1/3
プロローグ
目の前に突き出されているのはそう、紛れもなく星羅女学院の入学案内だった。
何かの間違えであってほしい。
これはきっと夢であって、幻なのだと。
ここ数日の寝不足が祟って、今のこの状況を作り出しているのだと。
「よく考えてほしい、たしかに柚希は男の子かもしれない」
「・・・」
「でも、かわいいところもある」
あぁ、実の父親からこんなことを言われる日が来るなんて。生まれてくる性別間違っちゃったんじゃないか。
「これは、父さんからの最後の頼みだとおもって聞いてくれ」
「ここに入学してくれないか」
「ってえええ」
「転校先がお嬢様学校!? あの、でも、ボク男ですよ!?」
「大丈夫だとも。実はもう校長には話を通してあるんだ。柚希なら上手くやっていけるはずさ」
「いやいや、待ってよ。話がとんとん拍子すぎてついて行けてないんだけど!?
そ、それに進学先はもう合格した共学のところで決まってたよね」