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31話 復帰しました

 王城に連れ戻された私は、まずは心配をかけたみんなに謝って回ることにした。予想通り、いろんな人に怒られたけど…最後はみんな許してくれた。皆さん私に甘いんだよな…。

 

 もちろんシャロンさんにも改めて謝罪に伺ったんだけど……


 逆に謝られてしまった。彼女が言うには、私が彼女とダミアンの会話を目撃したのは偶然ではなくシャロンさんが仕組んだことらしい。だから私は被害者で、彼女に謝る必要は全くないと言ってくれた。


 いや、だとしてもちゃんとした大人ならスルーしたと思うよ。やっぱ自分の感情を抑えきれずにその場に乱入してしまった私に非がある。ごめんなさい。


 …とまあ、こんな感じでお互いに謝っているうちに私とシャロンさんは少し仲良くなって、いろいろ話し込んでしまった。


 彼女が私の捜索に協力したのは、彼女自身の行動の責任をとるためだったらしい。自分の行動が原因で私が王都から去ったとなると申し訳なくてダミアンに顔向けできないから。


 最後、彼女が一人で私を捕まえにきたのは、私のような危険な魔導士相手に他の人が一緒だと逆に邪魔で、魔導士の天敵である自分一人の方がやりやすかったというのがその理由とのことだった。


 そして彼女は今回のことでダミアンの気持ちが今後も変わらないだろうということを理解したので、彼のことはもう完全に諦めることにしたらしい。


 吹っ切れたような表情で「ダミアンとの関係において自分のことは一切気にしないでほしい。彼に対するわたしの恋は終わった」と断言していた。


 ……オリヴィアさんといい、シャロンさんといい、この国の公爵令嬢はみんなイケメン女子なのか?


 シャロンさん、ちょっとクールすぎない?これから私があなたに恋していいですか。…いやしないけどさ。


 というか彼女、私より12歳も年下なのに、明らかに私より大人というか、しっかりしてるよね。彼女がすごいのか、私がダメダメなのか。


 …まあ、両方だろうね。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 各方面への謝罪が無事終了し、かつての王城での日常を取り戻した私(私が「王城での日常」って言っていること自体が異常だけど)は数日後、大事な話があるとのことでダミアンの部屋に呼ばれてしまった。


「オリヴィアさんと相談してさ、対策を考えたんだよね」


 しばらく他愛もない話をしていたダミアンは、彼が何か良からぬことを企んでいる時に見せる悪戯っぽい顔をして私にそんなことを言ってきた。


「対策?何の?」

「ほら、また逃げ出すと困るし、かといって囚人のようにどこかに監禁するのも可哀想だからさ」

「……」


 私の逃走への対策かよ。いやもう無駄だってことが分かったから逃げないよ。


 …いや、今までの自分の行動を振り返ると説得力ないよね。まるで人間に懐かない野生動物のように隙あらば逃げ出そうとしてたもんね。


「だからね、レイチェルには復帰してもらおうと思う」

「…復帰?」

「そう、復帰。魔道王国シェルブレットの騎士団にね」


 それからダミアンは、私の復帰プランについて詳細を説明してくれた。


 本音を隠すつもりは一切ないようで、復帰の狙いは私を正式な王国軍の一員にして王国から離れにくくすることだって断言していた。


 そして復帰後の配属先は王室近衛隊で、護衛対象は第一王子ダミアン・シェルブレットとのこと。


 そうすれば私は四六時中ダミアンと一緒にいなければならなくなるわけだから一石二鳥だと大変満足げに話すダミアンだったが…。


「それはダメだと思うよ、ダミアン」

「…なんで?」

「私、自ら騎士団を辞めて冒険者になった人間だから。そんな人間を簡単に復帰させて、しかもいきなり王室近衛隊のような花形部門に配属させたらさ、間違いなく相当な反発が出るよ。騎士団内から」


 私の言葉を聞いたダミアンは余裕の表情をみせた。


「そんなことないと思うけどな」

「…どうしてそう思うの?」


 ダミアンは一つひとつ丁寧に理由を説明して、私の意見を論破してきた。


 まず私の退団は冒険者になることが目的だったのではなく、任務中の負傷とそれに伴うトラウマが原因で、冒険者になったのは奇跡的に心身の傷が癒えた後のことに過ぎないと。私の退団の理由は当時から騎士団に所属している人間ならみんな知っていると。


 そして私と一緒に働いていた騎士たちの私に対する評判も悪くないようで、事前に騎士団内の有力メンバーに私の復帰の話を打診してみた結果、反対意見は一つも出なかったらしい。


 あとここは魔道王国で、世界トップ5に入る実力を持つ魔導士であれば、王室近衛隊どころかいきなり四天王に抜擢されても全く不思議ではないとのこと。


 さらに、私の復帰の発案者はあの四天王オリヴィア・ラインハルトで、二人の王子やヴァイオレット公爵も口を揃えて賛成している案件なので、私の復帰を問題視するような命知らずはいるはずがないらしい。


 …なんというか、事前の根回しも理論武装も完璧すぎて困っちゃうな。ぐうの音も出ないじゃん。


「それにね」

「……?」

「今回の件に関しては、レイチェルは拒否できる立場にないと思うんだよね。ほら、あれだけの騒ぎを起こしてみんなに心配をかけたわけじゃん」


 ……うっ。それを言われるとますます反論できなくなっちゃうからやめて。


「これは再発防止策だからね。もちろん喜んで承諾してくれるよね?」

「……はい」


 終始余裕たっぷりで、どこか楽しそうな様子のダミアン。最近の彼、割と私に容赦がないというか、私を困らせたり、ちょっといじめたりして楽しんでいるようにさえ見える。


 いつの間にこんなドSヤンデレ王子になっちゃったの?前はもっと可愛かったのに。


 …いやまあ、もちろん、ドSなところもヤンデレなところも大好きだけどさ。

タイトルの「女騎士」が嘘じゃなくなるまで31話かかりました。

前回はタイトルの「マイルドヤンデレ」というフラグ回収に35話かかったから、少しは改善されている…のか?


引き続きブックマークや☆評価お待ちしております。

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