表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/137

67ー捜査結果

「ルル、厳しくないぞ。多くの国民の為の皇家だ。当然の事だ」

「レオン様もですか?」

「勿論だ。俺も小さい頃からそう教育されてきた。俺だけじゃない。兄弟姉妹全員だ。ルルとの婚約も俺の冒険者になる発言だけが原因ではないぞ。帝国とティシュトリア家の縁組だ。帝国はそれが利益になると判断したんだ」

「帝国とティシュトリア家の……」

「ああ、実際に帝国にはティシュトリア領の農作物や魔道具等が沢山入ってきている。帝国に一番近いしな。帝国の商人だって、王都よりティシュトリア領の方が出向く回数も人数も多い。知らなかったか?」

「いえ、領地の物が帝国へ出されている事は知っています。ですが、今のレオン様の話しだと、帝国は王都よりティシュトリア領の方を重要視していると聞こえます」

「聞こえるじゃない、そう言ったんだ」

「やだ、レオン様。皇子様みたい……」

「みたいじゃなくて、皇子なんだよ! 本当にルルは……可愛いな!」

「いや、意味が分からないわ」

「ハハハ、まぁ難しい事を言ったが、そう言う事だ。この国の王家は甘すぎるんだ。だから信用できない、て事だ」


 レオン様が生きて来られた帝国と、王国の違い。確かにレオン様から見れば、甘すぎるのでしょう。


 その頃、お父様の執務室では……


「脅迫状か……」

「ええ、あなた。クロノス侯爵とジュノー様の警備を強化しましょう」

「ああ、そうだな。ガイウス」

「はい」

「対応出来る侍女は何人いる?」

「5名程かと」

「侍従は?」

「私を含めて10名です」

「よし、侍女5名を24時間体制で交代でジュノー嬢につけろ。侍従は侯爵に同じ様に」

「畏まりました」

「あ、全員に解毒薬を持たせるのを忘れるな」

「はい。では早速手配致します」


 所変わって、ジュード兄様とノトスはその頃……


「ジュード様、これは……」

「ああ、しかし遅かったか」

「周辺を隈なく調査しましょう」

「そうだな」


 ラウ兄様とリルは……


「ラウ様、森と言っても広範囲すぎます」

「リル、分かっている。森の境界近辺を中心に捜索だ。領主隊でもない限り、森の奥に入るのは命懸けだ」

「隊長! 副隊長!」

「どうした!?」


 さて、私の部屋では……


「リアンカ、ルビは?」

「ルビちゃんはジュノー様のおそばに」

「どうして?」

「ルル、ルビの意思なのよ」

「モモ、ルビの?」

「ルビが言うには、ジュノー様は気丈にされている様で、婚約破棄以降心が疲れていらっしゃる。だからルビがそばにいて少しでも癒すそうよ」

「まあ、ルビちゃん! なんて健気なんでしょう!」

「ピ」

 ………………。

「まあ、ピアは……な」

「ええ、ピアは……ね」

 ………………。

「ピ?」


 まぁ、マイペースでいいんじゃないかしら。

 今日も夕食にジュノー様は来られませんでした。お部屋で食べられるそうですが、心配です。


「お母様、夕食の後にジュノー様のお部屋に行ってみます」

「ルル、その前に情報の共有だ」

「はい、お父様」


 場所を変えてサロンに集まっています。


「お昼にクロノス侯爵のお話を聞く事ができました。婚約破棄以降に、ジュノー嬢宛に脅迫紛いの文が何度も届いていたそうよ。ジュノー嬢には話していないそうです。その内容だけど、ジュノー嬢が居なければ男爵令嬢は幸せになれた。程度の内容から始まり、ジュノー嬢が男爵令嬢を陥れた、自分が男爵令嬢を幸せにする筈だったと書いてあったそうよ」

「お母様、その内容なのですが」

「ルル、何かしら?」

「レオン様とも話していたのですが、脅迫状に書かれている内容が、まるで男爵令嬢の魅了が溶けてない状態の様に思えませんか?」

「まさか! あの後王家が……いえ、あのバカ王家のする事です。確実はないわね。解呪できていない者がいても、おかしくないわ」

「おいおい、テレス。流石にそれは……」

「あなた、ないと言えますか?」

「あー、いや……まぁ」

「あなた!」

「いや、やりかねん!」


 嘘でしょ! お父様とお母様まで。何!? この国の王家はそんなに馬鹿なの!?


「ルル、残念ながらそうなんだ」


 超ムカつく!


「ルル、顔が怖いぞ」

「レオン様、だって!」

「ラウ、森はどうだった!」

「父上、先日不審者を発見した場所を中心に調査しました。そこから少し森に入った所に火を使った後が見つかり、その近くに魔物にやられただろう遺体を3体発見しました」

「想像がつくが。その火を使ったところで待機していたんだろう。馬鹿な、魔物に殺してくれと言っている様なものだ」

「私もそう思います。念の為、範囲を広げて捜索してみましたが、それ以上はなにも見つかりませんでした」

「その死体はどうした?」

「一応、回収しましたが」

「どうした?」

「その、損傷が激しく」

「魔物にやられたんだ、そうなるだろう。持ち物等を確認しておいてくれるか」

「父上、分かりました」

「ジュードはどうだ?」

「はい、父上。俺も侯爵が盗賊に襲撃された近辺の森から捜索を始めました。街道からかなり森に入った所に小屋がありました」

「小屋だと?」

「はい、多分普段は猟師や木を切り出す者達が使う小屋だと思われます。その小屋の周りには魔物避けが設置されていましたから」

「成る程」

「その小屋に、つい最近複数の者が滞在したであろう痕跡がありました」

「そこに滞在していたのか」

「そうだと思います。残されていた物の中に火の魔石がありました。もし、滞在した者が森に関する職業の者なら火を起こすために魔石を使うとは思えません。態々お金を出して火の魔石を購入しなくても、火を起こす知識は皆ある筈ですから」

「その通りだな」

「小屋に残してあった物を一応回収してきました。後、俺も捜索範囲を広げましたが他に手掛かりはありませんでした」

「ジュードも回収してきた物を調べておいてくれ」

「分かりました」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ