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第一話
「あぁ、そこはもうこちらから入学の辞退を申し入れたから気にする必要もない」
「・・・めちゃくちゃだ」
そう、今思えば僕は幼い頃から何かと色んな事に振り回されてきた人生だった。その度に父には
これもまた巡り巡って何かの運命なのだよと適当に言い包められてきた。
ただその時は本当にそうなのかもしれないなどと疑いながらも信じてその道を進んできたわけだけど。
今回ばかりは流石に上手くいくのか不安でしかないよ。
「柚希には昔から父さんの言う事で不自由を強いてきた部分もあると思う。ただもうそれも今回限りだ」
「頼む、この通りだ」
父の深々としたお辞儀に、少しの戸惑いも感じたけどもう道は開かれているんだ。どうすることもできない。
あとはもう成るようになる。それしかないと半分諦めも入りつつ承諾することに決めた。
「わかったよ、もう大丈夫だから頭を上げてよ」
「ほ、本当にいいのか・・・」
「だってもう手続きとかも済ませてあるんでしょう? それもまた辞退する方が星羅にも迷惑かけちゃうし」