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穏やか時間…遥

本日四話目でございます。



午前中は、昨日亜耶がご所望だった俺のお薦めとして持って来た本を亜耶が熟読し、俺も本を読んでのんびりと過ごしていた。

昼過ぎに龍哉達が来るのが分かってる為に昼食は始めから俺に食べさせて貰うつもりだったらしく(二人に見られるのがイヤだったんだろうが……)。

「遥さん。お願い、食べさせて。」

って、胸の前で手を君で涙目になりながら訴えてくる(何処で覚えてきたんだぁ)。

その姿にノックアウトさせられる俺。

「わ、わかった。」

俺はタジタジになりながら、亜耶からスプーンを受け取り、初日同様に亜耶に食べさせた。



「後は、牛乳だけだな。」

そう口にすれば。

「うん、飲む。」

昨夜同様に亜耶は、戸惑う事無く牛乳を飲み出した。

あんなに嫌がってたのに、平気なんだな。

以前の亜耶を思い出しながら。

「俺は、このトレーを片付けてくるな。」

そう言って、トレーを手にして立ち上がった所で、携帯が振るえ出した。

俺は、携帯を取り出して画面を確認すると "龍哉" と表示されていた。

あいつら、早くないか?

何て思いながら。

「もしもし、龍哉?」

電話に出ると。

『遥さん、今病院に着きました。何処に行けばいいですか?』

俺が電話に出るなりに質問してくる龍哉。

「正面入口の待合室に居てくれ。今から行く。」

と伝える。

『わかりました。お待ちしてます。』

それだけ言うと龍哉は電話を切る。

ったく、必要以上な事は、何も言わないんだから。

亜耶が、俺の顔を伺いながら。

「今の……。」

と聞いてくるから。

「龍哉から。今、着いたみたいだ。迎えに行ってくるな。」

俺の言葉に嬉しそうに顔を綻ばせ。

「うん。お願いします。」

としおらしく言う亜耶に俺も笑みを浮かべる。

本当に可愛いな。

「お願いされます、奥さん。」

俺が茶化すように言うと亜耶が真っ赤な顔をして、頬を膨らませる。

そんな顔をしても可愛いだけだし……。

俺は亜耶の頭を軽くポンポンと撫でてから、トレーを持って部屋を出た。


トレーをワゴンに戻し、一階まで降りた。







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