわ。魔道具をつけていたんだわ!


「ルル、分かるか?」

「お父様、待って下さい」

「ルル様、落ち着いて」

「ユリウス、魔力は分かるけど……」

「ルル、ピアの魔道具から感じる魔力とマップを重ねるのよ。サーチよ!」


 モモ、急に難しい事言わないで。魔力とマップを重ねる……サーチ!


「分かった! 見つけたわ! お父様追いかけます! ユリウス、解毒薬を飲ませたらヒールをお願い!」

「分かりました! こっちは任せて下さい!」

「ルル、一緒に行くわ!」

「待て! ルル! モモ! ジュードとセイバーを連れて行け!」

「公爵、俺も行きます! ケイ!」

「はッ!」

「レオン、頼んだ!」


 皆で、1階に急ぎます。早く追いかけないと!


「ルル、犯人達はどこに向かっているんだ?」

「ジュード兄様、まだ移動していますが、この方角だと多分街道横の森です」

「俺が発見した小屋かも知れないな!」

「はい!」


 ジュード兄様と1階に降りると、リルとノトスが待機してました。


「ノトス馬を用意しろ! セイバーを集めろ!」

「はいッ!!」


 全員ダッシュです! 私はロングのワンピースです。あー! 走りにくいッ!!


「ルル、慌てるな! 大丈夫だ!!」

「レオン様。ロング丈のスカートだから走り難くてイライラするのよ!」

「え、そこ!?」

「だって走り難い! 馬にも乗り難いのよ! ミスったわ!」

「ハハ! 流石ルルだ!」

「ルル! 乗れるか!?」

「ジュード兄様! 乗ります!!」


 馬に横乗りして街道を目指します。それにしても道が暗い! ただでさえ乗り難いのに!


「ライト!」


 前方、真ん中、後方に纏めて灯りを出します。


「ルル! 落ち着け! 森に入る前にスピードを落とさないと危ないぞ!」

「はい! 兄様!」

「位置は分かるか!?」

「ジュード兄様、止まった様です。やはりジュード兄様の発見した小屋らしいです」


 領地を出た所でルビに念話を試します。まだ距離があるからなぁ。大丈夫かなぁ。


『ルビ、ルビ! 聞こえる!?』

『ルルなのー!?』


 良かった、ルビは元気そうだわ。


『そうよ、ルビ大丈夫? 今そっちに向かってるわ!』

『分かったの!』

『ルビ、そっちの状況を教えて! ルビとジュノー様は大丈夫なの?』

『ルル、ジュノー様は縛られて気を失ってるの。ルビは平気。ジュノー様のそばにいるの』

『見張りは何人いるの?』

『そばに二人。外に何人いるか分からないの』

『ルビ、私よ! モモよ! ルビと初めて会った時みたいにルビとジュノー様だけに結界を張れる?』

『モモ、できるのー』

『じゃあ、合図したらお願い!』

『モモ、分かったの!』

『ルビが側にいてくれて良かったわ。もう少し頑張ってね』

『分かったの! 頑張るの!』


 ルビったら、小さいのになんて頼りになるのかしら。


「ジュード兄様、側に見張りが二人いるそうです。外にも数人! こっちの合図でルビが結界を張ってくれます! 一気に踏み込みます!」

「よし、分かった! もう直ぐ森だ!」


 私達は、暗闇の中を森へ急ぎます。大丈夫、落ち着かないと! 気だけが焦ります。


「ルル、森に入る。危険だぞ、スピードを落とすんだ!」

「はい、ジュード兄様!」


 スピードは落としましたが、一直線に小屋に向かいます。目的の小屋はもう直ぐ!


「ルル、自害できない様に拘束できる?」

「モモ、やってみるわ」


 小屋が見えてきました。外に見張りが1、2、3……4人います。


『ルビ、今から突入するからね、結界を張って!』

『ルル、分かったのー!』


 行くわよ! 怒ってるんだからね!


「ジュード兄様、拘束します! 突っ込んで下さい!」

「おうっ!」

「いきます! アースバインド!!」


 ――なんだッ!?

 ――追手だー!

 ――クソッ‼︎

 ――身動きできないぞ!!


 外の見張りを全員拘束しました。ジュード兄様とセイバーは中へ突入します!


 ――うわっ! 何だ!?

 ――追手だ!


 中には侍女ともう一人見張りがいました。ジュード兄様達が気絶させ、自害を防ぎます。


「ルル、気絶させたが拘束しておいてくれ」

「はい、ジュード兄様! アースバインド!」

「ルル! モモー!」

「「ルビ!」」


 ルビが飛んできました。


「ルビ、無事で良かった! ジュノー様は?」

「ルル、大丈夫だ。保護した」

「ジュード兄様」


 声の方を振り返ると、気を失っているジュノー様を大事そうにお姫様抱っこしているジュード兄様がいました。


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