やさしい嘘つきな君へ
僕は君に恋をする前から
君が大きな荷物を1人で背負っていることを知っていた。
だから僕は君に
「1人で背負い込まなくてもいいんだよ」
といった。
僕のその言葉を聴いて
小さく蹲って泣いている君を見て僕は
君に恋をした。
守りたいと心から思った。
でも、君の背負っていたその荷物は
僕の想像を超える、残酷なものだったんだね。
だから僕は、君が僕の前からいなくなるときに
書いた手紙を読んだとき
ただ泣くことしかできなかったんだ。
守れなかったんだって・・・。
でも、もっと我侭になってもよかったんだよ。
「キライ」「サヨウナラ」
震えた文字と濡れた紙と言い訳のようなぐしゃぐしゃの内容と
ゴミ箱の中の君の本当の気持ちを
僕は知ってしまったから。
泣くことしかできなかったんだ。
気遣いなんていらないんだよ
もっと甘えてよかったんだよ
嘘なんていらないんだよ
もし君にまた会えるなら
やさしい嘘吐きな君にまた会えるなら
そのときは僕はこんな言葉を君に送りたい。
「 本当にありがとう 生まれてきてくれてありがとう 」
僕はそう君に言葉を送るんだ。