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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第一章

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24/137

24ーお茶会

 さて、お茶会当日です。朝からドレスを着せられています。私はブルーから濃紺へとグラデーションになっている生地で、裾へなるにつれて贅沢に刺繍が施されているドレスです。こんなドレス、久しぶりに着たわよ。公爵令嬢なんだけどね。

 さて、リアンカを連れてお祖母様とお母様とで出陣よ。


「まあ、ネヴィア様。ようこそお越し下さいました」

「ごきげんよう。今日は、義娘と孫娘も連れて参りましたのよ。宜しくお願いしますわ。無理をお願いしてごめんなさいね」

「まあまあ、何を仰るんですか。なんでも仰って下さいな。こちらが?」

「ごきげんよう。テレス・ティシュトリアですわ。こちらは娘のルルーシュアです」

「初めてお目にかかります。ルルーシュアです」

「まぁ、ティシュトリア領からいらしたのですか? なんてお綺麗なんでしょう! 来て頂けて嬉しいわ。どうぞ、楽しんで下さいませ」

「有難うございます」

「テレス、ルルーシュア、こちらでお茶を頂きましょう。美味しそうなクッキーもあるわ」

「はい、お義母様」


 クッキーね。クッキーはいいわ。パッサパサらしいから。


「お祖母様、かの令嬢はどなたかお分かりになりますか?」


 紅茶を頂くふりをして、カップで口元を隠しながらお話します。


「ルル、ほら一人浮いてるピンクがいるでしょう? アレよ」

「お祖母様、ピンクって……あぁ、成る程……」


 目が点になったわよ。凄いわ、ピンクだったわ。

 淡いふんわりしたピンクの髪をツインテールにして、ピンクのリボンをつけて、ピンクのドレスに付いてるリボンもピンク、それにお飾りもピンク……て、くどいわ!

 まさか、髪までピンクだとは思わなかったわよ。何より昼間のお茶会なのに、そのガッツリ胸を開けて肩をだしたドレスは何? 幼児体型がモロバレよ。夜会じゃないんだから。夜会でもあれはないわぁ。


「お祖母様、何と言うか……」

「相当趣味が悪いわね」

「お母様、そうハッキリ仰ったら、身も蓋もないですわ」

「そう? でも、あのドレスはないわ。生地を見てご覧なさい、ペラッペラよ」

「なんと言うか……驚きました。でも、本人は気にしてない様ですね。お茶菓子を凄く食べていますよ」

「ルル、令嬢があんなに大口開けて食べるのを、私は初めて見たわ」

「お祖母様……そ、そうですね」


 本当に大口だったわよ。アップルパイを口一杯に食べてましたよ、しかも手掴みで。手掴みよ! マナーはどうした? ヒロインちゃん。大丈夫か? あれでヒロインなのか?

 あ、そうだ。忘れないうちにレオン様から言われた事をしとかないと。


『鑑定……』


 そうです。ピンクのヒロインちゃんを鑑定したのです。


名前:シャーロット・プロセル

種族:人族

年齢:17歳

性別:女

加護:邪神の眷属の加護

称号:異界者

LV:1

HP:51

MP:112


《スキル》

異世界言語Lv25

水属性魔法Lv2

風属性魔法Lv2

魔力操作Lv2

生命強化Lv1

《ユニークスキル》

日常生活スキルLv25

令嬢スキルLv10

思い込みスキルLv58

偽ヒロインスキルLv35

魅了スキルLv70

《耐性》

健康Lv2

物理攻撃耐性Lv1

精神攻撃耐性Lv2

   

 うわ、あったわ。レオン様の予想通り『魅了スキル』があったわ。しかも魅了スキルだけズバ抜けてレベルが高いじゃない。使いまくっているんだわ! さ、それが分かれば作戦開始よ!


「お祖母様、お紅茶を。リアンカ、その茶葉をお祖母様に」


 後ろに控えていたリアンカに言います。


「はい、ルル様」


 予め用意した茶葉をお祖母様に手渡します。


「あら、そうね。皆様、珍しい紅茶葉をお持ちしましたのよ。ティシュトリア領で採れた茶葉に桃を加えてありますの。とても香り高い茶葉ですの。是非、皆様召し上がって下さいな」

「まあ! ティシュトリア領の茶葉ですの? 素敵ですわ。ティシュトリア領の茶葉は、人気でなかなか手に入らないのですよ。ささ、皆様有り難く頂きましょう」

「まぁ、素晴らしいわ!」

「素敵ね!」

「いい香りですわね!」

「有難うございます!」


 ささ、皆さま、飲んで、飲んで。ガッツリシッカリ飲んで下さいなー。


「ネヴィラ様、この茶葉はどちらで手に入るのかしら?」

「これはまだ試作品らしいのですよ。ですから皆様の感想をお聞かせ頂きたいわ。そのうち息子の商会で取り扱う予定ですのよ」


 皆様、紅茶を飲みましたね。その時です!


「ルルーシュアさまぁ、お久しぶりですぅ!」


 ん!? 誰だ、こんな変なタイミングで話しかけてくるのは!?

 振り返ると……げっ!! ピンクの男爵令嬢じゃん! いつの間に側に来たの?


「あら、どなたでしたかしら?」


 そう、私は公爵令嬢、あなたは男爵令嬢。爵位の低いものが、高位の貴族に先に声を掛けてはいけないルールをあなたは知らないのか? ん?


「えぇー、酷いですぅ。学園でご一緒でしたのにぃ。卒業パーティーも来られなかったので、どうなさったのかと思ってましたぁ」

「あら、私は早くに全単位を取得したもので、学園最後の歳はスキップして早々に領地に戻っておりましたの。ですので、ほとんど出ておりませんのよ」

「そうだったんですかぁ!」

「それで、私はあなたを全く存じ上げませんが?」

「えぇー、わたしぃシャーロット・プロセル男爵令嬢ですぅ。皆様、わたしルルーシュア様とお友達ですのよぅ!」


 ――キララン……


 ん? 何か光ったわね? 虫か?


『鑑定』

「………」


 あらら、皆さんドン引きよ。


「あなた、勝手に何を言ってるのかしら? 低位の男爵家の者が高位の公爵家の者に先に声を掛けて良いと思っているのかしら? マナーもご存知ないの?」


 お母様、扇でお顔半分を隠していますが、これは怒ってます。青筋が隠せてません。


「えっ? だってぇ、学園でご一緒でしたしぃ……」


 ――キラランラン……


 ん? また光ったな……『鑑定』


「ここは学園ではありませんよ。それだけで、どうしてお友達だと言えるのかしら?ルルーシュアは全く知らないと言っているでしょう? 失礼な事を言わないで下さるかしら。迷惑ですわ」


 お祖母様まで。キッツイお言葉。


「え? あれ?? どうしてぇ?」


 ピンクちゃん焦ってますね。


「奥様、お嬢様、大変失礼致しました。あなた、何をなさっているの!? 男爵令嬢の貴方がお声をかけて良い方々ではないのです。失礼ですよ」

「ええー、そんな筈はぁ」


 主催の奥様、慌てて引き離しに来たわね。


「奥様、お気遣いありがとうございます。私、今日はエレイン様とジュノー様にお会い出来るのを楽しみにして参りましたの。お二人はどちらかしら?」

「「ルルーシュア様!」」


 しっかり紅茶を飲みながら遠巻きに見ていた、エレイン様とジュノー様がいらしたわ。紅茶を飲んでくれていて良かったわ。


「お久しぶりですわね、お二人共」

「ええ、ルルーシュア様、お会いできて嬉しいです」


 ささ、あちらへ行きましょう。

 さっさと二人を誘導です。男爵令嬢から離れたテーブルへ移動します。


「ルルーシュア様、此度はご面倒をおかけしてしまって」

「エレイン様、お気になさらないで」

「ルルーシュア様、私なんと言ったらよいか……」

「ジュノー様、大丈夫ですわよ」

「お二人共、気をしっかりお持ちなさいな」

「お母様」

「「公爵夫人」」

「公爵夫人、有難うございます。あの……今夜父とお伺い致します」

「そう、お待ちしているわ」

「さ、お二人共座ってお茶菓子を頂きましょう」

「「ええ」」


 男爵令嬢が離れたところから、凄い眼をして睨んでますね。


「ルルーシュア様、学園の頃からあぁなんです。凄い睨んでくるんですよ。私どうして良いかわからなくて」


ジュノー様がコッソリ呟きます。


「まぁ」

「ルル様、それだけじゃないんですよ」


 今度はエレイン様ね。


「何かあったのかしら?」

「ある事ない事言いふらされてしまって、私が虐めている様な話になってしまっていて」


 やだ、ジュノー様涙目じゃない。


「そうなんですよ! ジュノーが足を引っ掛けたとか、ノートを破ったとか。ジュノーがそんな事する筈ありません」


 まぁまぁ、二人共。今はお茶会だしね。


「今夜、ゆっくりお話しをしましょう。そうだ、エレイン様。ラウ兄様もいらしてるわよ」

「まぁ! 是非お伺いしないと!」


 可愛いなー。ほっぺがピンクだわ。


「ルルーシュア様! どうしてわたしとは話して下さらないんですかぁ? 酷いですぅ!」


 ――キララン……


「は?」


 何言ってるんだ、この男爵令嬢は? また、いつの間にそばに来たんだ?


「ルルーシュア様、申し訳ありません。直ぐに帰って頂きますわ」


 あー、主催の奥様に迷惑がかかっちゃったよ。


「お気になさらないで下さい」

「そんなー! 酷いですぅ!」


 ――キラランラン……


「さ、あちらへ行きましょう。貴方、失礼ですよ! さぁ、連れて行って!」


 奥様、無理矢理男爵令嬢を引っ張って行きますよ。


「あれ? なんでぇ? どうしてぇー!」


 男爵令嬢、色んな意味で強烈ね。


「お祖母様、お母様、男爵令嬢が喋るとキランキラン光りましたよね?」

「そうなの?」

「ルル、私には見えなかったわ」

「ルル様、私達も見えませんでしたよ」

「え? そうなの?」


 おやー? キララン、キララン光って見えたわよ?


「何にせよ、あれは酷いわね」

「ええ、お義母様。同じ空間にいたくないですわね」

「学園の制服もスカート丈が短くて、教師に何度も注意されてました」

「まあ、そうなの!?」

「頭がおかしいのかしら?」

「夫人に招待して頂いて、申し訳なかったかしら?」


 お祖母様もお母様も、辛烈ですね。


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