心強い味方…亜耶
大分、間が空いてしまいました。
今回は短めです。
今、この時間に何人の人が、私の事を見に来ているのか?
廊下には、人垣が出来ていて、出入りするクラスメイトが、迷惑そうな顔をしてる。
そんな顔を見ると、申し訳なくなってくる。
「何なの?休み時間の度に増えていく人。亜耶は、動物園の動物じゃないッ!」
そう言って、梨花ちゃんが私の代わりに怒り出す。
廊下には、同級生から上級生まで、多岐にわたって集まっている。
そんな時。
「あなた達、何をしてるんですか?」
人垣の向こうから声がした。
「廊下一杯に広がったら、通行の邪魔でしかありません。早く、移動してくれませんか?」
その声で、一瞬にして散らばっていく人垣。
それでも、まだ居残る人も居るなかで、姿を見せたのは、あゆみさんだった。
「亜耶ちゃん、大丈夫?何かあったら相談に来てね。学園の事なら、大抵なんとかなるから…ね」
教室の外から、大きな声で言ってくる。
「あぁ、皆様。亜耶ちゃんに迷惑を掛けてはダメですよ。上流階級の皆様はわかってると思いますが、一般の方にはわからないでしょうけど、亜耶ちゃんと高橋先生の事は、随分前から言われていたことです。今更、あなた方が何を言っても覆ることがないのです。私達が出来ることは、見守るだけです!」
あゆみさんが、周りを見渡しながら断言する。
「不満があるなら、私が賜ります」
余りにも見事な言い切りに、何も言えなくなる。
「あゆみさん。ありがとうございます」
私は、あゆみさんの傍に行きお礼を口にする。
「私は、思った通りに動いただけです。それに、亜耶ちゃんが居るから、この学園を保つことが出来るんですから……」
あゆみさんが、目を伏せて言う。
それは……?
「では、私はこれで失礼しますね」
あゆみさんは、そう口にすると踵を返して去っていった。




