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お義母さんへの相談…遥



Purururu……Purururu……。

『はい、鞠山でございます。』

お手伝いさんだろう人が出た。

あの屋敷だとそれなりの人数が必要だろうが、こんな時間に残ってるっていうことは、住み込みなのだろう。

「遅くに申し訳在りません。高橋と申しますが、お義母さん居ますか?」

『えぇ、居りますが、どちらの高橋様ですか?』

と返ってきた。

家に掛けたのは不味かったかと思いながら。

「娘婿の高橋だと伝えて貰えば分かると思います。」

俺がそう伝えると。

『少々お待ちください。』

胡散臭そうに言いながらも、保留にしたのか静かなメロディーが流れ出した。

今度からは、直接お義母さんの携帯に掛けた方が早いな。

待ってるのももどかしくなる。

そんな事を考えていたら。

『もしもし、お電話変わりました。』

との声に。

「今晩は。遅くに申し訳在りません、お義母さん。遥です。」

そう声に出して言えば。

『今晩は、遥さん。亜耶に何かありました?』

冷静のようで、少し焦っている声音で聞かれて。

「あのですね。明後日の日曜日に亜耶、退院するんですが、ちょっと困った事がありまして……。」

俺が言いにくそうにしていると。

『困ったこと?』

不思議そうな声で聞き返してきたので。

「亜耶、利き腕を骨折でギブスしてるのですが、食事の方はゆっくりですが左手も可能なんですが、お風呂に関しては不便だろうと思いまして……。」

そこまで口にすれば。

『確かにそうね。夫婦とは言え、遥さんとは難しいわね。』

敢えて俺が口にしなかった事を意図も簡単に口にするお義母さん。

『退院後、必要な物を持って家に来なさいな。もちろん遥さんもですよ。』

と当たり前のように言うお義母さん。

「いえ、俺は遠慮します。」

本来、亜耶が成人するまで一緒に過ごす筈だったのを十六歳で離れて暮らす事になったのだから、こんな時ぐらい家族水入らずで過ごして貰いたいと思ったのだが。

『今更遠慮しなくても良いのよ遥さん。貴方も私たちの家族なんですからね。朝の送り迎えだって大変でしょう。それにね、私たち夫婦二人だけだから、少し寂しいと思ってたのよ。亜耶の怪我が治るまで一緒に暮らさない?』

お義母さんの提案に俺の方が折れるしかなかった。

「わかりました。退院後、必要な物を持って行きますね。」

『はい、お待ちしてます。あ、それから、連絡は携帯の方にお願いしますね、遥さん。』

お義母さんが、意味深な言葉を出す。

「あっ、はい、わかりました。今後は携帯の方に連絡入れます。」

俺がそう返事を返すと。

『お願いします。では、お休みなさい。』

「お休みなさい」

通話を切った。



何かあったのだろうか?


俺は、電話を切った後にそう思ったのだった。








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