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ゆ~みっくすちゃれんじ!  作者: M11
Heat-1 début!!
5/25

「……決勝に関しては以上です。何か質問ありますか?……無いようですね?では、フェアなレースを!」

 各ドライバーが散開する。いよいよ決勝が始まろうとしている。

『……あ~、テス、テス。では、皆さんお待たせ致しました~っ!これより、GT300クラス決勝を行います。

レース形式は、五分間の周回レースです。初めに、選手紹介~っ。予選順位順に選手を紹介していきます。紹介された選手は、順々に操縦台へ上がって下さい。まず、予選第一位、ポールポジション!』

 うわ、そういえばここのレース、そんなのがあったっけ。いい晒し者じゃない~~。

「何と今回レース初参加の女子中学生、篠田友美選手~~っ!」

 ひいぃぃぃ~、めっちゃ恥ずかしい~~~っ!

 ……でも、そうも言ってられない。軽く会釈しながら上がろう。そして、いつもの操縦ポジションを確保。

 ……ん?か、母さん、一人で大ウケしてるよぉ。予選の時といい、今といい……死刑だけじゃ物足りないわ。何か考えとかないと。

『そして二番手、フロントロー(最前列)内側は葛木選手~~っ!』

「やぁ、ここ、いいかな?」

 え?葛木さんが隣に……?

「あ、はい」

「お望みどおり、手加減なしでいくからね」

 うわぁ、プ、プレッシャーだよぉ……。いつもと立ち位置が違う。確実に本気モードだ……。

『……以上の十選手で争われます。今回は、非常にハイレヴェルなレースが予想されます。何せ、予選一位から十位までのタイム差が、何と二秒しかありません。その上、上位二名が21秒を切ってくるという激闘の予選でした。その激戦を制したのが、女子中学生というからまた驚きです』

 そんなことより、葛木さんが隣に立つなんて予想外。

 どうしよう、どうしよう!まさに『ゆみはこんらんしている』状態だよぉ~。

『では、助手の方々はマシンをスターティンググリッドにつけてください』

 ふと気になって、マシンをグリッドにセットしている母さんの方に視線を変えると……。

「……………………」

 ニッコリ微笑みながら、コクリとうなずいた。

 ……やっぱり母さんだ。“大丈夫だよ”と言ってるみたい。いままで混乱していたのが、嘘みたいに落ち着いてきた。


『では、参ります。スタート十秒前!』

 ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、…………フォーーーーーン!!

 電子ホーン音と同時に、反射的にトリガー(スロットル)を握る。

 スタートダッシュは成功!

 まずは第一コーナー。

 ……あ、あれ?予選の時よりアンダー気味になってる。イマイチ内側に寄らない?

「どうした?隙が出来てるぞ?」

 すかさず葛木さんがインを狙ってくる。でも大丈夫。入り込めるようなスペースじゃない。

「そうはさせません」

 トリガーを握って応戦。それが失敗だった。インがさらに開いてしまった。

「あ、しまった……」

「譲ってくれてありがとう」

 入り込まれてしまった。さらに……

「悪いね、いただきっ!」

 あちゃぁ~。横峰さんにも行かれちゃった。

 確かに、少しラフにアクセルを開けても姿勢が崩れないし、ラインが破綻するほど敏感でもない。いわゆる弱アンダーステアというやつ?

 ちょっとぉ~、それにしてはマージンありすぎじゃないのぉ?

『おお~っとぉ?スタートダッシュに成功した篠田選手でしたが、ちょっとした隙をつかれ順位を下げてますねぇ。まだペースが上がらないのか、現在六番手まで後退しています……』

 ふぅ、セッティングに慣れるのに、時間掛かっちゃったぁ。でわでわ、反撃開始といきますか。まずは、目の前の二瓶さんから……

『おお?レースが動いたぁ!篠田選手、二瓶選手をS字の立ち上がりでPASS!』

 よし、アンダーが気持ち強いせいで、バトルでリアがブレイクすることが無い。安心してトリガーを握れる。ESCのセットもジャストミート。次は……大野さんね。

『さて、前方では、葛木&横峰選手がテールトゥノーズのトップ争いをしています。この二人も、結構因縁めいたものがありますからねぇ』

 待っててね、お二人さん。すぐに追いつくからね。


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