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ゆ~みっくすちゃれんじ!  作者: M11
序章
1/25

プロローグ

「さあ、ミナガワRCフェスティバル、GT300クラス予選も終わりに近づいてまいりました!」

ここ、某県ミナガワサーキットでは、RCレースが開催されていた。

 簡単に内容を説明すると、今巷で大人気のツーリングカーのRCレースである。実車のスーパーGTのようにクラス分けがあり、


 GT300クラス

 23Tモーター、市販パックバッテリーのみ

 コントロールタイヤ有

  詳細はJRCAスポーツクラス規定に準ずる


 GT500クラス

 モーター及びバッテリー自由(公認された製品に限る)

コントロールタイヤ有

 詳細はJRCAエキスパートクラス規定に準ずる


(JRCA:日本ラジオコントロールアソシエイツ)


のような規定が設けられている。レース形式は、予選がスーパーラップ方式(持ち時間二分の中の一周のベストラップで順位が決まる)、決勝が五分間の周回レースとなっている。ただ今、その予選の真っ最中である。

「ただ今の暫定ポールは、(かつら)()選手の20秒922。唯一の20秒台!なかなか破れなかった21秒の壁を、とうとう越えてきました!二番手が(よこ)(みね)選手の21秒016。もう一息でしたが、葛木選手を上回ることが出来ませんでした」

(20秒かぁ、ワンミスが命取りだねぇ)

 いまこの地に、一人の少女が立とうとしている。

「大丈夫?いけそう?」

 中年の女性が少女に問いかけた。

「かな~りキビしいよね~。20秒なんて出さないでほしいわ、正直」

「いや、そうじゃなくて……緊張とかしてない?初のレースでしょ?」

 苦笑する女性。

「もちろんしてるよ。心地良い緊張?よくわかんないけど、アガッてるとかそういうのは無いよ?」

「そう……私からは、頑張ってとしか言いようが無いけど。お父さんも見守ってるわ」

「はは……ま、全力で逝ってくるよ、母さん」

「漢字の使い方が違うって……この子大丈夫かしら、はぅ」

「母さんがまいってどーするのさ……ちょっとしたギャグじゃん」

 どうやら、母娘でレースに参戦してるようだ。

「……おおっとぉ?宮村選手クラーッシュッ!攻めすぎて縁石に激突の模様です。ここのコースは、イン側のゼブラの奥に段差がありますから、良くてスピン、悪いと今のようにクラッシュしてしまうんですね~」

 少女の出番は、この人の次だった。あちゃ~と額にてを当てる。

「ヒトの目の前で派手にやらないでよね~。ビミョ~にプレッシャー掛かるじゃない……」

「あなたなら大丈夫。やれば出来る娘だから」

「それもビミョ~にプレッシャーなんですけど……」

 そうは言うものの、あの台詞を言いながら見つめる母の眼には、少女はいつも癒されている。何かある度にそうやって心を落ち着かせてくれたものだ、と過去を思い出していた。これほど心強い応援はない。

「さあ、出番だッ!」

 少女が立ち上がった。



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