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勇者と魔王の兄による異世界譚  作者: 徽橈 盈虧
第1章 転生〜二度目の人生〜
6/57

0歳児の読書

6話目です。

ドレッドくんの、日常です。

俺が生まれてから11ヶ月が経ち、もう少しで俺の1歳の誕生日がある時期までやってきた。


今日も今日とてアリス母さんの書斎で面白そうだと思った本があったら、パリキに読んでもらっていた。


今日は、この世界のこの大陸のことを知りたいなと思った。


そして、地理・歴史のジャンルのところを見ていたら、『バラキルド大陸の全て 上 』という本があり、面白そうだと思いこれをパリキに読んでもらった。


パリキは、「こんな本が見たいんですか•••?」と、ちょっと変な子を見るような目で見てきた。

でもまだ1歳にもなっていない赤ちゃんがこんな本を見たがることなんてないよな。

うん、次からはちょっとは自重しよう。



パリキはこの村の普通の娘なので、少々頭の弱いところもあり、この本の3分の1ぐらい読んでもらったところで、頭から煙が出て眠りこけてしまった。

意外だな。その真面目な性格からてっきり頭の良いものだと思っていた。

パリキにもこんな可愛らしい一面があるんだな。


パリキが眠ったしまったので、俺は一人でこの本を読んでいた。

俺には神様からもらった『全ての言語を理解する能力』があるから、読んでもらわなくても自分で読めるし、俺としては子供のふりをしなくていいし、久しぶりに誰の視線も感じなくて、こっちの方が気が楽でよかった。



ふむ。

この本によると、このバラキルド大陸には、東西南北、それと中央に5つの大国があり小さな国も含めると20カ国ほどある。



小さい国は省くとして、まず、このバラキルド大陸には5つの大国がある。その内の一つ、この大陸のちょうど中央に位置する『グラート帝国』。



このグラート帝国は今は8代目皇帝『ガラディアス・フォン・グラート』が治めている絶対王政の帝国だ。

もとは小さい国だったそうだが、初代皇帝『ドグラーリ・フォン・グラート』が、その天賦の才を持って、他国を侵略して成り上がった大国だ。富国強兵を進めていて、まだまだ大きくなると予想されているらしい。



次に、北に位置する5つの大国の内の一つ『カーディン神聖国』がある。

この国は7代目法皇『エイワズ・ド・カーディン』が治めている宗教国家だ。


この国は、『アルディアス神』を信奉しており、このアルディアス神はカーディン神聖国の神聖記の一節には、「この世界を創造した神々の中で最高位の神であり、我々人族をお創りになられたもっとも尊い崇めるべき神である。」と、説いている。

この神聖記の中の一節、『人類』じゃなく『人族』って言っているところから、人族至上主義なんだなぁ、とかそんな取り留めのないことを思った。



次は、西に位置する5つの大国の内の一つ『セリス共和国』。

この国は、商業だけで成り上がった商業国家だ。


この国は、この5つの大国の内で、唯一合議制を使っている国だ。

この国の中で一番力を持った三つの商会の中から選ばれ、任期を終えたらまた選ぶ、非常に珍しい国なのだそうだ。

このセリス共和国の『セリス』は、この商業国家の基礎を作り上げた伝説の商人『セリス・カーレッジ』という人物から取ったのだそうだ。今では商業の中心として各国から重宝されているそうだ。



次に南に位置する5つの大国の内の一つ『ナグリガル王国』。

この国は、初代勇者『ガラディアラ・ナグリガル』が創立した冒険者国家だ。


ガラディアラ・ナグリガルの生涯を書いた伝記によれば、このナグリガル王国ができる前は、その場所に大きな竜が巣食っていた。その竜を見事打ち倒したガラディアラ・ナグリガルが、その上にこの王国を創ったと言われている。



そして、東に位置する5つの大国の内の一つ『ルーラ王国』だ。


この国は、初代国王『ヴァルム・ア・ルーラ』が創設した国だ。このヴァルム・ア・ルーラは、この大陸では珍しい、他種族との共存を望んだ優しい王様だったらしい。このルーラ王国も、そのために創ったらしい。

今この国を治めているのは『バレンブルク・ア・ルーラ』という、非常に才覚に溢れた人物らしい。


この国は、魔術の発展がもっとも顕著に現れている大国だ。

王都に、大陸唯一の魔術学園である『アウローラ魔術学園』がある。このアウローラ魔術学園は、賢者が創ったと言われ、魔術の為にあり、この学園の中は政治のことを忘れ、存分に魔術の研究ができると、各国から王族などが来ることもあるのだそうだ。


神様にも教えてもらったが、今俺がいるのはこの国の東端、『カリソン村』だ。

カリソン山脈の奥地にある、地図にも載っていない田舎だ。


なんでこんなところに隠居して来たんだろう?と、思ったのでアリス母さんとガイル父さんに喋れるようになったら聞いてみようと思った。


そうして、この『バラキルド大陸の全て 上 』を読み耽っていると、



「ん、ん〜あれ?私何してたんだろ?」



という声が聞こえた。

どうやらパリキが目を覚ましたようだ。この本を読み終わった直後のことだった。

これ以上本を見てると、0歳児が本を読んでいると思われて、絶対騒がれると思ったのでおとなしく本を置き、パリキの膝の上に戻った。



「あれ?ドレッド様がなんでここに?あ、そういや私ドレッド様に本を読んであげてたんだった。もう夕方じゃん。寝すぎちゃった••••。ごめんなさいドレッド様。続きはまた明日にしてください。」



そう言って、俺を抱きかかえると俺の部屋のベッドに寝かせ厨房に向かっていった。


昼寝の時間を大幅に遅れていたので今寝たら夜ご飯食べれないなと思い、パリキが呼びに来るまで、ハイハイをして筋トレをして時間を潰していた。



6話目も読んでいただきありがとうございます。

最近肩の凝りようが異常な作者です。

ドレッドくんの本のチョイスが少しずれていますよね。地理って、私はあまり好きでは無いですね。覚えるのがめんどくさかった記憶があります。


そしてパリキは実は頭の弱い子なのでした。


次の話もよろしくお願いします。


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