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俺の責任…遥

「お兄ちゃん」

「雅斗」

俺と亜耶の声が重なる。

雅斗は、足早にこちらに向かってくる。

伯父に黙礼した後に上がってきた。

その表情は、硬い。


「亜耶、遥。大変なことになってるんだ。お前らだったら、察しがつくと思うが」

雅斗が、そう口にした。

俺は、その言葉にネットに俺たちの事が流出してるんだと頭に浮かんだ。

亜耶の存在が、公に晒されてるだろう。

今まで、隠してきたのに……。ここまでか。

もう少し、隠せると思っていたんだが、な。

仕方ないか。

俺が教師を引き受けたときから、こうなること予測してた(予想よりも早かったがな)。

「それを今から伝えるが、現状を理解してない奴の方が多いだろう。とにかく、俺が説明できるところまでする。その後のフォローを頼む」

俺は、雅斗の言葉に頷いた。


雅斗の言葉を聞きながら、隣に居る亜耶を見ていた。


主犯の三人が出てきた時の亜耶の驚いた顔。

そして、後悔して、悔しそうにして涙を耐えている亜耶。

そんな亜耶を抱き締めてやりたい衝動に陥ったが、これ以上の醜態を晒すわけにいかず、グッと堪えた。


本当は、俺があの時に直ぐに断っていれば、こんなことにならなかったんだ。

今更だが、な。

亜耶との学校生活を送りたいって思ってしまった自分にも責任はある。

亜耶が、責任感の強い娘だと言うのを忘れていた俺が、一番責任をとらねばならない。

"言いたければ言え"っとけしかけた事もあるし……。

今はまだ、後任の先生が見つかっていない。

見つかり次第俺は、教師を辞める(教免も返却する)。

そして、亜耶を支えてやろう。

今まで通りに悩んでいたら、手を貸してやる。

俺ができるのは、それしかないからな。


亜耶を見れば、力一杯に拳を握りしめていた。

俺は、その拳にそっと触れた。

亜耶が、俺に目線を向けてきた。

俺は、ゆっくりと頷き。

「俺が、傍にいる。だから、自分を攻めるな」

亜耶に聞こえるように言う。

亜耶が、ゆっくりと頷き握っていた手を緩めた。







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