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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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60ー夕食

 日が傾き始めた頃、ラウ兄様とレオン様が帰ってきました。モモも二人の脇を走って来ます。柔かなお顔を見ると、収穫はあった様です。


「ルル! ただいま!」


 レオン様、手を振ってます。まだまだ元気ですね。


「ラウ兄様、レオン様、モモ、お帰りなさい。どうでした?」

「ルル、モモは凄いな!」


 レオン様、感心してるのかな? いや、感動かな?


「モモ、どうだった?」

「ええ、かなりマップの使い方には慣れたわ」

「そう」

「ルル、ウルフ系の魔物を討伐してきたぞ」

「ラウ兄様、お疲れ様でした」

「ラウ、レオン戻ったか! 疲れているだろうが、執務室まで来てくれ」


 お父様のお声がかかりました。


「ルル、また後で!」

「ルル、隊員達が討伐した魔物を裏に出しているから、受け取っておいてくれ」

「ラウ兄様、分かりました。モモ、一緒に裏に行く?」

「ええ、行くわ」


 モモと一緒に裏へ回ると、討伐した魔物が小山の様になってました。


「モモ、凄いじゃない。こんなに魔物が出たの?」

「レオン様の練習にね、グリーンウルフの巣を探させたのよ。そしたら偶々丁度良い位の巣があったの。いると分かっていれば、隊員達は強いから楽勝だったわ」

「そうなのね」

「ルル様、お願いします」


 ラウ兄様の従者のリルが声を掛けてきました。


「リル、お帰りなさい。大量ね」

「ええ、モモちゃんのおかげですよ。なんせ痺れさせて行動不能にしてくれますから、狩り放題です!」


 あー、モモちゃんのアレね。


「わふっ、皆も強いからよ」

「ハハハ、モモちゃんには敵いませんよ」


 喋りながら魔物の山に手を翳して、無限収納に入れる。それを見ていたリルが……


「アッと言う間ですね、ルル様は規格外だな」

「あら、レオン様もでしょう?」

「ハハ、そうでした。しかしレオン殿下は帝国の皇子殿下なのに、気さくで偉ぶったところがなくて気持ちの良い方ですね」

「時々、突っ走るけどね」

「ルル様、よく分かってらっしゃる。今日もモモちゃんに指導されながら真っ先に突っ込んでましたよ」

「もう、レオン様は」

「でも、マジックバッグがなければ、こうは行きませんでした。普通はこんなに持ち帰れませんからね」

「そうね。明日にでも解体に持って行っておくわ。リルもお疲れ様」

「はい、お願いします」


 さて、夕食です。今日からマールス侯爵とジュノー様もご一緒です。だからモモちゃん達はリアンカ達と別室で食べてます。其々が伝説級なので、出来れば隠したいとの意向です。でもね、きっと無理だと思うのよ。主にピアがね。


「ルル様、先程は有難うごさいました。私、あの様な浴室は初めてです! とっても気持ち良かったですわ!」

「そう? それは良かったです。少しは疲れがとれましたか?」

「ええ! ずっと湯浴み出来なかったのでサッパリしましたし、お湯に浸かると言うのはとても身体が解れますのね。それにルル様に教えて頂いたドライの魔法はとても便利ですね」


 話していると、スープが出てきました。


「公爵、これはスープですか?」


 マールス侯爵がオレンジ色のスープを見て驚いてます。


「美味いですぞ」


 お父様、食べてないで説明しようよ。


「あなた、そうではないでしょう。マールス侯爵、このスープはかぼちゃのポタージュです。かぼちゃの自然な甘味がとても美味しいですわよ」

「かぼちゃですか。王都では見ない食べ方ですな」

「お父様、かぼちゃのスープ! なんて美味しいのでしょう!」


 フフフ。そうでしょ、そうでしょ。美味しいでしょ。でもまだまだ食事は始まったばかりですよ。

 旬のキノコをソテーしたソースがかかったボアのステーキに、じゃがいものチーズ焼き、パンが出てきました。

「なんて柔らかいパンなのでしょう!」

「このステーキのソースも素晴らしい!」

「この焼いてある物は何でしょう?」

「ジュノー様、それはじゃがいものチーズ焼きですわ。珍しいものではありませんよ」

「ルル様、そうなのですか? 王都では見た事もありません。私、これ大好きです」


 そして、デザートです。今日は、アップルプティングですね。紅茶と一緒に頂きます。


「なんて素晴らしいんでしょう!」


 ジュノー様はデザートの虜ですね。イワカムやったね!


「マールス侯爵、ジュノー様。サロンに移動しませんか?」


 お母様のお声掛けで、サロンへ移動しました。其々、思い思いのソファーに座ります。レオン様が隣にきました。メイドが果物と紅茶を出します。


「ルル、今日はイワカム張り切ってるな」


 レオン様が話しかけてきました。


「そうね、私も同じ事を思ったわ」


 出された果物は桃のコンポートゼリーでした。しかも桃が薔薇の花びらの様にカットされ飾りつけてあります。


「でもイワカム、腕をあげたわね」

「確かに。美味っ! 俺、これ食べたら一旦ピアにお水出しに行ってくるよ」

「そうね」

「絶対、ピーピー言ってるぞ」

「フフ、そうかも」

「ルル。ジュノー嬢、コンポートゼリーに感動してないか?」


 見てみると、ジュノー様の目がウルウルしてます。


「そんなに?」

「そんなにだろ。ちょっと行ってくるわ」


 レオン様が席を立ちます。


「申し訳ありません。少し、失礼します」

「レオン、どうした?」

「ラウ、ああ水をな」

「ああ、成る程」


 レオン様がサロンを出ようとした時です。廊下からバタバタと音が聞こえ……


「ダメです! 戻りましょう!」


 この声は、リアンカが叫んでいるわね。


「なんだ?」


 レオン様がドアを開けたと同時にとびついてきました。


「ピピー!!」


 そうです。ピアです。後ろにモモに乗ったルビもいます。


「ブホッ!?」


 ピアがレオン様の顔面に抱きつきました。


「あー……ハハハ」

「ブハハッ!」


 ラウ兄様とジュード兄様笑ってる場合じゃないわ。


「ピア! コラッ! 離れろ!」

「ピー! ピピピュー!!」


 もう、なんだかなぁ……。


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