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500文字の十話 勇者もタダの人

 ジアーゼ・パム。

 この魔法は、俺が一番得意とする魔法で戦闘直前にほぼ毎回かけている。

 精神を安定させる効力があり本来は混乱状態の回復などに用いるのだが、副作用として手足の震えを押さえる作用がある。

 効果時間は3分20秒と心意気。

 戦闘の恐怖のせいで毎回、膝が震える俺にはうってつけの魔法だ。


「よし、これでっ――」


 ジアーゼ・パムをかけると不思議と言葉のどもりがなくなる。

 意気込んだのもつかの間、ズゥゥンッとキマイラゴーレムが前進してきて、俺は思わず後ずさるが意を決して駆け出す。


「まずは、足!」


 キマイラゴーレムの股をくぐり通過しながら両手にもった聖剣を横一線。

 バキンッという音とともに俺はキマイラゴーレムを聖女から遠ざけるように裏へ回った。


「バキン?」


 今まで剣を振るっていてもあまり聞いたことのない音に違和感を感じた。

 振りぬいた瞬間、心なしか剣が軽くなったようにも思ったが、握っている剣を見て絶句した。


「俺の聖剣がぁぁぁァ!!」


 折れた。

 絶句から絶叫へと変わり、目ん玉が飛びでた。

 理由はすぐに分かった。コレは聖剣ではなかっただけ、そして、偽物にすり替えた犯人も検討がつく。


「ほら、勇者といえど装備がなければタダの人」

「お前は、鬼かーっ!」

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