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その日、全ては始まった

 XXXX年、その日突如として世界に穴が開いた。

 月が落ちてきたようだとも思った、覚えているのはまだ小さかった俺を必死に守りながらとても大きく黒い穴から逃げている両親、それと抱きかかえられながら見ていたからよく覚えている、そのあまりにも禍々しい穴からこの世のものとは思えない化け物が一体出てきていたことを。


 結果から言うと俺は助かった、しかし父は混乱の最中行方不明になり母は病気になり死んでしまった。

 この地獄のような一日のことを俺はよく覚えている、なにせ生き残っている当事者は自分を含めて一桁しかおらず死者は全体で数十万人を出した事件となったからだ。


 そもそもこの大災害は何だったのか、それは未だに解き明かされていない。わかっていることは俺が見た化け物に対して銃撃や爆弾、無人車をぶつけるなどの人類が取れるありとあらゆる手段を使って動きを止めることに成功したということだけだ。おそらく殺したんだろうが生体反応もよくわからないため何とも言えないと偉い高名な学者さんが言っていたのも覚えている。被害は化け物が物理的に破壊したものも多かったが、化け物の付近に毒のような霧が発生していたことが最も死者を出してしまった原因だとされている。そのために生存者が落ち込んでしまった、生き残っても病気になり治すことが出来ず、となってしまったのである。


 幸か不幸かこの穴が開いた地域は島国の中央であり、空気感染などの恐れはないとわかったものの国の出した対策は災害が起きた地域の隔離であった。そしてまたこのようなことが起きた時のために秘密裏に動ける人材を育成しようといったものだった。


 これが全ての始まり、ここから俺の人生は始まったのである。

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