表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/137

35ーパーティー

「グフッ!!」


 え? またレオン様が吹き出したのかって? 違うわよ。私の呻き声よ!

 今日は、第2王子の誕生日パーティー当日です。ドレスを着るので、リアンカにコルセットを締められてます。キッツイ!!


「リアンカ、もういいわよ!」

「ダメです、ルル様! こんなのまだユルユルですよ! さぁ、息を吐いてー。いきますよー!!」

「うっ……!」

「はい、ルル様、出来ました! ドレスはこちらですよ」

「このドレス、どうしたの?」


 お祖母様達に着せ替えさせられた時はなかったわよ。


「ティシュトリア領のお邸から、持ってきました。綺麗ですよね」


 なんと言うか……うん、お嬢様ね。でもね。じゃあ、あの着せ替えされている時間はなんだったの?

 スカイブルーの生地に青紫で、一面に刺繍が施されてる豪華な逸品ですね。おいくらかしら? いや、知らない方がいいわね。


「スカイブルーて、レオン殿下の瞳の色ですよね。素敵です」


 ほぉーん……


「ルル様、アクセサリーはこちらです」


 ほほおぉーん……


「ルル様、お顔がしらけてますよ」


 だってねぇ、婚約者の色を見に着ける……て、なんか照れ臭いじゃない?


「さ、着てしまいましょう!」

「はーい」


 着替えて下に降りて行くとお父様が飛んで来ました。


「ルルー!! 綺麗だー!!」


 お父様、暑苦しいわ。


「まぁまぁ、本当によく似合ってるわ!」

「お祖母様、有難うございます。お祖母様も素敵ですわ」


 お祖母様は萌黄色のふんわりしたドレスです。


「まぁ、ルルったら」

「態々、領地のお邸から持ってきた甲斐があったわね。さあ、レオン殿下がお待ちよ。行きましょう」


 お母様は瑠璃色のドレスですね。お父様の瞳の色かしら。


「ルル……! 綺麗だ!!」

「レオン様、有難うございます」

「今日は俺がエスコート出来ないのが残念だよ」

「まぁ、ラウ兄様ったら。エレイン様がいらっしゃるじゃないですか」

「ルル、似合ってるよ。綺麗だ」

「ジュード兄様、有難うございます」

「さ、行きますよ」


 お兄様達とレオン様も一緒に馬車へと乗り込みます。お父様達は別の馬車です。

 今日のレオン様は、威厳も気品もあってザ・王子様!! て、感じです。黒の正装が良く似合ってます。


「……なんだよ?」

「レオン様も皇子様だったんだなぁ、て感心しているところです」

「え、ルル。俺の印象て、そんな感じ?」


 まぁね。とは、言うものの。イケメン3人を前にすると、なんか凄いな。キラキラしてるわ。


「そろそろユリウスとケイは邸に忍び込んでる頃かな」


 大丈夫かしら。1番危険な役目だからね。


「大丈夫さ。ケイは強いし、機転もきくからな」

「他も上手くいってるみたいだよ。王宮で振る舞った紅茶とバウムは大好評だったらしいぞ。アッと言う間に無くなって追加を配ったんだってな」


 そうなのよ。予備を作っておいて良かったわ。


「昨日、王家の皆様にもブレスレットをお渡しして着けて頂いたらしい。残念ながら第2王子はレジストできなかったそうだ」

「やはり、長い間何度もかかっているんでしょうね」

「そうだな。だが、ディアナが作った魅了の解呪薬も父上は持って入るぞ」

「はい、ラウ兄様」


 準備は沢山してきた。段取りも確認した。大丈夫だ。後は本番に臨むのみよ。馬車は進み、王宮に到着しました。


「さぁ、ルルーシュア嬢参りましょう」

「はい、レオン様」


 流石、皇子様。堂々とエスコートしてパーティー会場へと入って行きます。きっと見られる事に慣れているのね。私も公爵令嬢の微笑みを張り付けて、ついて行きます。


 ――まぁ、ティシュトリア公爵家の方々よ?

 ――ラウアース様、いつ見ても麗しいわ!

 ――ジュード様、カッコいい!

 ――ルルーシュア様をエスコートなさっているのは、どなたかしら?

 ――いつもラウアース様がエスコートなさっているのに。

 ――もしや、ルルーシュア様の婚約者とか!

 ――どなたでもいいわ。あの方も素敵!


 ふふん! お兄様達、相変わらずの人気ね。レオン様もなかなかじゃない。


「ラウアース様」

「エレイン嬢、今日のドレスよく似合っているね。ここからは私がエスコートしても?」

「ラウアース殿、娘を頼みます」

「侯爵、お任せ下さい」

「エレイン様、ジュノー様はどちらに?」


 お姿がみえないわ。


「侯爵様と来られているはずですわ」


 まだ第2王子、出てきてないわね。その時、音楽が鳴り響き中央の階段から、王様と王妃様、それに第1王子のディーユ殿下が降りてこられました。


「レオン様、あちらが第1王子のディーユ殿下です」

「ああ」

「あ、出て来られましたよ。あれが第2王子のバッカス殿下です」

「皆、今日は第2王子バッカスの為によく集まってくれた! 今日の日を無事に迎えた事を祝って!」


 さぁ、王様の言葉でパーティーの始まりです。まず順に王族の方々へご挨拶します。爵位の高い者からなので、お祖父様達が1番最初です。我が家は2番目。お父様は前王弟殿下の息子ですからね。

 お祖父様達の後ろで、一緒に頭を下げます。


「モーガン叔祖父上、ティシュトリア家の皆、揃って来てくれたのか。有難う」

「陛下、第2王子殿下にお祝い申し上げます」


 お祖父様がご挨拶なさいます。


「有難うございます」


 バッカス王子、やっぱり全然覚えがないわ。


「そちらは、見ないお方ですね」


 陛下がレオン様を見られました。


「陛下、お初にお目に掛かります。帝国第3皇子のレオン・ド・ペンドラゴンと申します。第2王子殿下、お祝い申し上げます」

「陛下、レオン殿下は孫娘ルルーシュアの婚約者に御座います」

「おぉ、そうか、そうか! 其方が」


 ホントに第2王子て、同じ学園だったのに全然覚えてないわ。第1王子のディーユ・ オーベロン殿下はブロンド髪に金色の眼のピカピカなザ・王子様、て感じの方。今日はザ・王子様が二人もいるわ。第2王子のバッカス・ オーベロン殿下はアッシュブロンドの髪に金色の眼。まだやんちゃそうな雰囲気が抜けていないわね。


「陛下、では私共はこれで」

「ああ、有難う」


 下がって移動します。こっそりラウ兄様が教えて下さいます。


「ほら、見てごらん。向こうに第2王子の取り巻き達と一緒に、例の男爵令嬢がいるよ」


 男爵令嬢、今日も頭のリボンから靴の先までどピンクなのね。目が痛いわ。


「あれが……?」


 レオン様、ガン見しすぎ。あれ? なんか男爵令嬢こっち見てない?


「レオン様、男爵令嬢見てますよ」


 ロックオンされてますよ。


「あぁ、見ているな」

「もしや、隠しキャラのレオン様目当てじゃないですか?」

「まさか」

「レオン殿下推しだったりして」

「やめてくれ……ゾッとする。てか、本当にどピンクだな。ビックリして思わずガン見したわ」

「スッゴイ見てるわ。いや、睨んでる?」

「じゃあ、見せつけてやろう」


 レオン殿下、腰に手を回してきましたよ。


「ハハ、ルルは可愛いな」


 耳元で囁くな! もう、ホントやめて。

 パーティーはまだ始まったばかりです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ