幸せ探し
私は今河原に来ている。春にはまだ早いけど今日は暖かいから河原で日向ぼっこをしていた。
「ねぇあかりちゃん何してるの?」
隣に住んでるよっちゃんに声をかけられた。
「ん?日向ぼっこだよ。よっちゃんもする?」
「しなーい。ただ寝てるだけじゃん。」
「でも、草の香りがして気持ちいいよ。」
「そうなの?お母さんに怒られない?」
「後でちゃんと草を払えばバレないよ。」
私が笑いながら言うとよっちゃんも隣に座った。
「ねぇ、楽しい?」
「うーん……よっちゃんがいるから楽しいよ。」
「あかりちゃんにそう言われると照れるよ。」
よっちゃんが少し頬を赤らめたので私はすかさず膝枕してもらう。
「もー、あかりちゃんたらー」
私たちはお昼の日差しの中うとうとし始める。
「眠くなってきちゃったね。」
「うん……よっちゃん先に帰ってていいよ。私はまだやる事あるから。」
「えっ?何するの?」
「四つ葉のクローバー探すの。去年はここにあったから。」
「そうなんだ。でも、見つかるかな?」
「見つかるよ。必要だから。」
私の今日の目的はこっちだったのだから。
「もしかして。あきちゃんの為に?」
「うん。あの子病気で苦しんでる。だから探すの。」
あきちゃんは私たちの友達で今は病気で学校を休んでいるのだ。その為に幸せな四つ葉のクローバーを探しに来たのだ。
「なんだ。それなら私と一緒じゃない。探そう2人で。」
「えっ?よっちゃんも?」
「だって私たち親友じゃんか。」
よっちゃんの言葉が嬉しくて私は大きな声で笑った。
「私は本当にいい友達を持ったよ!」
そして私たちは日が暮れるまで探しました。
そして翌日。学校が終わってあきちゃんの家へ私とよっちゃんは行きました。あきちゃんの家のインターホンを鳴らすとあきちゃんのお母さんが出てきました。
「「こんにちは!」」
「あら、2人ともこんにちは。どうしたの?」
「学校からのお知らせをお届けに来ました。」
「こちらです。」
私たちは学校からのプリントを渡しました。そして……
「あの、それとこれを。私たちであきちゃんに手紙を書きました。あきちゃんに渡してください。」
「あらあら、親切にどうも。」
「それではあきちゃんによろしくお伝えください。」
そうして私たちは帰っていった。
「あきちゃん。あかりちゃん達が手紙を持ってきてくれたわよ。」
「本当!嬉しいなー」
「早く良くならないとね。」
「うん。」
手紙を開くとそこには手紙と四つ葉のクローバーの押し花が添えられていた。
『お揃いの四つ葉のクローバーだよ。早く元気になって春にはお花見に行こうね!』
「手紙にはなんて書いてあったの?」
「ないしょー!」
あきちゃんは笑いながら手紙を直して手紙を書くのでした。元気になったら渡す為に。
ひと月後、あかり、よっちゃん、あきちゃんの3人は河原の大きな桜の木の下でお花見をしていましたとさ。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
コロナが流行っていますが、昔はこの物語の様に心配してくれてましたね。
そんな日常が早く戻るといいですね。
次回の童話もお楽しみに!




