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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第一章

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27ー報告会2

全くの素人が、思い付きで書いている処女作です。目に止まったら少しだけ読んでみて頂ければ嬉しいです。ゆる~くふんわりとしてます。細かい事は大目にみて読んで頂ければ幸いです。細かい事が気になる方、完璧を求める方はどうかご遠慮下さい。

「皆様、お紅茶入れなおさせますわ。一息つきません事?」


 お祖母様の言葉で、張り詰めていた場の空気が緩みました。私も周りに聞こえない様に、息を吐きます。


「ルル、ルル」


 誰ですか、呼ぶのは? て、隣のレオン様ですか。


「どうかなさいましたか?」

「ルル、その……さ。甘いのとかないのかな?」


 この皇子は……


「クッキーが出ているでしょう?」


 小さな声で返します。


「えぇぇ……だってさ、これパッサパサじゃん?」


 この、お・う・じ・は……!


「ルル、お母様も甘いものが欲しいわ。王都の菓子は美味しくないんですもの」


 お母様まで! 二人で眼をキラキラさせて見つめてきます。


「もう、仕方ありませんね。バウム位しかありませんよ」

「勿論、それで構わないわよ!」

「では、少し失礼しますわ」


 私は立ち上がり、隅で控えているメイドの所までいきます。


「ごめんなさい、大きなお皿はあるかしら?」

「はい、御座いますが、如何なさいました?」

「うん、気にしないで」


 壁の方に向かい、コッソリ無限収納からバウムをドドンと出します。


「え……!? ルル様……これは……」


 メイドさんビックリ目です。そりゃ、そうだ。何もない所から見た事ない物が出てきたんだから。


「此方を切り分けて皆様に出して下さる? あなた達も食べてね、甘くて美味しいわよ」

「はい、ルル様! 有難う御座います」


 皆様にバウムが配られます。お母様と、レオン様は満足気にもう食べてますね。


「ルルーシュア様、この菓子はなんて甘くて柔らかい、それにしっとりもしていて……。初めて食べましたわ」


 エレイン様、有難う。


「私もです。なんて美味しいのかしら」


 先程までポロポロ涙を流していたジュノー様も、笑顔になってますね。良かったわ。うちの副料理長イワカムが喜ぶわ。


「皆様、初めてでらっしゃいますか? ティシュトリア領では平民も普通に食べておりますわよ」


 お母様、自慢ですか? 自慢ですね!


「なんと、素晴らしい!」

「魔道具といい菓子といいティシュトリア領は想像を遥かに超えてますな」


 侯爵様、驚いてますね。


「ルル、ルル」


 また声が……背後霊かしら……? て、空のお皿を持ったレオン様。


「なんですか?」

「ルル、おかわり」


 ありません。シカトしよ。


「ルル、お母様もほしいわ」


 あ・り・ま・せ・ん! この二人はもう……!


「お母様、レオン様、夜にあまり食べない方が宜しいですわ。太りますよ」

「「えぇぇ……」」

「さ、そろそろ宜しいか? 其々が集めた情報を共有しておきたいのだが」


 お父様、口の横にバウムのクズがついてますよ。齧り付きましたね?


「レオン殿下、ケイの報告がまだないのだが?」


 さ、いつまでも空のお皿を見つめていないで皇子様の出番よ。


「ああ、大丈夫です。今夜、此方に来る様に言ってありますので、そろそろではないでしょうか?」

「そうか。では先にジュード報告を」


 あ、お母様がお父様のお口を拭きに行かれました。仲良いわね。


「はい、父上。私とユリウスで、マーリソン・モルドレッドを調べてまいりました」

「ジュード殿、それはどなたですかな?」


 ディアス嬢のお父様マールス・クロノス侯爵の質問です。


「ああ、失礼。第2王子派筆頭のサクソン・モルドレッド侯爵の嫡男だ」


 お父様が答えられました。


「ジュード、経緯からご説明してくれ」

「はい。レオン殿下の手の者の調べにより、不正の証拠でもある三重になっている帳簿に、持ち出し不可の魔法がかけられている事が分かっております。それと、実は王都に来る途中で、闇の魔力が込められた不審な魔石を発見した件もあり魔導士の関与を疑っていたのです。サクソン・モルドレッド侯爵の周辺から調べ出した所、侯爵の嫡男が王宮魔導士団の副士団長を勤めている事が分かったのです。これは関与していない訳がありません。物影からですが、実際に本人を確認したのです。ユリウス続きを」

「はい。先程ジュード様から説明がありました、私共が道中に発見した魔石の件からご説明させて頂きます」


 ユリウスは湿地帯での、リザードマンや闇の魔力が込められた魔石の一連の出来事を丁寧に説明して……


「その様な魔石を作れるのは、私が把握している限りでは、膨大な魔力量を持つルルーシュア様位だと思っておりました。ですので、その魔石は複数人の魔導士が、何日も魔力を込めて作られた物だろうと想定していたのです。しかし、おそらくマーリソン・モルドレッドが何日もかけて、一人で作成した魔石であろう事と結論付けました。本人は隠している様でしたが、あの魔力の多さは隠し通せておりませんでした。何よりも、その魔力の質です。かなり洗練されておりました。ですので、魔道具の説明時にもお話しした様に、万全の準備をしなければならないと判断致しました」

「ジュード、ユリウス、そこ迄の魔導士が何故今まで表に出なかったのだろうか? 王宮魔導士団でも副士団長だったな」

「本人を眼にして、魔力の流れを見ましたところ、真の力を隠しております。何故、隠しているのかはまだ調べがついておりませんが」


 しかも嫡男なのに、何故態々王宮魔導士団なのかしら? 貴族の嫡男なら普通侯爵家を継ぐのではないかしら? まだまだ調査が必要ね。


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