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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第一章

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23/137

23ー報告会

 はい、翌日です。

 早速お父様達は、ボールイン・ガウェイン侯爵へ会いに行かれました。

 ジュード兄様とユリウスは魔導士を探りに。レオン様の従者であり影のケイは別行動です。夜に皆集まって情報の擦り合わせをします。

 それまで私はモモとルビとのんびり……とはいかず。サクサクと魔道具作りに勤しんでいます。何故か、て? 伯父様のご要望です。


「ルルの発明したお湯が出る刻印を付与した魔道具の売行きが絶好調なんだよ。いつも品薄でね。あ、そうそう。温風が出て髪を乾かすのもね、ご婦人方に凄い評判だよ。今のうちに魔道具を作っておいてくれると助かるんだけどなぁー。だって運搬代が浮くだろう? ルル? あー、そうだ。髪に塗るオイルはディアナが作っていたのだったかな? あれも評判がよくてね。髪が艶々になるってね。ディアナにも作っておいてもらおうかな。化粧水とかはまだなのかな? そろそろ納品してほしいんだよね。それと、そうだルル。新しいスィーツのレシピはまだかい? シュークリームだったか? もう店を押さえてあるんだよ。料理人を連れてくるから、教えておいてくれるかい? テイクアウトにするんだっけ? 早く開店したいんだよ。物件を遊ばせておくのは無駄だからね。そうだ、ユリウスもね………………」


 そう。伯父様商売人です。いえ、鬼です。目一杯、働かせるつもりに間違いありません。作りますよ。教えますよ。お世話になりますしね。売ってもらったら、うちの領地にも売上の一部が入りますしね。ええ、ええ。作りますよ。


「ルル嬢、何やってんだ?」

「あらレオン様、見て分かりませんか? 魔道具を作っているんですよ」

「ああ、やらかしたヤツの……」


 ブスゥ……ムムム……


「ハハハ、そんなスネんなよ。ルル嬢はスネても可愛いな!」

「レオン様はお暇そうで」

「まあ、そんな事言わずにさ。今のうちに話しておきたい事があるんだ」

「男爵令嬢の発言ですね?」

「ああ、ルル嬢はどう思う?」

「婚約者が違うとか、卒業パーティーとか、レオン様が仰っていた乙ゲーのシナリオなんじゃないですか?」

「やっぱそう思うだろ?」

「でも、レオン様から先にその話を聞いていたから、先入観があるかも知れないわ」

「だからさ、今度のお茶会で頼みたい事があるんだ。例の男爵令嬢も来るんだろ? 夜会ならまだしも、お茶会まで俺が出張る事はできないからさ」

「あら、何ですか?」

「あのさ……」



 さて、それはそうと現場のジュード兄様とユリウスです。


「まずは、サクソン・モルドレッド候の貴族簿を見に行かないか?」


 貴族簿とは、王国の貴族の家族構成や、就いている職業等、全てが記されている戸籍簿の様なモノです。婚姻や死亡は勿論、何処から養子に入ったのかや、奥方様の実家等も記されています。貴族はお城への届出が義務付けられているんですね。


「ジュード様、でもそれはお城に申請して許可を得てからでないと、閲覧できないのではないですか?」

「普通はそうなんだが、ボールイン・ガウェイン候が許可を取っておいて下さったんだ」

「それはそれは、では是非見に行きましょう」


 と、いそいそとお城へ向かったジュード兄様とユリウス。そしてサクソン・モルドレッド候の貴族簿と睨めっこです。


「ああ、この次男のリングソン・モルドレッドてのが第2王子の側近候補だって言ってたな。こいつも男爵令嬢に熱を上げてるって」

「そうでしたね。では嫡男は」

「そうだな……あぁ、あったぞ。マーリソン・モルドレッド……おい、ユリウス」

「えぇ、決まりではないですか?」

「念の為、家族構成も確認しておこう」


 そして、閲覧室を出たジュード兄様とユリウスが目にしたのが……


「バッカス殿下! 殿下のお誕生日パーティーはわたしをエスコートして下さらないんですかぁ?」

「何を言っている、シャーロット。私は貴族達の挨拶を受けないといけないから、ダメだと言っていただろう?」

「えー、でんかぁ。シャーロットは寂しいですぅ」

「シャーロット我慢してくれ。そうだ、パーティーのドレスを買ってやろう」

「ホントですかぁ!? 嬉しいですぅ!」



………………



 この時、ジュード兄様とユリウスは固まってしまったそうよ。


「ジュード様、戻りましょう」

「ああ、そうだな。悪いモノを見てしまったな」


 と、そそくさとお城を後にした、ジュード兄様とユリウスでした。

 所変わって、ボールイン・ガウェイン侯爵へ会いに行かれたお父様とラウ兄様です。

 お二人もお城に行かれてました。第1王子ディーユ・ オーベロン殿下の執務室へと案内されていました。

 第1王子のディーユ・ オーベロン殿下、ブロンドの髪に金色の瞳の、少女漫画だと背中に沢山のお花を背負って登場される様なザ・王子様! て、方です。私より1歳上で、学園で生徒会をされていました。私も何度かお話した事があります。何故か我が家には気さくに接してこられて、お父様の事も『叔父上』とお呼びになっておられます。


「これはディーユ殿下、ご無沙汰しております」


 お父様とラウ兄様が頭を下げられます。


「アーデス叔父上やめて下さい。頭を上げて下さい。此度は私の弟の件で、ご迷惑をお掛けします」

「ボールイン侯爵、殿下もご存知なので?」

「はい、内密に動いていたつもりだったのですが、殿下には早々に見破られてしまいまして」

「ボールイン侯爵は嘘が下手なのですよ。ソワソワしだしますしね」

「面目ありません」

「ハッハッハ! そうですか! で、ディーユ殿下はどうされるおつもりですか?」

「私が皆さんに協力する事は、迷惑でしょうか?」

「協力ですか」

「はい。弟は昔から、嫌な事から逃げる癖があります。学園に入って少しはマシになってくれるかと思っていたのですが、卒業1年程前からはやりたい放題で。私が注意しても聞く耳を持ちません。それに母上が弟には甘いのです。父は母上には弱いですし。止める者がいない状態です。弟は、このままでは身分を剥奪されてもおかしくない。私はそれを阻止したいのです。1度、頭を打たせようと思っております」

「それは殿下の本心と受け取って宜しいかな?」

「はい、アーデス叔父上」

「では、殿下。お話致しましょう」


 と、予想外の方が協力を申し出て下さいました。



 はい、その日の夜です。サロンに集まっています。

 皆、戻ってきて今日の成果発表です。

 私は1日中、魔道具を作っていたので、甘いものが食べたいです。


「リアンカ、何か甘いものはなぁい?」

「わふっ!」

「モモも食べたいって?」

「ルル様、見て参ります。先に紅茶を」

「有難う」


 なかったら無限収納から何か出そうかなー。


「ボールイン侯爵に会って来たが、第1王子殿下の執務室へ連れて行かれてな。ディーユ殿下と話してきた。協力を申し出て下さった。最終手段として、帳簿を保管してあるモルドレッド邸に公に捜査に入る事になるだろう」

「父上、それは憲兵を動かすと言う事ですか?」

「嫌、ジュード。ディーユ殿下が直属の近衛を動かして下さる」

「近衛ですか。それは本当に最終手段ですね」

「あぁ、そう考えておく方がいい」

「魔導士だが、ドンピシャてのがいたんだよ」

「ジュードそれは?」

「父上、モルドレッド侯爵の嫡男です」

「嫡男か!」

「ええ。次男が第2王子付側近候補で、長男のマーリソン・モルドレッドが王宮魔導士団の副士団長でした。貴族簿で確認したので間違いありません」

「それは決まりだな」

「その長男の魔導士団副士団長をユリウスに確認してもらうか?」

「そうですね、私も確認してみたいです」


 ジュード兄様とユリウスでモルドレッド侯爵の長男を調べてみる事になりました。


「ルル様、お待たせしました。クッキーしかないのですが」

「リアンカ、構わないわよ」


 で、クッキーを頂きましたが……


「ルル、これはクッキーか?」

「ええ、ラウ兄様。そうらしいです」

「パッサパサじゃん……口の中乾くわ」


 レオン様、声が大きいです。


「わふ……」


 あら? モモちゃんまで食べないの?

 不評だったわ。


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