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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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62/137

62ー毒

「ルル、今日はどうするんだ?」


 レオン様です。武装して討伐に出る気まんまんですね。


「これから、ルフタの作業所に昨日討伐した分を出しに行ってきます。レオン様は討伐ですか?」

「おう! 今日もモモ借りるな!」

「モモ行くの?」

「わふぅ」


 あら? 喋ってよ。モモちゃん。


「モモちゃん行きたくないの?」

「わふん」


 いや、喋ろうよ! 嫌そうなのは伝わってくるけどね。


「わふ。仕方ないからもう1日鍛えてあげるわ」

「モモ、頼むな!」

「レオン、行くぞ!」


 モモを連れてラウ兄様とレオン様が討伐に出られました。


「さて、ルビ、ピア。私はルフタの解体所に行くけど、どうする?」

「行くのー」

「ピピュー」


 はいはい。じゃあ、行きましょう。リアンカも一緒よ。


「ルル嬢……なんだこの量は……?」


 私が無限収納からドサッと出した魔物の小山を見てルフタが言ってます。


「ルフタ、今日は私じゃないのよ。ラウ兄様とレオン様よ」

「この兄妹といい、婚約者といい、普通て言葉を知らないのかね?」


 あら、何言ってるのかしら。


「やだわ、ルフタ。私は普通よ」

「…………」


 何? この間は何かしら?


「あー、ルル嬢。今回は量が多いから時間かかるぞ」

「そうなの? この魔物の皮で小型のバッグを作りたいのよ」

「なんだ? 何か作るのか? じゃあ、出来次第少しずつ出すか。解体が終わったらユリウスに言う方がいいか?」

「そうね、じゃあお願いね」

「おうよ」


 さてと……


「ルビ、ピア。少し裏をお散歩でもする?」

「するのー」

「ピピー!」


 ピア、嬉しそうね。フワフワ飛んでるわ。ルビはリアンカが抱っこだけどね。

 今日もいいお天気だわ。のんびりと寄り道しながら皆で放牧場の方へ向かいます。


「ルルーシュアさまー!」


 こ、この声は!


「ルルーシュア様、お散歩ですか!」


 出ました! やはりこの人!


「マーリソン様、そうよ」

「私もご一緒しても宜しいでしょうか!?」

「ええ、もちろん構いませんよ」

「なんとッ! 光栄です!」


 慣れないわー! このテンション、慣れないわー。

 少し歩くとコッコちゃんが見えてきました。今日はお外に出ているのね。いいお天気だものね。


 ――コッコッコッ……コケー


 あ、ヤバイ。マーリソン様にロックオンしてない?


 ――コッコー!


 やっぱり! 来た!


 ――コケー!


 コッコちゃんマーリソン様に向かって飛び蹴りします!


「シールド」


 ――ガキーン!


 コッコちゃんの飛び蹴りは、マーリソン様のシールドに阻止されました。


「甘いですね! まだまだ修行が足りませんねッ!」


 ――コッコッコッコッ……


 あら、コッコちゃん引き下がっちゃったわ。


「マーリソン様、凄いわ! あのコッコちゃんを下がらせるなんて!」

「ルルーシュア様に褒めて頂きました! 有難うございますー!」

「ピー?」

「凄いのー」

「ルルーシュア様!」


 あら? どうしたのかしら、ガイウスが慌ててるわ。


「ガイウス、どうしたの?」

「侯爵様が襲われたました!」

「なんですって!?」


 慌てて皆で戻ります。マーリソン様が咄嗟にピアを抱き抱えて急ぎます。


「領地の外れに差し掛かった時に、何処からか矢を放たれました。アーデス様が咄嗟に剣で躱されたのですが、躱しきれなかった1本がクロノス侯爵の腕を掠めて」

「掠めた程度なら大した事ないわね」

「それが……そのまま気を失われたのです」

「矢が掠めた程度でなの!?」

「はい」

「ガイウス、ディアナを呼んできて頂戴」

「畏まりました!」


 ガイウスが引き返してディアナの研究室に向かいます。


「ルル様、姉様を呼ばれると言う事は……」

「ええ、多分ね。私のキュアで対処できれば良いのだけど」


 私達は、クロノス侯爵の元へと急ぎます。


「お父様!」

「ルル、客室だ! 見てくれ!」

「はい! お母様は?」

「侯爵に付いている!」


 お父様に先導されて、クロノス侯爵の部屋へと向かいます。


「マーリソン様、リアンカ、ルビとピアをお願い。ルビ、ピア少しリアンカと一緒にいてね。ご用事が済んだらすぐに行くから」

「わかったの」

「ピー?」

「ピア、大丈夫よ。少しだけ待っててね」


 ルビとピアを撫でます。不安にさせたら可哀想だわ。


「ピー」

「大丈夫ですよ。ルルーシュア様は早くお行き下さい」

「マーリソン様、お願いします」


 クロノス侯爵の部屋に入ると、お母様とジュノー様がいらっしゃいました。


「お父様! お父様!」

「ジュノー様、ルルが参りました。私達は邪魔になりますから、隣の部屋に行きましょう」

「でも、でも……」

「ジュノー様、大丈夫です。ルルに任せましょう」


 客室は二間続きになっていて、入ってすぐに応接室の様な部屋があり奥に寝室があります。クロノス侯爵は奥にある寝室のベッドへ寝かされていらっしゃいます。お母様は手前の部屋にジュノー様を連れ出して下さいました。


「お母様、後でディアナが来ます」

「分かったわ」


 私はお父様と寝室に入ります。


「ルル、どうだ?」

「ガイウスから状況を聞きました。取り敢えずヒールをかけますが、多分キュアとディアナの薬が必要なると思います。毒を判定する為に患部をディアナに見せたいので、ディアナが来るまで待って下さい」

「ルル、やはり毒か?」

「はい、多分」

「ルル、ディアナが来たわ!」

「お母様、ディアナを此方へ!」


 ディアナが薬の入ったバッグを両手で抱えて小走りに入ってきました。


「ルル様、まだヒールかけてませんね?」

「まだよ、ディアナを待ってたの」

「正解です。患部を見せて下さい」


 お父様がクロノス侯爵の服の袖を肩口まで上げられました。ディアナは患部から滲み出ている血液を、綿棒な様なもので擦り取りバッグから出した液体へ漬けました。


「これは……!」

「ディアナ?」

「ルル様、先に患部に解毒薬を塗ります。ヒールはその後でお願いします」

「分かったわ」


 ディアナが深い緑の液体を患部にたっぶり塗ると、患部から湯気の様なものが立ち上がりました。


「ルル様、どうぞヒールをお願いします」

「ヒール」


 私がヒールをかけると侯爵の身体が光りました。


「ルル様、アンチドーテもお願いします」

「分かったわ。アンチドーテ」

「う……」


 侯爵の患部が光りました。侯爵の意識が戻りそうです。


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