表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/29

600文字の十四話 天使

 そこには、純情可憐な少女(マホ)……いや、天使(マホ)がいた。

 真っ白な肌、赤と薄ピンクの目、ボサボサだった真っ白な髪は綺麗に梳かされ、紺碧の大きいリボンをカチューシャのようにしていた。

 白と天色(あまいろ)を基調とした教会の修道服を身にまとい、長い袖をまくった裏地の紺碧(こんぺき)がアクセントでおしゃれだ。


「か……っ」


 かわいい。

 俺が教会の修道士から施設の案内を受けて中庭で棒の素振りをしている間に、聖女はマホを自室のお風呂で一緒に入浴した後、マホを天使に変えて戻ってきた。

 そして――。


「さぁ、マホ。町へお洋服を買い物に行きましょう」

「うん!」


 聖女とマホが手を繋ぎ、マホの右手にはポッピーでキュートでダークマターなクマのぬいぐるみが抱えられている。

 なんて愛らしさだ……ってそうじゃなくて。


「あの、俺も付いて行けば良いので……?」

「女性同士の買い物に男がついてくるなんて野暮っていうものよ。ほんと勇者は顔だけで分かってないわね。そこで素振りでもしてなさい」

「あ、ハイ」

「勇者のあんちゃん弱いんだから、聖女のねーちゃんみたいに強くなって出直しな」


 マホが突き出したクマのぬいぐるみのステッキが、首を振りながら応援してくる。パンチの効いた低い声で……。


「あ、はい」


 生返事しか出来なかった。

 マホってどっちで話しているときが素の性格なんだろう……ステッキ(クマ)の方だったら、心が折れるかも知れない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ