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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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57/137

57ーマジックバッグ

「【神の愛し子】……なんと言うか、想像の遥か上いってるっつうか……」

「だから、ルルが悪役令嬢なんかのハズがないのよ」

「ハハ、それは前世のゲームの世界で」

「ルルはこの世界に生まれる血筋から神が関わっているの。そのルルと縁の繋がるレオン様。あなたもある意味選ばれし者ね」

「俺が……?」

「レオン様もステータスを見て。変化があるハズよ」

「ステータス……こんな称号も加護もなかった」 

「そう、称号が【神に選ばれし者】そして【創造神の加護】」

「これは、ルルと生きていくと決めたからか?」

「そうね、レオン様が知っているシナリオと違っているのは、きっとレオン様が転生者で子供の時に前世を思い出し、シナリオとは違う人生を選んだからだと思うわ」

「あれか、冒険者を志望した事か」

「それとあなたの血筋にも神は関わっているわ」

「俺の?」

「レオン様の血筋、つまり帝国皇家ね。それと、ルルの母方の血筋。その両家はレオン様やルルの様な転生者の受皿になっているのよ。だから、両家にしか、鑑定スキルや無限収納が現れない」

「何故、その両家なんだ?」

「転生者は、必ず特別な力やスキルを持って生まれてくるわ。両家はそれを私利私欲に利用する事なく、愛しみ大切に育て守ってきた。その事実が神の信頼を得ているの。だから【創造神の加護】よ」

「その話を聞くと、ルビやピアと出会ったのもルルだからか」

「そうね、でもそれはレオン様や私も関係あるわ」

「俺やモモも?」

「私は神の眷属だし、レオン様も特別な魂を持ってるわ。私達に引かれたのね」

「そうか、俺もか……」

「だからと言って、重く受け止める必要はないわ。あなた達は自由に思い通りに生きていいのよ。この話をしたのは、ルルはまだ心の何処かで孤独を引きずっている。だからレオン様との話にも、いざとなったら二の足を踏んだのね。でも、レオン様なら癒していけると信じてるわ」

「モモ、よく話してくれた。より覚悟ができたわ」

「でも、まさかレオン様まで転生者だとは思いもしなかったけど」

「そうだな、俺もルルが転生者で驚いたよ」

「ルル、臆病になる必要はないわ。前世は前世よ。今じゃないわ」


 ふんわりと……優しくふんわりとレオン様に抱きしめられて、髪にレオン様の唇が触れました。


「ルル、大丈夫だ。俺はルルを独りぼっちになんかしない。ルル、一緒にいよう。一緒に生きていこう」

「ピピー!」


 ピアがレオン様の頭に飛びついてきました。


「いや、ピア。今出てくる所じゃないだろう」

「フフ、ピアは本当にレオン様の事が好きなのね」

「ピー!」

「ルル、婚約発表するぞ」

「レオン様」

「第1王子なんかに渡してたまるかよ」

「それはないわ」

「どうして? そうとも言い切れないだろ?」

「だってお母様は今の王家の事を相当嫌っているわ」

「それもそうだな。スッゲー嫌いなのが、伝わってくるよな」

「お母様はハッキリと、王家には絶対に嫁がせない、て仰ったそうよ。それに王家も隣の大国、帝国皇子の婚約者には手を出せないわ」

「それもそうだ。ルル、離さないからな。覚悟しろよ」

「分かった。でもレオン様、私の方が強いのよ。逃げようと思えば、力づくで逃げられるわよ。頑張ってね」

「クソー、頑張るよ!」

「レオン様、そろそろ離れて下さいね」

「ええー。せっかくいい雰囲気なのにー」

「そうでもないわよ。リアンカ、マーリソン様、入ってきていいわよ」

「えっ!?」


 と、同時にレオン様がパッと手を離しました。


「ルル様! ご無事ですか!」

「ルルーシュア様! 何かあれば私が制裁を!!」

「なんでだよっ! 俺、婚約者だよ!」

「ほら私、【異界帰りの姫】だから」

「何それ、そんな称号もあるのか? 俺はないぞ、皇子なのに!」

「わふぅ……」

「モモちゃん呆れないで! 折角の雰囲気が台無しだよ」

「そうだ、マーリソン様。マジックバッグ増産しなきゃ」

「ジュード様が仰ってましたね」

「ええ、ジュード兄様のセイバーに、ラウ兄様のところもね。兄様二人のセイバーに作ったら、絶対にお父様も欲しがるわ」

「成る程。ではユリウス殿と頑張りますか!」

「大変だと思うけど。勿論、私もお手伝いするわ」

「私はルルーシュア様と一緒に作れるのなら至福ですッ!」

「なんで俺、マーリソン殿に負けたんだろ……」

「レオン殿下、いつでもお相手しますぞ!」

「クソ! 次は勝つ!」



 さて早速、マーリソン様やユリウスと一緒にマジックバッグを作ってます。先ずは、ラウ兄様と従者のリルの分からね。


「先日、洞窟の調査に出向いた際もマジックバッグは重宝しましたね」

「マーリソン様、そうだったわね。食糧は勿論だけど、天幕とかもマジックバッグに入れて行けるから本当に身軽で済むものね。馬にも負担が少なくて済むわ」

「帰りも、採取した鉱石を大量に入れてましたね」

「あの量には私も驚いたわ」

「ハハハ。私も見ましたが、裏庭に山になっておりましたね」

「フフフ。ユリウス、あの時は見上げていたものね。バロールにミスリルを渡したけど、まだまだ大量にあるわよ。結局、倉庫に入りきらなくて、まだ私が無限収納にかなりの量を預かっているもの」

「ルル様、次は魔物の素材が欲しいですね」

「ユリウス、魔物の素材?」

「そうですよ。マジックバッグを作る為の、空間魔法に耐え得る皮が必要ですからね。まずは魔物の皮で素になるバッグを作ってもらいませんと、この分では足りませんね」

「そうなのね。じゃあレオン様に討伐に行ってきてもらおうかしら?」

「ルル様、先ずはお父上にご相談されませんと」

「ええ、そうね。そうするわ」

「まさか、こんなに魔物素材のバッグが必要になるとは思いもしませんでしたから、バッグを作っている領地の女性達も仕事が増えて喜びますよ」

「夕食の時にでもお父様に相談してみるわ」

「それはそうと、モモちゃん達は今日は一緒ではないのですね」


 なんか、内職しながら井戸端会議してるみたいだわ。


「ピアがレオン様の剣術の鍛練について行くと言うから、モモとルビも付き添っているのよ。ピアはヤンチャだから。直ぐにピーピー鳴きながら飛びまわるでしょ。邪魔になっちゃうわ」

「しかしルルーシュア様。私はピアちゃんを見ていると畏れ多く思ってしまいます」

「マーリソン様、どうして?」

「ピアちゃんだけでなく、モモちゃんもルビちゃんもですが、なんせ神の眷属に伝説の生物ですから! さすが、ルルーシュア様です!」

「ピアはモモの魔力に惹かれて来たみたいよ。レオン様に一番懐いてるし。ルビもモモが見つけたんだしね」

「モモちゃんがルビちゃんをですか?」

「ルル様、マーリソン様はルビを保護した経緯をご存知ないですから」

「そっか、そうだったわね」


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