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彼女の魅力は…遥



食べ終わり、席を立つ。

亜耶には先に店の外に出てもらい支払いをする。

「遥くん、あれだけあった料理良く食べきったな。」

オーナーが声を掛けてきた。

「まぁ、彼女の前では格好付けたいですからね。」

俺は淡々と返す。

料理を食べきった時の亜耶の驚いた顔の可愛さったら…。

「何を思い返しているのか知らんが、頬が緩んでるぞ。」

オーナーに指摘され。

「仕方ないでしょ。可愛い嫁の顔を思い出したんです。」

照れ隠しで言葉を紡ぐ。

「遥くんが、そんな顔をする様になるとは思いもしなかった。」

半分呆れたような顔でオーナーが言う。

「まぁ、遥くんがそこ迄入れ込む程の女の子だとは、思えないがな」

「彼女の魅力は、俺だけが知ってればいいんです。」

亜耶の事、一番理解してるのは俺なんだから、他人にとやかく言われたくない。

「兎に角、おめでとさん」

「ありがとうございます。」

俺はそう言って店を出た。



店を出れば、俺が出てきたのにも気付かず、入口で何やら悩んでる様子を見せる亜耶。

「亜耶、どうした? 難しい顔をして」

亜耶の顔を覗き込むようにして聞けば。

「ううん。何でも無いよ。」

と返してきた。

今日は、誤魔化されてあげますか。

「そっか。じゃあ行きますか。」

俺は右手を差し出すと亜耶が左手を重ねてきた。


駐車場に向かってる最中。

「遥さんが大食いだとは思わなかった。」

亜耶の言葉に。

「大食いでは無いな。此処の料理が美味すぎるからつい食べ過ぎるんだ。」

力説する俺に亜耶はクスリと笑みを溢す。

「嘘じゃないぞ。ほら、この腹見てみろよ。普段よりもポッコリと出てるだろ。」

俺は繋いでた手を一旦放して亜耶の手首を掴んで自分の腹に掌を這わせ、上下に動かしてやる。

その様子をじっくり見てると、徐々に顔を赤らめていく様が、メチャ可愛くて仕方ない。

「あれ、亜耶。顔が真っ赤だぞ。熱でも出たか?」

誂うように言えば、胸元を叩いてきて。

「だって……。」

そう口にして睨め付けてくる。

「俺が悪かったって。」

口にしつつ、悪気に思ってない俺。

可愛い姿が見れて役得としか思えない。

「さ、気を取り直して、この手土産を一度家に置きに行ってから買い物に行きますか。」

亜耶の手を繋ぎ直してそう口にすれば。

「はーい。」

赤らめた顔のまま素直な返事が返ってきたのだった。




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