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転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様  作者: 撫羽
第一章

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11ー宰相殿の孫自慢

 夕食後のサロンです。プリン食べながら紅茶を頂いてます。

 イワカムったら、どんどん腕を上げてるわ。プリン美味しい。当然、モモも隣で食べてますよ。


「モモちゃん、プリンなんて食べていいの?」

「わふっ『私は何でも食べるわよ』」

「そうなんだ」


 でも夕食は、お母様に話を変えられた事が気になってしまって、食べた気がしなかったわ。せっかくのステーキだったのに。


「モモちゃん、ステーキ美味しかった?」

「わぅ『美味しかったわよ。ルルは美味しくなかったの?』」

「んー、食べた気がしなかった」

「わふ『考え事をしてたんでしょ?』」

「そうなんだけどね」


 だって王家に婚約破棄なんてされたら本当にどうなるの? 乙ゲーじゃないのよ。

 なんてバカで無責任なのかしら。ヒロインは絶対に曲者よね。


「ルル嬢、何一人でブツブツ言ってんだ? まだ気にしているのか?」


 レオン様が隣にきてコッソリ話してきました。モモと喋ってたの変だったかな。


「レオン様、そりゃあ気になりますよ。第2王子にも男爵令嬢にも腹が立つわ」

「もう少しうちの影に調べさせてみようか?」

「影なんていらっしゃるの?」

「まぁ、影といっても普段は俺の従者だよ」

「調べるのは、お母様が嫌がられると思うの」

「でもルル嬢は関係ないと割り切れないのだろう?」


 まぁ、そうなんだけど……でも、お父様やお母様はまだ何かご存知の様な気がするわ。


「それよりもレオン様、もしかしてその男爵令嬢も前世の記憶があって、自分をヒロインだと思い込んでいるなんて事はないかしら? もしかして、隠しキャラのレオン様目当てだったりして。推しキャラだったりして」

「やめろ……マジ、ゾッとする。だが、俺の様に乙ゲーの記憶があれば……て事か」

「そうです。レオン様は乙ゲーとは違うと気付かれて、私の事を確認しにいらしたのでしょう?」

「確認て訳ではないぞ。俺達の婚約は確かに、子供の頃の俺の冒険者になりたい発言が切っ掛けだっただろう。だが、俺も嫌だったら無かった事にすれば良いだけだ。ルル嬢より俺の方が無かった事にできる。それは理解できるな?」

「ええ。レオン様は帝国の第3皇子殿下で私は公爵令嬢ですから」

「そうだ。だが俺はそれをしなかった。まあ、俺が冒険者になりたいと言い出したのは、前世の記憶を思い出したからなんだけどな。冒険者に拘っていた訳じゃない。よりにもよって自分が隠しキャラだと分かって、どう考えてもざまあするヒロインなんて無理だった。で、宰相殿からルル嬢の話を聞いて、この令嬢なら自分が大人になって、実際に会ってから決めても遅くないと思ったんだ」

「私の事ですか? 私はお母様のお父上とはお目に掛かった事がないわ」

「お母上から聞いてらしたんだろう。俺と違ってルル嬢は最近記憶が戻ったのだから、子供の頃は無意識なんだろうが、それはそれは楽しいお話だったな。ルル嬢の話を聞くのが楽しみだった」

「楽しい話ですか?」

「ああ。宰相殿が、いつもそれはもう嬉しそうにお話して下さった。うちの孫娘が、笑った、歩いた、走ったて話から、こんな画期的な事を考えた。またこんなとんでもない事をやらかした。まだ小さいのにこんなに頑張っている。公爵令嬢なのに剣も魔法も使えるんだぞ。その上、娘に似て美人だとな」

「何だか恥ずかしいわ」

「ハハハ、孫自慢なんだからいいじゃないか。でも俺はその話を聞いて、この子となら楽しそうだと思ったんだ。楽しいだけでなく、ルル嬢が沢山努力しているだろう事も伝わってきた。公爵家の一人娘という立場に甘んじる事なく勉学やマナーはもちろん、令嬢なのに剣術や魔法まで。早く会いたくて仕方がなかった。だから今回、無理言って一人で会いに来たんだ。ルル嬢に会いたくて帝国から来たんだよ」


 キラッキラした瞳で見つめられてしまいました。イケメンさんはズルいわ、ドキドキするじゃない。


「二人で悪巧みでもしてるのかい?」

「ラウ兄様、酷いですわ。悪巧みなんてしてません」


 ラウ兄様がやってきました。


「冗談だよ。二人は随分仲が良いみたいだね」

「ラウアース殿、ルル嬢と話していると、とても楽しいのですよ」

「何、なに? 兄貴、二人の邪魔したらダメだよ」


 ジュード兄様も参加です。


「ジュード、俺は邪魔などしていない。ルルの婿に相応しいか見極めているんだ」

「ルル、大変だな。兄貴はルルが大好きだからな」

「嬉しいですわ。ジュード兄様は私の事は嫌いですか?」

「いや、何言ってんの? ルルは我が家の大事な姫だよ。嫌いな訳ないじゃない」

「ルル、こう言いながらジュードも殿下の事を見にきているんだよ」

「兄様ったら」

「ハハハ、ルル嬢は本当に大切にされているんだな」

「「当たり前じゃないか!」」


 ラウ兄様とジュード兄様、ハモリましたよ。


「お二人共、私の事はレオンとお呼び下さい」

「では、俺の事はラウと」

「俺はジュードだね。明日は森にでも行ってみますか? 討伐する気があるのならだけど」

「討伐ですか!? 是非、ご一緒したい!」


 お兄様達とレオン様、気があったみたいです。


「私も討伐行きます!」

「「「えぇー!!」」」

「わふぅ!」


 どうして3人揃ってブーイングかしら? モモもかしら?


「だって多分私、レオン様より強いですよ」

「ルル嬢! それは言ってはダメだ! クソー!!」


 テヘッ!


「ルルは令嬢なんだからね。討伐に目をキラキラさせない」

「そうそう、コレ以上強くなってどーすんの?」

「えー、ラウ兄様、ジュード兄様、いいでしょう? ご一緒させて下さい!」

「「仕方ないなぁ」」


 テヘッ、兄様達はやっぱりわたしには甘い。


「わふっ……『本当に仕様のない兄妹ね』」


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