表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/182

突然の事…遥

一週間と空かずに続編投稿です。


やっと、亜耶との想いが通じたのになぁ…。

何で、こんな事になってるんだ。

ハァー。



研修から帰ってきて、一週間。

突然伯父から。

「教師に欠員が出た。代わりが見つかるまで、教師の代講頼む」

何て言ってきた。

これから、会社に復帰するって言うのに、これだよ。

それに加えて、鞠山家でも問題が…。



御大自ら俺の所に連絡が来て、呼び出された。

そして、鞠山家の本拠地に出向くと、亜耶達家族も揃っていた。亜耶は、ビックリした顔を見せたが、他の家族は知ってたのか笑顔で出迎えてくれた。

家族会議が始まる。

俺、無関係のはずだが…。

俺も交えてなんて、思ってなかった。

突然会長が。

「会長の座を孝幸くん(亜耶の父親)に譲って、ワシはコヤツと世界一周旅行に行ってくる」

そう言い出した。

「「「「はっ!」」」」

家族一同が、驚愕する。

「お義父さん、何を急に言うんですか」

「急じゃないぞ。前々から考えていたんだ。それに亜耶のフィアンセも決まった事だし、少し羽を伸ばそうと思ってな。」

って、呑気に言う。

「じゃあ、この家は、どうするんですか?」

「お前達夫婦が住めば良いだろ」

御大、やってくれますね。

「今住んでる家は、雅斗が住めばいい」

「お祖父様。簡単に言いますけど、亜耶の通学の事考えてますか?」

雅斗が噛みつく。

「ここから通うには、ちょっとばかし遠いか…。だが、お前達の所にも居れんだろうて…。と言うことで、遥くんに頼みだ。亜耶と一緒に暮らしてくれんか?」

ヘッ…、俺ですか?

「イヤ、俺が今住んでる所でも、学校遠いですよ。それに、高校生の女の子が、家から出て行くのを見て、ご近所さんが何て言うか…」

俺の答えに。

「ならば、亜耶と婚姻してしまえばいい。で、通学に困らない場所に引っ越せばいいことだろ」

って、如何にもいい案だと言わんばかりの笑顔で言う。

うおー。

えっ、それって婚約期間無しって事ですか?

「お祖父様。私、まだ十六にはなってないですよ」

亜耶が、冷静に言う。

うん、確かにまだ十六じゃない。法律上は、結婚不可だ。

「だったら、亜耶の誕生日九月十五日に婚姻届を出せばいい。それで、解決するだろ」

御大は、ニコヤカに言う。

そうですね。

「これで、万事解決じゃな。と言う事で、お前、さっさと行くぞ」

御大は、奥様に声をかけると逃げるように出ていった。


「「「「ハァー」」」」

残ったメンバーが、溜め息を漏らす。

「遥くん、悪いね。家の事情に捲き込んで…」

亜耶のお父さんが言う。

「いえ。まぁ、亜耶との婚姻が早くなっただけの事ですので、気にはしませんが…」

何て言ったらいいのか…。俺的には、ラッキーなんだよな。仕事から帰ってきたら、亜耶が家に居るんだから…。亜耶は、それでいいのだろうか?亜耶の気持ちが知りたい。

「亜耶。亜耶は、どうしたい?」

俺は、亜耶に訪ねた。

「ここから学校に通うには、遠すぎるし一人歩き出来ない場所なのもわかってる。だけど、お兄ちゃん夫婦の邪魔もしたくない。独り暮らしは、無理だろうから、遥さんが迷惑じゃなければお願いしたいです」

お利口さんな答えだけど、俺が聞きたいのはそれじゃないんだよ。

「亜耶の気持ちは、どうなの?俺と一緒に居たいか?」

俺は、率直に聞く。

「…私は、遥さんと居たいです」

顔を赤くさせて言う亜耶。

可愛いな。

「うん。じゃあ、家探そうか?えっと、亜耶を連れてってもいいですか?不動産屋を廻りたいので」

俺が言うと。

「あぁ、そうだな。今のお前の家からじゃ、通学しにくいな。いい物件が見つかるといいんだが…」

雅斗が、浮かない顔で言う。

「そうだな。後の事を見越して決めてくるよ」

俺は、そう言って亜耶を連れて家を出た。



今日は、車で来てたから亜耶を助手席に座らせて、走り出す。

何時も、贔屓にしてる不動産屋に足を向けた。


「高橋様、いらっしゃいませ」

自動ドアを潜ると甲高い声が迎えてくれた。

そいつは、隣に居る亜耶を見て、不躾な視線を向ける。

「高橋様、此方の方は?」

何で、答えなきゃならないんだ。

何て思いながらも。

「俺の奥さん。今日は、新居を探しに来たんだよ」

そう答えてやった。

すると、一層強い視線を亜耶に向けた。

何だよ、不躾な奴だな。

「遥さん、どうしたの?」

亜耶が、俺の袖を引っ張って聞いてきた。

「イヤ。何でもないよ亜耶。亜耶は、どんな感じの家がいい?」

俺は、亜耶の腰に手をやり聞く。

「う~ん。よくわかんないよ」

まぁ、確かに高校生に解れて言う方が無理か…。

「じゃあ、俺が何件かピックアップしたのから、物件を観て決めるってのでいいか?」

俺の言葉に亜耶は、頷いた。

「セキュリティーがしっかりしてるとこで、4LDKもしくは3LDKでウォークインクローゼットの在るところを幾つか見繕って…」

俺は、そう伝えると直ぐに検索し出した。

眼は、まだ亜耶を睨んでるが…。

三・四件分の物件を持ってきた。

住所等確認して、学校に比較的近い場所を案内させた。



案内された物件の室内を見る。

リビングは広いし、水回りもゆったりしてる。お風呂場も広めに取ってある。ダイニングキッチンからリビングを見る事が出来る。子供が、出来た時にここから様子を見る事が出来るな。

「遥さん。ここがいい。学校に近いし、見張らしもいい。ねぇ、ここにしよ」

亜耶が、ハシャグ。

まぁ、見晴らしがいいのは、当たり前だ。八階だからな。

「ここにするか」

俺が、そう言うと亜耶が嬉しそうに頷いた。


店に戻り、契約を済ます。

部屋の鍵をもらい、粗方の説明を受けて店を出た。


「良いところ見つかってよかった」

亜耶が、安心したように言う。

ホントにな。

「後は、家具とか電化製品とか見ないとな。寝室は、一緒な。」

俺が言うと、亜耶の顔が赤くなる。

ああ、何で、こんなに可愛いんだ。俺は、衝動的に亜耶を抱き締めていた。


そして何だかんだと新生活を始めた矢先に、叔父の電話。

これから、どうなるんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ