表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

カレーパンのおまけ

 玉ねぎは、しっかりあめ色になるまで炒めたし、肉におじゃがににんじんも、ちゃんと炒めた。

「じゃー煮込むか!」

 鍋に水を入れ、強火にかける。その間に、リンゴを上からすり下ろす。

「林檎って、このタイミングで入れるんだねぇ」

 興味深そうに見ていた紺さんが、感心したように言う。

「林檎なんていつ入れてもいいんじゃ?」

 瑠璃ちゃんが横から顔を出す。

「ちっちっち。あんな、ウチが今まで何十回とカレーを作って、その度にリンゴを入れてきた結果!こ のタイミングが一番美味しくできるんやって分かったんや!」

「へぇー。何でこのタイミング?」

「何故です?」

 紺さんと瑠璃ちゃんが同じように聞いてくる。

「なんか、このタイミングやとリンゴの甘いのとか酸っぱいのが馴染む気がすんねん……知らんけど」

「出た。バリバリ関西圏のノリ」

 紺さんが笑いながら言う。自分も関西人やないかーい!というのは置いておいて、確かによく知らん。ずっと作り続けていて、このタイミングが一番いいという事に気が付いたんや。スマホで調べればすぐ分かるんやろうけど、それは性に合わへん。

「美味しいからええねん! ウチのカレーは、奥様のお墨付きやでっ」

 ビシッと奥様を指差すと、楽しそうに笑ってくれた。

「そうよ、くるみんのカレーは絶品ですからね。甘口で優しい味がするのよ」

「まぁ、確かに美味しいね」

「はい。胡桃さんのカレーはメチャウマです」

 二人からもそう言ってもらえて、にんまり顔が緩む。


「そうそう、くるみん。いつも通り、うるちゃんにはパン生地を多めに作ってもらうよう言ってますからね。弟さんや妹さんの分も作っちゃいなさいな」

「すみません、いつもありがとうございます!」

 奥様の心遣いに、胸があつぅなる。こんな女性になりたいもんや……。

「じゃあ私の分も……」

「あ、うちもお願いします」

「めっちゃ便乗してくるやんっ!」

 うちに帰っても騒々しいけど、バ先でもこんなに騒々しいなんて。ウチはいつになったら「しゅくじょ」になれるんやろか。

 ……でも毎日めっちゃ楽しいから、まぁええか!

 ほなっ、開店準備、始めるでー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ