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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第ニ章

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43/137

43ー出発

 さて朝です。洞窟調査へ出発当日です。


「ルル様、おはようございます。今日はお洋服と髪をどうします?」

「リアンカおはよう。いつも通り討伐の時みたいに後ろで纏めてくれる?」

「畏まりました。お風呂はどうなさいますか?」

「2日入れないから軽く入っておくわ。モモ、ルビ、お風呂いくわよ」

「わふぅ……」

「はーい」

「何? モモ嫌なの?」

「わふっ」

「だめ! 入るわよ。リアンカ、モモをお願い」

「はい。モモちゃん、さ、行きましょう」

「わふぅ……」


 ガッツリ、リアンカに洗われたモモちゃん。キレイになったわ。項垂れてるけど。尻尾を巻き込んでるけど。


「モモ、ルビおいで、乾かすわよ」

「わふ」

「はーい」


 皆まとめて「ドライ」

 シュルン……と、水分がとんで一瞬で乾きました。


「さ、ご飯食べに行きましょう」

「わふっ!」

「ごはんー」


 モモちゃんさっきと声が違うわ。そんなにお風呂嫌なの?


『嫌じゃないの。バシャバシャ洗われるのが嫌なの』


 そうなの? でも綺麗になったわよ。


『我慢するわ』


 ふふ、モモでも嫌なものがあるのね。


「ルル、おはよう!」

「お父様、おはようございます。お母様、お兄様、レオン様おはようございます」


 あら、私が最後でしたね。


「ルル、いい? 絶対に1番先に突っ込んで行ったらダメよ! 危ない事はしないでちょうだいね」


 お母様に注意されました。そんなに突っ込んでないわよ?


「母上、今回は討伐目的じゃないんですから大丈夫ですよ」


 ジュード兄様が宥めて下さってます。


「公爵夫人、大丈夫です。私もついてます」


 レオン様もです。


「レオン殿下、殿下はいつもルルと一緒に飛び出してるじゃないですか。ルルより楽しそうなお顔をされてる時があるもの。ダメよ」


 あぁ……言われちゃった。気にしてるのに。レオン様、肩を落とされてるわ。


「モモちゃんお願いね!」

「わふっ!」


 あらら。最終的にはモモなのね。


 ジュード兄様と従者のノトス、レオン様、モモにルビ、マーリソン様、そしてジュード兄様のセイバー2(ドス)から10名。馬と一緒にお邸の前庭に集まっています。


 セイバーとは、ティシュトリア領の領主隊の事です。中でも選りすぐりの精鋭達がセイバーと言われ、3部隊あります。

 セイバー0はお父様が隊長で、執事兼側近のガイウスが副隊長。

 セイバー1(ウノ)がラウアース兄様が隊長で、従者のリルが副隊長。

 セイバー2(ドス)がジュード兄様が隊長で、従者のノトスが副隊長。

 全部で10部隊あるうちの精鋭です。完全実力主義で、下の者に負けたらセイバーから落ちる可能性もあります。

 うちの領地はお父様の方針で、領主隊だけでなく従者も事務系も全ての者が実力主義です。

 お兄様達の従者も10歳になる迄に、実力と兄様達との相性を見て付けられます。しかも貴族や平民に拘らず全領民から募集されます。成り上がるには、滅多にないチャンスですね。

 8歳の頃に同年齢の子が3名選ばれ、鍛練をし教育を施され10歳になる頃に一人に絞られます。この時に選ばれなかった二人も、執事見習いや従者補佐として残ります。

 魔物が出る領地だからこそ、実力が伴わないと危険なのです。


 さて、私の馬は白に立髪にだけブルーが少し混じった雄馬です。お誕生日にお父様から頂きました。

 レオン様の馬は、真っ黒です。ツヤッツヤです。

 ジュード兄様の馬はこげ茶に鼻先から背中に掛けての白い立髪が綺麗です。


「ジュード、レオン、ルルーシュア絶対に無理しない様に、怪我なく無事に戻ってきてくれ。マーリソン殿、頼んだぞ」

「「「はいっ!」」」

「お任せ下さい!」


 さぁ、洞窟へ向けて出発です。


「マーリソン様、討伐は始めてじゃないですか?」


 少し心配になって聞きます。


「ルルーシュア様、お気になさらず。魔道士団時代は討伐だろうが、なんだろうが駆り出されましたから」


 へぇ、そうなんだ。意外とブラックなのね。


「ジュード兄様、お邸の裏から森に入るのではないのですね?」

「あぁ、今回は領地の果樹園を抜けて森へ向かう。その方が、森に入ってから近いんだ」


 お邸を出て、街中は危ないのでゆっくり移動し領地の西側にある果樹園に入ります。作業をしている領民達がいます。

 先頭はセイバーの隊員2人、次にジュード兄様とノトス。その次にレオン様とマーリソン様、私とモモ。その後にセイバー隊員。

 ジュード兄様と私達の両脇にもセイバー隊員がいます。


「ジュード様! 討伐ですかー!」

「ルル様! お気をつけてー!」

「モモちゃーん!」

「いってらっしゃいー!」


 彼方此方から声を掛けてくれます。


「おぉー!」

「有難うー!」

「わふおぉぉーん!」

「「モモちゃーん! かわいー!」」


 ジュード兄様と二人で答えながら手を振ります。モモも答えてます。人気者ね。ルビは大人しくモモの背中に乗ってます。


「森へ入るぞ!」


 馬が速くなりました。出来るだけ魔物との遭遇を避けて、洞窟に辿り着きたいです。時間も体力も削りたくないですからね。


「ルル、マップ展開して!」

「了解! レオン様、マップ展開です!」

「おぅっ!」

「ルル! 魔物は大丈夫か!?」

「ジュード兄様! 最速で洞窟に向かって下さい!」

「分かった!」


 ジュード兄様の馬が早くなると、私達もセイバーも合わせてスピードを上げます。


「ルル、前からワイルドボアが3頭!」

「ジュード兄様! 前からワイルドボア3頭来ます!」


 モモが知らせてくれた通り、声を張ってジュード兄様に知らせます。


「セイバー!」

「「おうっ!!」」


 後ろから二人の隊員が抜け出しました。馬に乗ったまま、アッと言う間に討伐します。


「流石だな!」

「レオン様! 通り過ぎる時に無限収納に!」

「ああ! 分かってる!」


 二人で分かれて、通り過ぎながらシュンッと収納します。


「まだまだ行くぞ!」

「おうッ!」


 いいペースで進んで行きます。もうホーンラビット位なら素通りです。


「ルル、このマップ表示はなんだろ?」


 マップにまた魔物の表示が。


「横から来るのよ、コレはファングね」

「ジュード兄様左です! ファング5頭!」

「「「おうッ!」」」


 ジュード兄様が指示を出さなくても、私の声を聞いてセイバーが走って行きます。


「俺が収納に向かう!」


 レオン様が後を追いかけます。直ぐに後ろから追いかけて倒した魔物を収納して戻ってきます。


「アッと言う間だ」

「そうね」


 かなり森に入ってきました。


「もうすぐだ!」

「隊長! あの岩山の所です!」

 

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