保健室にて……亜耶
ふと目を覚ますと、室内がオレンジ色に染まっていた。
「おはよう。寝坊助、亜耶」
と声がかかり、そっちに目を向ければ梨花ちゃん達がニコニコしながら、そこに居た。
「これ、持ってきたんだけど、気持ちよく寝てるからさ、起きるまで待ってた」
意地悪く言う梨花ちゃん。
「本当は、心配でたまらなかったの間違いでしょ?」
愛美ちゃんが突っ込みユキちゃんがその横で、何度も頷いている。
「ちょっと、それ、言わないで」
梨花ちゃんが、慌てて二人を嗜める。
三人のやり取りにクスクス笑いながら。
「お連れ様は?」
と聞けば。
「女の子の寝顔を殿方に見せるわけには、いかないでしょうが。外で待っててもらってる」
ユキちゃんが、茶化すように言う。
気を使わせちゃった。
「ねぇ、亜耶。これからは、悩みがあれば何でも相談して。私たちじゃあ頼りになら無いかもしれないけどさ、話したら楽になることもあると思うんだ」
梨花ちゃんが真顔で言う。
「それにね。女の子同士の方が、色々とわかり会えるところもあると思うしね」
ユキちゃんが、口許を上げて言う。
「うん、ありがとう。今度からは、相談させてもらいます」
私も笑顔でそう答える。
「絶対だからね!」
愛美ちゃんが、満面の笑みで言う。
三人の笑顔を見ながら、思う。
この三人には、嘘を付かなくてもいいんだと私の心も軽くなる。
「うん。約束するね」
私は、頷きそう答えると三人は、安心したような顔をする。
「じゃあ、また明日ね」
「無理、しちゃダメだからね」
「明日来なかったら、承知しないからね」
三人三用の言葉を聞き。
「うん、また明日ね」
私は、三人に手を振った。
三人は、そのまま出ていった。




