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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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52ー首がない!?

「湖龍は、身体が白く性格は穏やかで人を助けると何かで読んだ事があります」


 ユリウスは博識ね。ホント、ユリウスの対応が落ち着いていて嬉しい。


「そうなの? モモちゃん」

「そうね、湖龍はドラゴンの中でも穏やかね」

「ルル様、私の方で結界と盗難防止は付与致します」

「ユリウス有難う。後は私が魔道具作ればいいのね」

「はい。しかし……」

「ユリウスどうしたの?」

「見たところ、ピアちゃんは首輪じゃない方がいいですね」

「あら、どうして?」


 モモもルビも首輪だったじゃない。どうしてかしら?


「首がありませんから」

「ピッ……!」


 皆でピアを見ます。成る程。お顔からそのままなで肩に繋がるみたいな感じよね。首がないのじゃなくて、肩がないのじゃないかしら? え? どこからが首かしら? まあ、どっちでも良いけど。


「ピ……」


 あれ? ピア、落ち込んだ? ホント、ピアは表情が豊ね。


「じゃあ、何にする?」

「そうですね、腕輪……とかは如何です?」


 ふむ、腕輪か。それもカッコいいわね。


「じゃあ、腕輪にしましょうか」

「で、まだ赤ちゃんなんですよね?」

「そうね。」

「では、大きさの変化に対応できるものにしましょう。ルル様はまた腕輪につける魔道具をお願いできますか?」

「分かったわ」


 大きさに対応て、どうするのかしら?


「ピアちゃん、何色がいいですか?」

「ピ……ピピュ!」


 私の肩に乗ってきました。


「ルル様の髪の色ですか?」

「ピー!」

「これは難しい色にしましたねー」

「ユリウス、いいわよ赤で」


 面倒じゃない。


「ピー……」

「ルル様、悲しがってませんか?」

「そうみたいね」

「じゃあ、ピアちゃん。紫にしませんか?ルル様の髪の色より濃い色ですが」

「ピー」


 手を上げました。いいのかな?


「ピアちゃんは身体の鱗が白いので、ルル様の髪色にしたら腕輪が目立たないんですよ。ティシュトリア家が保護していると分からないといけませんからね。分かりますか?」

「ピー」

「余り薄くならない様に、シルバー掛かった紫で作ってみますよ」

「ピー」


 いいみたいね。


「じゃあ、ユリウスお願いね」

「畏まりました」


 ユリウスの研究室を出ます。


「ジュード兄様、どこ行ったのかしら?」

「さっきノトスと裏の方に歩いて行ったぞ」

「私はこのまま1階に寄るわ」

「おう」


 そう言いながら、階段を降ります。


「1階で何するんだ?」

「森で魔物を収納したでしょ。解体してもらっておこうと思って。さっきジュード兄様が言ってたでしょ?」

「ああ、俺が持ってるのもだよな?」 

「ええ、勿論」


 1階にあるルフタの解体所に寄ります。


「ルフタ、いるかしら?」

「ルルお嬢様、親父は今ちょっと出てるんです。直ぐに戻りますよ。解体ですか?」


 ルフタの息子でラクチェです。ラウ兄様と同い年で、ルフタと同じ赤髪の元気なお兄さんです。


「そうなの。出していいかしら?」

「こっちにお願いします。今回は何ですか?」


 話しながら、皆で奥へと移動します。


「ワイルドボアが3頭と、ファング5頭よ」

「了解です」


 ドサッと出します。


「レオン様も出してね」

「ああ」

「……ルルお嬢様、それが無限収納ですか?……て、言うかモモちゃんに乗ってるそれは……!?」

「戻ったぞー! おう、ルル嬢じゃないか。ん? ラクチェどうした?」


 入口からルフタの大きな声が聞こえました。


「……。」


 いきなり、ルフタが無言になりました。


「ルル嬢、その白いの増えてねーか?」

「ああ、ドラゴンの赤ちゃんでピアて言うの。宜しくね」

「ピ」


 ピアはまた片手を上げます。


「「ドラゴン!?」」

「それと、私の婚約者のレオン殿下」

「あの、帝国第3皇子でしたっけ……?」


 よく知ってるわね。 


「ああ、よろしく」

「いや、ルル嬢! サラッと終わらすんじゃねーよ!」

「ピ?」


 何をかしら? ピアと二人で首を傾げていると、レオン様が……


「グフッ! ルル、ドラゴンだよ」

「ああ、ドラゴンの赤ちゃんよ」

「いや、それはさっき聞いた」

「親父、仕方ないよ。ルルお嬢様だし」

「あ? ああ。そうだったな」

「ブハハッ!」


 ホント、もう慣れたわ。


「じゃ、ルフタ、ラクチェお願いね」

「「お、おう」」


 さて、魔物も渡したし。


「レオン様、鍛練場に行ってみますか? ジュード兄様がいるかも」

「ああ、行ってみたいな。双剣を試してみたい!」


 はいはい。やる気ですね。


「私は、投げナイフが欲しいなぁ」

「あのちっちゃいのか?」

「そう。便利そうだもの」

「試した事あるのか?」

「あるわよ。小さい頃にお母様に教わったわ」

「ホント、宰相の家系てどうなってんだ」


 そうね、無敵ね。


「なぁ、ルル。奥て何があるんだ? 俺、あんまり裏は来た事ないな」

「領主隊の隊舎とか、今言ってた鍛練場とか、あと使用人棟でしょ。今行ってきたユリウスとディアナの研究室にニコラの畑に、あと牧草地にコッコちゃん」

「コッコちゃん!」


「ピ!」

「見に行く?」

「ああ! 見たい!」

「でも、気をつけないと舐められたら蹴り入れられるわよ」

「マジかー! 魔物だもんな!」


 ――コーココー! コケッ!


「マジか、スゲー。何頭もいるじゃん!」

「卵が美味しいのよ」


 コッコちゃん見にきています。今は柵の中に放飼にされてます。でも、コッコちゃんて飛ばないの? 柵て意味なくない?


「うわー。ルル、俺コッコちゃんに超睨まれてるよ」

「品定めされてるんじゃない?」

「コエー。なんでそんな凶暴なんだよ? よく飼ってるな」

「ああ、小さい頃に兄様達と捕まえたのよ。卵が美味しいのよ」


 2度言いました。美味しいのは大切だからね。


「……。」


 レオン様、お口が開いてますわよ。だって美味しい卵食べたいじゃない。


「油断していると、飛び蹴りされるわよ」

「ええー!!」


 ――コココココーー!!


 ほら来た! コッコちゃんがレオン様を狙って飛び蹴りして来ました。すかさず、私も横から飛び蹴りしてコッコちゃんを蹴り返します。


 ――ドガッ!!


「……!!」

「ピ……!」


 レオン様、固まってますね。


「コッコちゃん、この人は私の婚約者なの。分かるかしら?」


 と、言いながらコッコちゃんに威圧を放ちます。


 ――コッコッコッコッ……


 コッコちゃん、ジリジリと後ろに下がりました。


「二度としないでね」


 ――コッコー……


 分かったのかしら? 去って行きました。


「ルル、ルル、コ、コエー!」

「ピピ……!」


 レオン様、ちゃんと話して。腰が引けてるじゃない。何でピアと抱き合ってるの?


「だから言ったでしょう? 足蹴りされるって」


 レオン様、無言でカクカクと頷いてます。


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