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3.妹

妹が待っているであろう駅前のスーパーに到着した。

駅前のスーパーといえばここしかないだろう。昔からよくいってたし、スーパーといえばここだよな。


さっそく自転車をとめてお店の中にいるであろう妹を探そうと店内に入ってすぐに見つけた。

柚木は既に必要な食材をカゴにつめて、レジに並んでいる最中であった。


「お兄ちゃん、おっっっそい!!!!」


柚木は待たされたからであろう、かなり激怒していた。


「ご、ごめんごめん!!ちょっと色々あってさ。」


本当に色々あったのだが、とても忘れていた言い訳臭い……


「何よ、ちょっと色々って!ってか何で私服なわけ?まさか家に帰ったの!?」


家に帰ったのは、まずかったのだろうか、まさか私服に反応してくるとは……。


「一旦家に帰るとか完全にすっぽかす気だったね!ありえない!!」


「だからちょっと色々あったんだってばー!!」


妹とこんな大声で言い合うなんて何年振りだろうと、どこか思うところもあったもののゆずきに罵倒されている間にレジでの会計も済ませ、お店を出た。


「今日は自転車忘れていったから、一旦取りにかえったんだよ!そのついでに寒かったから着替えてきただけだよ!自転車のほうが荷物ものせられるだろ??」


とりあえず思いついた言い訳をしてみた。


「はっ?!……どうせ荷物はお兄ちゃんが全部持つんだから、自転車なんてどうでもいいよ!」


……そうですか。


なんてメチャクチャな妹だ。

性格はよくなかったが、ここまでメチャクチャだったかな?……。


帰り道に自販機でジュースを買ってあげたら柚木の機嫌も良くなったので、一安心だ。全く……現金な奴め。


柚木が俺の少し前を歩き、後ろから付いていくように少し距離をとって自転車を引きながら歩いている。

妹の後ろ姿を見ながら思う。


はたして、俺は元の時代に戻れるのだろうか。

俺の前を歩く女の子は確かに俺の妹、柚木だ。だが、明らかに俺の知ってる柚木とは態度が違うので、正直怖い。


周りからみたら俺は俺。瀬名 千空 に変わりはないのだろう。だが、俺の知ってる俺ではない気がしてならない。周りの対応や人間関係がすっかりと変わってしまっているからだ。正直、俺は今すぐにでも元の時代に帰りたい。この状況が怖くてならないからだ。

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