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第3章 103ーお魚

「ルルさまー! ルル様!!」


 またリアンカが呼んでますね。リアンカは私付きの侍女です。家族で我が家に仕えてくれています。

 

 どーもー! ルルことルルーシュアですッ! 前世、日本人だった記憶があります。10代で孤独死でした!


 私の住むティシュトリア領は、オーベロン王国の南端にあります。

 南に王国唯一の港であるブリスト港、西に魔物の出る辺境の森、東側は隣国の帝国があり、オーベロン王国の辺境の地です。 

 私のお父様、アーデス・ティシュトリア公爵が領主です。

 突然もう領地に戻ってるのか、て?

 王都での魅了の解呪も無事に終わり、領地に帰ってきましたよ。しかし、サクソン・モルドレッドを捕縛できなかったのは不安が残るところです。

 でもマーリソン様のお義母さまとお義弟さんのお話しを聞けたのは幸いでした。

 皆、被害者だった事が分かりました。最後にお祖父様が毒を受けた時は心臓が止まる程驚いたけど、無事に回復されてきっと今頃はお祖母様と伯母様にお小言を言われ続けているんじゃないかしら?

 今回は予想以上に長い旅となりました。だから早く領地に戻りたくて、さっさと戻ってきました。もう捉えた者達にも沙汰が下されている事でしょう。


 で、今日は何をやってるかって?

 釣りよ、釣り!レオン様やニコラとイワカム、モモ、ルビ、ピアとリアンカも連れて一緒に釣りをしています。

 領地にある辺境の森近くにいつからあるのか定かではない湖、リッシュ湖があります。リッシュ湖は豊かな湖で、リッシュ湖から領地の畑まで水路が引かれてます。そのお陰で領地の畑は実り豊かです。

 以前、ジュード兄様と調査に行った、森の中にある洞窟にひっそりとあった小さな魔素水の湖。ピアがいた湖ですね。そこがリッシュ湖の水源だと判明してディアナが早急にリッシュ湖を調査しました。

 結果、リッシュ湖の水で作ったポーション系は全て1.5割増しの効果がある事が判明しました。リッシュ湖の周りでは薬草の成長も1.5割増し! なんて素晴らしい事でしょう!

 そして、リッシュ湖に生息しているお魚さん達はとても栄養価が高く、その上とても美味だと分かりました!

 だからね、食べるしかないでしょ! だってとても美味なのよ! そりゃあ、食べたいわよ!


「ルル! ルル! 引いてるぞ!!」

「えっ!? せーーのッ!」


 エイッ! と一気に引き揚げようとしますが、ビクともしません。


「ダメだ! デカイから力任せにあげたら、糸を切って逃げられるぞ!」

「レオン様! どうするの!?」

「そっち行くからちょっと待て!」

「ルル様! スカートがドロドロですよ!」

「リアンカ! 後でクリーンするわよ! それどころじゃないのよ! レオン様早く! 持ってかれちゃう!」


 レオン様が駆けつけてきて、私の後ろから釣竿を一緒に握って補助してくれます。


「よしッ! いいか、少しずつひくからな」

「はいッ!」


 そんなこんなで大漁です! 一匹が大きいのよ! 釣り上げたお魚は、直ぐにイワカムが処理してくれてます。

 レオン様が……


「デカイからなぁ、神経締めして血抜きしとかないとな。内臓はここで取り除く方がいいな」


 と、詳しかった。なんでも知ってるのね。こーゆーのを転生チートて言うのじゃないかしら? あら? それとも前世の知識かしら?

 で、イワカムがレオン様に言われた通り処置して鱗もとって塩焼きしてくれてます。モモ、ルビ、ピアはイワカムの側から離れません。


「今日の夕食はお魚フライにしましょう! ね、イワカム!」

「はい、嬢様! 絶対美味いッスよ!」

「イワカムさん、もう魚焼けてるかな?」


 ニコラが聞いてます。


「おう、もういいんじゃないか? ニコラ、モモちゃん達にもあげてくれ」

「分かった!」


 と、モモ、ルビ、ピアが一斉にニコラの元へ移動し集まります。


「わふ!」

「食べるのー!」

「ピ、ピー!」

「分かったから待てって! 今、皿に入れてやるから! 熱いから気をつけて食べてな」

「ニコラ、私も食べるわ!」

「ルル様! だから先にクリーンして下さい! ドロドロですよ!」

「ブハハッ! ルル、本当に令嬢かよ!」

「ひどーい! レオン様だってドロドロよ! 本当に皇子様?」

「ハハハ! どっちもどっちッスよ!」

「「酷いッ!」」

「さ、嬢様も若様も食べるッスよ!」

「イワカム、美味しいわ!」

「ハフッ、うん、美味い!」

「わふん!」

「美味しいのー!」

「ピピー!」

「ん? ピア水か? ほら」

「ンギュンギュ……プハーッ! ピピ!」

「ピア、美味いか?」

「ピー!」



「ルル! またあなた達どこに行って何をしてきたの!」


 はい、お邸に帰ると早速お母様が飛んできましたよ。


「お母様、リッシュ湖です! お魚沢山とってきました!」


 無限収納から少しお魚を出してお母様に見せます。


「わふっ!」

「公爵夫人! 今日の夕食は魚のフライです!」

「ピピュー!」

「ルル! レオン殿下! あなた達二人はもうッ!」

「仕方ないのー」


 あれ? ルビちゃんあなた寝返った? お魚食べたクセに。


「おっ! ルル魚か!?」


 この大きい声はお父様です。


「はい! お父様リッシュ湖で釣ってきました!」

「わふっ!」

「デカイなーッ!」

「公爵、美味いですよ! 酒が進みますよ!」

「ピー!」

「レオン、そうか! 今日は呑むか!」

「公爵、いいですねー!」

「なになに? 魚?」

「ラウ、リッシュ湖の魚だ」

「ピ、ピー!」

「うわっ! デッカイなー!」

「ジュード、めちゃ美味いぞ!」

「ピピュー!」

「マジかっ!!」

「もうッ! あなた達、お言葉が悪いですよ!!」

「「「はーい」」」

「ピー」


 お母様、一気に息子が3人になったみたいだわ。あ、プラス赤ちゃんドラゴンね。


「ルル、あなたもよ! 令嬢なのに魚釣りって何ですか!」

「えー、だってお母様。食べたかったんです!」

「わふぅ」

「テレス、諦めろ。ルルの、食べたかったは昔から止められないからな」

「あなたまで……もういいわ。ルル、殿下早く着替えてらっしゃい!」 

「「はーい。」」

「ルル様! お水とってきてくれました!?」


 これはディアナです。リッシュ湖に行くと言ったら、無限収納にリッシュ湖の水を沢山取ってくる様に言われました。


「沢山とってきたわよ!」

「有難うございます! 急がないので、研究室まで持ってきてもらえますか?」

「ええ、いいわよ」

「有難うございます!」

「ディアナ、珍しい薬草もあったから根っこごと収納してきたのよ。また育てられるか見てちょうだい」

「ルル様! 有難うございます!」


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