表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/29

500文字のプロローグ

「勇者よ。性懲りもなく、何度くれば気がすむのだ?」

「……何度でもだ、魔王。お、俺は……」


 魔王城。

 俺がたどり着いたこの城の最上階。ひかえめな装飾が施された扉をくぐった先の広間に佇んでいたのは宿敵、魔王。

 俺は、女々しい顔をした魔王から、なかば溜息交じりの威圧を受けながらも、真っ直ぐ見て言葉を続ける。


「……お前を倒してその先へ進む。これが使命であり、も、目的。これが達成されるまで続けるんだ!」


 俺の膝は、自身の言葉とは裏腹に震えだす。


「ふん。その目的が達せられるまでに貴様の命があることを願うのだな!」


 剣を構え、震える膝に無理矢理いう事を聞かせ、疾走しようと一歩踏み出す。


「おっと。その一歩が命取りになるぞ? よいのか?」

「もうその手には乗らない。前回は、飛び込まずに失敗し――」


 その言葉を言い切ることはなく、足元の大理石の床がバコンッと音を立て、暗闇に変化した。


「――ッ!?」


 俺は、慌てて手足を動かすが空を切るだけ――脳が「落ちる」と理解していても宙に浮いた体はどうする事もできずに、そのまま落ちる。


「たアァーーぁーっ」


 落ちる瞬間、十歩後ろから俺と魔王のやり取りを眺めていた聖女の呟きが、広間に冷たく響いた。


「バカじゃないの」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ