確信のない。
―――私は果たして生きていていいのだろうか?
眩い光が、一瞬にして消えたかと思うと、目の前の光景が全く変わっていた。
眩しいくらいの明かり。頑丈そうな大理石に似た石で造られている壁と床。そして目の前の長い階段。
その先に少し見える、椅子に座った二人が王様と王妃様だろうか。
「―――!?ソルヤ・ヴィリィクス!―――!?」
周りの兵士達が叫びながら剣に手を掛けている。
「―――!・・・――――ヴィル」
王妃様が兵士達を引き下げる。
―――・・・父上、母上。只今戻りました。お騒がせして申し訳ありません。
ヴィルが頭の中で翻訳しているようで、勝手に流れてくる。
「ヴィリィクス、――――、――――――。・・・―――?」
―――・・・父上が、あんまり騒がせるなってさ。それで、セイカは誰なのか聞いてる。
―――・・・あの、王妃様がすっごくこっちを見てるんだけど。しかも笑顔で。
「ヴィル、―――、――――。――――」
―――・・・・・・・・・・・・。
―――・・・どうかしました?王妃様は何て?
ヴィルは黙り込んでしまい、王妃様は相変わらず微笑んでいる。王様は王妃様を見て驚いている。
再び周りにいた兵士達がざわめきはじめた。
一体王妃様は何を言ったんだ?
「―――!・・・・・・―――、――――」
ヴィルがざわめきを止め、王妃様に向かって何か話した。
―――・・・ごめん、セイカ。
いきなり頭に響く声に少し驚く。
―――・・・・・・?何か、あったんですか?
―――・・・母上が、僕と二人きりで話したいって。だからセイカを友達に預けるけど、いい?
―――・・・友達、というと?
―――・・・名前はフレデリック・ノワリューシェとフレデリア・ノワリューシェ。
フレッドとフレディアって呼んでる。目の前に飛ばすから多分大丈夫だから。事情も伝達するから。
じゃあ行くよ、と言われ慌てる。そんな急に言われても・・・!
「シュリアスプメィア・・・フレデリア、フレデリック」
ヴィルは勝手に唱えて足元に魔法陣が光る。
「ヴィル!」
私は叫んだが、ヴィルは微笑んでいるだけだった。