威嚇…遥
亜耶が、意を決して話だした。
俺は、握っている亜耶の手にエールを送っていた。
クラスは、静かに亜耶の言葉を聞いている。
本の二・三分の筈なのに、長く感じられた。
所々亜耶の想いが散りばめれていて、その都度照れてしまったのは、致し方がない(普段、ここまで言ってこないから)。
亜耶の方も、クラスを見渡しながら、堂々と時に俺の方をチラッて見たりして、自分の言葉を紡いでいく。
それでも、最後には俺の傍に居たいって言ってくれた事、メチャクチャ嬉しい。
亜耶は、恥ずかしそうに俺を見上げてきた。
そんな亜耶の視線を受け止めながら。
「と言うことだ。この事は、他言無用で頼むな。っても、話したい奴は話しても構わないぞ。就職が難しくなるだけだからな。その覚悟で言えよ。因みに、上級生で三人出てるから」
一様、脅しておいた方がいいだろうと思いその言葉を口にした。
危害を受けるのは、俺じゃなくて亜耶に方だとわかってるから…。まぁ、その時は助けに行きますけどね。
「職権濫用だ!」
そんなの当たり前じゃん。
俺の亜耶が傷付くことなど許されないんだからな。
「なんとでも言え。それから、鞠山財閥だけじゃなく、高橋コーポレーションも荷担するんで…」
俺は、そう告げたした。
「はぁ?何で、そんな大企業が…」
やはり、知らない奴ばかりだとそうなるか…。
「俺の実家だからな」
俺は、堂々と告げると煩くなる。
御曹司が、教師やってるんだから、そりゃあ驚くだろ。
「あのー。高橋先生。授業を始めたいのですが…」
教室の入り口に遠慮しながら立ってる女教師(名前なんだったっけ?まぁいいや)が、遠慮がちに口を出してきた。
もう、そんなに時間が経ってたのか。
「あ、すみません。今日の連絡事項は、特に無いので、怪我しないようにな」
俺は、それだけ言って教室を出た。
これで、少しは落ち着くか…。
何て、思ってたけど、そうはいかなかった。




