1ー思い出しました!
全くの素人が、思い付きで書いている処女作です。目に止まったら少しだけ読んでみて頂ければ嬉しいです。ゆる~くふんわりとしてます。細かい事は大目にみて読んで頂ければ幸いです。細かい事が気になる方、完璧を求める方はどうかご遠慮下さい。
※注意:『』は念話で会話してます。
「ロックバレット!!」
――ドッ! ドッ! ドドドッ! ドゴーーン!!
目の前で魔物がバタバタと倒れていく。
私はそれを呆然と見ていて……そして……ハタッと正気に戻った。
え!? ちょっと待って! 何!? 何あれ!? 私がやったの!?
イィィーーヤァァァーーー!!!!
何コレ! 何コレー!! 何コレェーーー!!!!
あり得ない! 超怖いんですけどぉー!
私は思わずガバッと頭を抱えてしゃがみ込んだ。もう何が何だか分からない! 頭の中がグチャグチャよ!
落ち着け! 何がどうなってるの!? 落ち着けー! こう言う時はそう深呼吸よ!
すって~……はいて~……ハァ~……
そうだ! 全部思い出したわ! 私は……
ルルーシュア・ティシュトリア。みんなからはルルって呼ばれてるの。宜しくね! て、そんな場合じゃないから。
只今、絶賛スタンピード真っ最中!
迫って来るグリーンウルフの大群目掛けて、ロックバレットを放った直後! 突然前世を思い出した17歳です!
因みに前世は、両親に捨てられ、産まれながらに病弱だったのが原因で10代で孤独死でした!
イィィーーヤァァァーーー!!!!!!
ふと足元を見ると、さっきまで私を守るかの様にキャンキャン鳴いていた小さくてフワモコなシルバーのトイプードルが、突然白く光りだしどんどん大きくなっていく。
光が消えた次の瞬間には、トイプードルとは全くの別物になっていた。
「えっ!? 何!? どう言う事!?」
『ルル! 思い出したの!?』
私の隣にいる、シルバーで大きな狼の様な動物が話しかけてきた。と、言うか頭に響く?
――ベロン、ベロロン……
お願い、モモさん顔を舐めないで……
舌も大きいから、痛いわよ。ベトベトになるしね。
「もしかしてモモなの!? 何その姿!?」
名前はモモ、私のペットです。相棒です。
前世では、私の唯一の家族でずっと一緒にいたのよ。綺麗なシルバーで小っちゃい可愛いフワモコのトイプードルだったの。
だったのに……だったのにぃッ!!
何故か今は私の胸下位まである大きさの、シルバーフェンリルです。
まぁ……大きく育ったわね……うふ……
イヤ、違うから! ハァ~、なんかもう疲れてきたわ。
『ルルが前世の記憶を思い出したから、本当の姿に戻れたのよ!』
モモが……犬が……喋ってる!? いや、今はフェンリルか。いや、どっちにしろおかしいわよ。誰かツッコんで!
「何それ!? 意味分かんない!!」
『ルル! しっかりして!! コレはスタンピードじゃないわ!』
「そうだ! とにかく今はスタンピード中だった! え!? ちょっと待って! スタンピードじゃない? スタンピードじゃないの!? どっちにしろ、倒さなきゃ!」
ええーい!! ウジャウジャとキリが無いわ! もう1発! いくわよ!
「ロックバレット!!」
――ドドドッ! ドゴーーン!!
今私がいる場所は、我が家のある丘を下ったところ。辺境の森とを隔てた防御壁の上です。
「ルル! ルルーシュア! 出過ぎるな!」
と、叫んでるのは私のお父様。
ここ辺境の地、ティシュトリア領の領主です。
アーデス・ティシュトリア公爵。
銀髪に瑠璃色の瞳の(黙っていれば)超イケおじ!
実は、大剣をブワンブワン振り回して、魔物をやっつける脳筋です。
脳筋だけど、前王弟の次男で公爵という凄い御身分です。
とにかく、私には劇甘のお父様です。
「お父様! 変です! これは本当にスタンピードでしょうか!?」
「ルル、どうしてそう思う!?」
「お父様見て下さい!」
私は魔物の群の奥。見え隠れしている、鈍く光る鱗の魔物を指差した。
「あの魔物の群の後方中央です! アレのせいでグリーンウルフが、こちらに逃げて来てるのではないでしょうか!?」
「何!?」
「父上! 俺もそう思います!」
「ラウ兄様!」
ラウ兄様こと、ラウアース・ティシュトリア。
ティシュトリア家長男、1番上のお兄様です。少し紫掛かった銀髪、瑠璃色の瞳の正統派イケメンです。
風属性魔法を長剣に纏わせて、魔物を吹き飛ばしながら斬り込んで行く、切込隊長です。
反面夜会では、後ろで1つにまとめたふんわりとした長い紫銀髪をなびかせながらラウ兄様が歩くと、令嬢達が目をハートにして思わずフラフラと吸い寄せられる……みたいな伝説の持ち主です。やだわ、イケメン。聞きました? 伝説なんですってよ。
「父上! 森に入って殲滅します!」
「ジュード兄様! 私も行きます!」
ジュード兄様こと、ジュード・ティシュトリア。
ティシュトリア家次男、2番目のお兄様です。お母様譲りの翡翠色の瞳と、淡い紫色の髪で、見た目に少し少年ぽさを残したイケメンです。
ジュード兄様は長剣と弓を器用に使い分け、その上水属性魔法もお得意です。
ラウ兄様とは違って、ストレートで紫色の髪を1つに纏めて風を切って歩くと、令嬢が皆振り返って鼻血出すと言われるイケメンです。もうホントやだわ。てか、どんな噂よ!
そして私、ティシュトリア家長女で末っ子です。私は双剣で戦います。魔法はオールラウンダーですよ。攻撃も支援も、なんでもこいです。
魔法まで力技かよ!? なんて言われたり言われなかったり?
私は、お父様とお母様の両方の色が混ざったふんわり紫銀髪、碧色の瞳。
自分で言うのもなんですが、なかなかの美少女です。テヘッ!
なのに……美少女な・の・に!(自称)
うちのお邸裏の防御壁の上で、腰に双剣を下げ攻撃魔法をガンガン打ってる普通ではないかも知れない令嬢でッす!
それより今は魔物だわ! ここにいても埒があかないじゃない。
「モモ! 出れる!?」
『もちろん! ルル、乗って! あの中央まで一気に駆け抜けるわよ!』
「わかった! ジュード兄様、あの中央まで行きます!」
「おうっ!」
「待て! ジュード! ルルーシュア! 俺も出る!」
「モモ! 行くわよ!」
私はモモの背中に飛び乗ります。
――うわおぉぉぉーーん!!
ラウ兄様が叫んでいますが、待てません! もうモモに乗って猛ダッシュよ! 爆走よ!
ラウ兄様、ジュード兄様が領主隊を連れて、グリーンウルフをガンガン倒しながら、追いかけてきています。
「ジュード兄様! アレです!」
私は、グリーンウルフより一回り大きい、鈍く光る鱗の魔物を指差した。
「あれはっ!? ミスリルリザード!! そうか! ミスリルリザードから逃げて、グリーンウルフが押し寄せてきていたんだ! ミスリルリザードなんて、めったにお目に掛かれないぞ!! ルル! いい素材になるぞッ!!」
そうそう、ジュード兄様は素材集めがご趣味です。集めるだけですよ。集めるだけ。
素材を使って実際に武器を作るのは、うちの領地の職人です。
「ルル! アレは硬いぞ!!」
「ラウ兄様!」
「ジュード! ルルーシュア! やるぞ!!」
「「はいっ!!」」
私は兄様と領主隊に、強化と防御の魔法をかける!
「ブースト! プロテクト!」
ラウ兄様もジュード兄様も、ミスリルリザードの首を狙って斬りつけます!
でも、剣で斬りつけても本当にコイツ硬い! 柔らかいだろう喉元も狙い辛い。
ミスリルて言う位だもの、そりゃあ硬いわよね! じゃあ剣でダメなら魔法で!
「お兄様! 離れて下さい! ウィンドエッジ!」
――ギィャァァーーー!!
まだ倒れない!
でも今の攻撃で、頭を上げたので柔らかい喉元が見えた! 直ぐ様、兄様達が剣で斬りつけている! あークソッ! それでも硬い!
「離れて下さい! もう1度魔法いきます! アースプロージョン!」
土属性魔法の高位魔法を、喉元目掛けて放ってやったわよ!
――ギャォォーーー!!
「やった!!」
ドシーーン!! と、ものすごい音をたてて、ミスリルリザードが倒れた!
「グリーンウルフが引いて行くぞ!」
「ルル! よくやった!」
お兄様達が抱きついて褒めてくれてます。頭をぐしゃぐしゃに撫でたり、背中をバンバン叩いたり。お願い、やめて。普通に痛いわよ。
が、私の耳には兄様達の声は届かず。
何故かと言うと……
『ピコーン! レベルアップしました。ピコーン! ユニークスキルを獲得しました。ピコーン! レベルアップしました……ピコーン! 耐性がレベルアップしました……ピコーン……』
と、頭の中で鳴り続けていたからです。そして私は……
「あれ? あれれれれ?」
あれ? 身体に力が入ら……な……い…………
魔法使い過ぎたかな……?
「「「ルル!!」」」
そう、私はMP切れで、気を失って倒れてしまったのでした。
クレームはご遠慮します。
アドバイスは大歓迎です。