表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/137

49ー報告

 今回、私は特別な事はしていないと思うのだけど?


「そうなのです! ルルーシュア様は素晴らしいッ!」


 あー、いましたね、この人マーリソン様も。


「普通、いくら幼体とはいえドラゴンを保護するなどは有り得ない話です! それが可能なのも、ルルーシュア様の膨大な魔力故なのですッ! 」

「まぁマーリソン殿。落ち着かれよ」


 そうそう、お父様。止めて下さい。


「これが落ち着いておられますか!? 公爵様、宜しいですか? このままピアちゃんがこの地に住み続けた場合、どうなるか想像してみて下さい」

「どうなるのだ?」

「ドラゴンは、強大な魔力を有しております。今の幼体の状態でさえ、魔物の脅威になります。その証拠に帰りは森の中で一度も魔物に遭遇致しませんでした!」

「あの森の中で一度もか!?」

「そうです! これがどの様な意味を持つのか、簡単に想像できるでしょう。ドラゴンは居るだけで、この地を守護している事に繋がるのです! ドラゴンは何千年と生きます。その上最強の生物です。そんなドラゴンが居る地を誰が攻め落とそうと考えますか? その様な事、考える訳がありません。絶対に人間はドラゴンに勝てる訳がないのですから!」


 なるほど……そうか。そうよね。


「ピー?」

「このティシュトリアの地は、ドラゴンに守られた最強の地となるのですよ!」


 んー、それはちょっと大袈裟かな?


「その上、モモちゃんにルビちゃんもいます! 神の眷属たるシルバーフェンリルに伝説のカーバンクルです! これはもう、神に守られた地と申しても過言ではないでしょう!」


 ………………。

 皆、黙ってしまったわ。言葉が出ないわよ


「しかし、気をつけなければならない事も御座います」

「それは、何であろう?」

「はい、公爵様。人間と言うのは欲深い生き物です。どの世にも、馬鹿はおります。ピアちゃんだけでなく、モモちゃんルビちゃんを我が物にしようとする輩も出てくる事でしょう。ですので……ですので! ティシュトリア家の紋章にドラゴンとフェンリルとカーバンクルを入れましょう!!」


 あれれ? 後半、意味分かんなくなったわよ。


「マーリソン様、お気持ちは理解できますわ」


 お母様、いついらしてたのですか!?


「ルル、ドラゴンが強大な魔力を有している……て、ところからよ」


 また、心を読まれちゃったわ。


「モモちゃんルビちゃんだけでなく、ピアちゃんも極秘にしなければなりません。特にあの馬鹿王家には知られてはなりません。あなた、いいですね?」

「ああ、領地内は仕方ないとして……いや、領地内にも箝口令を出そう。モモもルビもピアも必ず我が領で守護しなければ」


 まぁ、モモはもう既に領地のアイドルだけどね。


「ピーピピュー?」


 ピア、大丈夫よ。


「ピア、私のお母様よ」

「ピー!」


 ピアはまた片手をヒョイと挙げます。


「まあ、おりこうさんね。ご挨拶してくれてるのかしら? ピアちゃん宜しくね」

「ピピュー!」


 ピアがお返事しているわ。おりこうさんね。


「他にはないか?」

「父上」

「ジュードどうした?」

「今回、洞窟からかなりの量の鉱石類を採取してきました。ミスリル鉱石もです。そのミスリルで、先ずは試しに我がセイバー隊の武器を作成してみようと思ってます。魔鉱石もあるのですが、まだ加工は無理だとモモが判断しています。先ずはミスリルから。ですので、バロールに依頼して宜しいでしょうか?」

「勿論だ。ミスリル製の武器か。ジュード、私も欲しいぞ!」


 お父様、言うと思ったわ。


「父上、私も欲しいです!」


 ラウ兄様まで。


「ジュードお母様も欲しいわ」


 お、お母様まで!?


「と、とにかく、バロールに相談してみようと思います。」

「そうだな、明日にでも行ってこい。ジュード、また洞窟に採取には向かえるのか?」

「勿論です。先程、マーリソン殿が説明した様に、ピアが一緒だと魔物は寄ってきません。しかし雑魚が寄って来なくなるだけの様で、魔物が消える訳ではありませんから、今迄通り討伐は必要です。それにピアの飲む魔素水も定期的に補充する必要がある様ですので、また洞窟には行く事になります」


 以上で報告会はお開きになりました。


「ルル、鉱石の受取を頼む」

「はい、ジュード兄様」

「隊員達が、裏に纏めて全部出してくれているらしい」

「分かりました。今から向かいます」

「ルル、俺も行くよ」


 と、言うレオン様とジュード兄様、モモに乗ったルビとフワフワ浮かぶピアと一緒に邸の裏に来たのですが……


「ジュード兄様、なんですかこの量は!?」

「いやぁ、まさかこれ程とはな。ハハハ!」

「スゲー量を採取したんだな」


 ほら、レオン様も少し引いてるわ。


「ルル様、これで全部です。お願いします」

「ノトス、分かったわ」

「ルル、俺半分収納しようか?」

「いえ、レオン様大丈夫ですよ」


 私は山の様に、そう正に山の様に積まれた鉱石に向かった。まさか、こんな量を採取してたなんて。きっとトンよ。キロじゃなくて、余裕でトンあるわよ。

 隊員達頑張ったわね。そう言えば、マーリソン様が魔法で崩していたものね。魔法で崩して後はマジックバッグにガンガン収納した、て感じかしら?


「最初はお邸の前庭に出そうとしたのですが、予想の量を軽く超えていたので裏庭にしました。隊員達もミスリルの剣が欲しくて張り切った様です」


 ニコッ、て。ノトス、全然動じないのね。


「私もミスリルの剣が欲しいですので」


 あー、はいはい。じゃ、サッサと収納するかな。山に近づいて手を翳し無限収納を意識する……と、シュンシュンと次から次へと収納されて行きます。しかも無限収納の中ではしっかり種類別になっています。


「あー、スゲーな。レベルが違うとこんなに違うんだな」


 レオン様がなんか言ってますね。どう違うのかしら?


「さ、終わりましたよ、ジュード兄様」

「お、おう。明日にでもバロールのとこに行くか」

「ルル、勿論俺も行くぞ!」


 レオン様も武器が欲しいのね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ