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友人譚

作者: 降り坂

「夏は夜」

そう清少納言は言った。このあとは皆さんご存知の夜の世界を淡々と表現されていくわけだが、これは裏を返せば昼は見るものなしと言っているのではなかろうか。

事実最近の夏は殺人的な暑さであった。

暑すぎた。暑すぎて半ば溶けていた。そんなころのお話。


私はおぼつかない足取りで日光のもとに出た。

私の背後には大口を開けた怪物の顔ーーと、見えるのは私が暑さと今日の講義に頭をやられたからに違いない。正しくは、「大学の入口」である。

とゆうのも、私の受講した内容とゆうのがこれまた複雑怪奇なもので私のような脳の容量が8ビットしかない人間からしてみれば理解を放棄したくなる代物だったのだ。私が救いようのないほどお馬鹿なのかその講義が難解であったか・・わたしとしては前者のほうが確率として高そうである。


しかしそんなやつにも救いの手は存在していた。

その名も「昼食」と言う。自分の味覚に没入して午後の恐るべき時間バイトに備える。

ある意味最も重要な儀式ではないだろうか。


そして数ある昼食をその時の自分のお腹と相談しながら選択しなければならないのだが、さてどうしたものだろう。当然の如くノープランの私である。

某有名弁当チェーン店ののり弁とかどうであろう?あれはまず安いそして美味い。

だがそう、標準のものだといかんせん量がな・・

働きざかり、食いたいざかりの若者にあの量は若干もの足りないのである。


しかしその瞬間私に天啓が降りた。

ラーメン!この魅惑の4文字が脳内を圧倒したのだ。

この酷暑ともいえる暑さの中で食べるものではない。

濃ゆい味付けの汁は舌に水を要求させるだろうし、食べたときの汗は私の着衣を蹂躪しべっとりと張り付いて離れまい。かつ、あろうことか基本的にラーメンとは学食のそれを除いてワンコインで済むことの方がまれである。となれば私の財布の小さな大蔵省は火の車。私の昼食は今後の窮乏と引換だ。


だがそれがいい!

不健康な食事に皆が引かれるように私は謎の反骨精神を立ち上がらせ季節に見合わぬそれを食べようと思った。

否、決心した。


そうと決まれば話は早い。

大学生の神は拙速を尊ぶのである。とりあえずなんか動いとけはエネルギーの有り余った大学生ならではの行動論理であろう。


駐輪場へ歩く。

幸いなことにこの大学のキャンパスの周りには飲み屋街が実に多い。

私の財布のひもが毎月ことごとく膝を折ることになる最大要因である。

必要以上に食への誘惑の多い街なのだ。

飲み屋があるなら他の飲食店も自然と集うもので、この町もその例にもれずこの大学からほど近い場所にラーメン屋があるのだった。


とは言えども、だ。

今がまさしく酷暑の渦中であることは疑いようがなく、私は一歩歩くたびに自分の人間性のようなものが削れる音を聞いている気すらする。アスファルトのせいで体感+2度と言ったところか。すでに背中は滝、首を源流として流れる川は私の背中に服をはっつけてくれていた。


駐輪場にたどり着けばそこに見知った馴染みのある頭が見えた。

私は思わず眉を寄せてしまった。なにせいまこの人間が私の考えている通りの人間だったなら非常に面倒なこと請け合いの人物であるからだ。


「なんであなたがここにいるんだ、マサ」


問う私。

なかば諦めた、確認に近い呼びかけだったかもしれないがマサと呼ばれた男はくるりと振り返った。

そして「我、獲物捕捉セリ」とでも言いたげにニンマリ笑えば私に対して口を開いた。


「や!星さん(不本意ながらこれが私のあだ名である。とてもキラキラしたそれだが、これが私の意思のあるところでないのはご承知いただきたい)じゃないか。ここで会ったが2日ぶり元気にしてた?」


ここで会ったが,,という枕詞から絶対に出てこないであろう言葉が飛び出しているが努めて無視する。

この男こそ我が友人(?)にして、口を開けば二言目には戯言を言わずにはいられない人物。名を仲野正弘と言う。

私と同じ一人暮らしで羊羹みたいな広さのアパートを借りている。

誰これ構わず『さん』付けなので私のような多少親しく付き合っているような奴はあだ名にさん付けを喰らうことになる。


「元気にはしてたよ。そろそろ限界を迎えそうだけどね。もうこりゃ暑いじゃなくて熱の方の熱いだよ。」


マサはケタケタ笑いつつ、『そのネタは口頭だと伝わないんだよなぁ。漢字で読みたかった』なんて言っている。

伝わっているじゃないか。

それにしてもマサと駐輪場で会うとは珍しい。

基本的にこの男と私の基本的なタイムテーブルは噛み合っていないので、中々示し合わせたようにばったりといったことは少ないのである。


ではなぜ友人と呼べる関係に至ったかは割愛しておく。たいしたお話でもなく、退屈であるし、私にはそれを上手く語れるほどの語彙力はない。


「昼飯か?」

「あぁ、ラーメンでも食いに行こうかな、と」

「この暑さでラーメンとは。勇気というか無謀というか」

「うまけりゃよし、だ。マサは?」


基本的にこいつとの会話では打てば響くように返答が返ってくる。本人曰く『脊髄で会話してんだ』とのことだ。だからというかこいつの行動を予測するのは困難を極めるし、考えなしとしか思えないようなことをしでかすことも多々ある。

それが面白いからこそこいつとの友達付き合いがあるとも言えるが。


「俺も昼飯だな。ところでちょっと前に『財布ピンチ!』なんて言ってなかったか?」

「いや、大丈夫だ問題ない」

「,,,,闇金?」

「私の返答だけでそこまで言えるとはよほど想像力豊かと見える。あとどんだけ私が酷い状態だと思ってるんだ」


失礼なやつである。

余裕のない生活は最終的に余裕ある心を産むというのが私の持論なのである。つまりこの状態とて私が望んだことなのだ、と言い訳しておこう。

それに貧乏学生というのは真面目そうな言葉の響きがあるじゃないか。実際にはバイトと学業以外遊びほうけて飽食の限りを尽くしているけど。


「なに、今月の末まで私は文字通りの臥薪嘗胆であろうというだけだよ」

「かっこいいけど意味考えたら全然かっこよくないぜ?ちょいとお尋ねするけど今の財布の状況を4文字で聞いても?」

「マジノ線」

「オーケー、お前今日のラーメン諦めろ」


マジノ線は北に大穴空いてたからね。(ベルギーとか)あれでは確かにフランスの誇る大要塞も形なしというものだ。


閑話休題


というかこいつは私に死ねと言ってるのだろうか?

うまいもの食わなければ私がわざわざこの飲み屋に囲まれた大学に来た意味がないじゃないか。


「だが私は行かねばならん!ラーメンが私を呼んでいるんだぁ!」

「だめだこりゃ」


マサがやれやれといった感じで首をすくめる。

それを見ることができたのでおふざけタイムを終了させる。


「まぁ、そんなんだ。悪いが私には使命があるので今日の昼食は一緒には食えん」

「りょーかい」


さて、と。

果たして私は自転車をどこに止めたか?

ちなみに私はバイクの免許は取っていない。

どうにもすてんと転ぶ未来が見えてならないのだ。

ぎゅうぎゅうに詰められた二輪どもを見ながら私のやつを探す。


「あ、そうだ。星さん」


呼び止める声、マサである。

何か言い忘れたことでもあったろうか。


「どうした?」

「昼食はいいとして、今日夕食一緒に食わないか?完璧にフリーでな」


ほう、夕食のお誘いとな。

ありがたいお話だが物によるだろう。

外食だと高くなりがちだしな。


「俺の家でなんだが」


解散である。紛うことない解散だ。

脳内衆議院は内閣にマサの料理不信任案を叩きつけ内閣もお返しとばかりに衆議院を解散した。



どうゆうことかというとだ。こいつの家に行くのはいい。いや、それもあんまり良くないんだが。(友人の家に押しかけるのってどうなの?)

だが問題がこいつの料理の腕だ。料理のレパートリーが貧弱すぎる。ぶっちゃけこいつに置いては調味料をかけるだけで料理と認定されかねない。こいつに飲食店のバイト経歴が一切ないのは伊達ではない。だが待てよ?奴の手料理を食ったのは随分と昔だったはず。

今ならばもしくは…?


しばらくの黙考。


「,,,,,わかった行くわ」

「よし!」


喜ぶマサと憂鬱な私。

誰かの不幸で誰かの幸せがあるとはよくぞ言ったものである。


「よしよし、準備して待ってるぞーいつでも来ていいからなー」

「はーい、じゃ、あとでご厄介になる」


手をプラプラさせてマサと今度こそ分かれる。

それにしても相変わらず愉快なやつである。

向こうは逆にこちらのことをそう思っていそうだが気にしてはいけない。

私は至って普通の人なのだ。


自分の自転車を発見(よりにもよって隣のバイクにハンドルが引っかかっていた)できたので、またがろうとしたとき、後ろからガシャンとけたたましい音が聞こえてきた。後ろにはマサしかいないのである。


「マサ!大丈夫?!」


振り向きながらよびかけた私が見たのは。


すてんと転びこちらに土下座のように頭を下げているマサであった。

なおもちろんこんなぎゅうぎゅうの駐輪場で転んだのでドミノは形成されている。

駆け寄って体を起こさせる。


「いったー」


軽いなおい。

見給えこの大惨事。この自転車ドミノは己がつくったのだぞ。

みれば当のマサ本人は軽く擦った程度であるようだ。

むしろ自転車の物的被害のほうが大きいまである。

すっくと立ち上がり一台一台自転車を起こし始める。

私も無言でそれを手伝った。


ちなみに余談だが、この未曾有の大惨事により我々は大学構内で大きな注目を集め、私の方はラーメン屋のランチセットにありつけなかったとゆう落ちもついている。

先程この友人のことを愉快なやつと述べたが訂正である。

この男は本当に緊張感に欠けるふざけたやつなのだ、としておく。

この書物が後世に残ったら散々に笑われるが良いわ。

食べ物の恨みは恐ろしいのである。

まこと恐ろしいのである!

許すまじマサ!




「お先に失礼しまーす!」

「はーい!お疲れ様ー!」


ところかわりバイトである。

バイトとゆうか同僚が休んだためそのシフト部分に押し込まれた形だ。

まぁ今日の午後が暇であったのは事実であるのでよしとする。

さてそのバイトも一段落がつき今日のところは、と暇を出された。

このあとはどうしようなどと考えていると、お腹がなった。

周囲に人はいなかったものの少し恥ずかしい。

そしてわたしのバイト終わりのぼーっとした頭はなんでこんなにお腹が空いているのだ、などと考え昼間の一幕が連想された。同時にマサの腹立たしい顔も。


「行くか」


おそらくいつもの私なら遅くにお邪魔するのも悪いなんて思いつつ行くのだろうが今の私にはそんな遠慮はない。むしろ押しかけてやろうとさえおもうところだ。


正直にいえばマサの提案とゆうかお誘いはかなり嬉しかったのである。

私のテンションがあと2段階ほど高ければ小躍りしてもおかしくなかったぐらいである。

最近は私も彼も大概に忙しく顔を合わせる機会に恵まれなかった。

こうしてマサとしっかりと交友を深めるとゆうのも久しぶりの話なのだ。


なお当初から私はマサのことをさんざんにこき下ろしたが別に彼を疎ましく思っているわけではないとゆうのを断っておく。彼の良い部分は私もよく知るところである。ひょうきんであるし、空気もまぁまぁ読めるし。

性格が良いのと容姿もそこまで悪くないのも相まって彼はもてもてなのである。

ぜんぜん妬ましくないとも。私情の混じらぬ第三者の視点からのものである。


とゆうことで私はマサの住まいであるアパートに来た。

築何十年とゆうボロ屋ではあったが雨漏りもないし点検の回数も多いとのことで手の行き届いたいいアパート、らしい。マサ談。

これを聞いたときは「つまり住めば都だな。私には分からん」と流した記憶がある。

インターホンを鳴らせば出てきてくれるだろうとマサの部屋の前に行きインターホンを鳴らす。ピンポーンとゆう軽い音とともに「はーい」とゆう声。パタパタ音が近づいて来たかと思えば錠の開く音がして戸が開いた。


驚いたことに出てきたのは元気なさげなマサであった。

私の方を向いて唐突に


「ブルータスお前もか」


なんて言ったのである。

どこの誰が裏切り者であろうか。

ここまで品行方正な大学生そうはおるまいとゆうに。


「すまない、今来客があっていてな。一緒でもいいか?」


予想だにしないことだった。

マサも申し訳無さそうな表情をしているし、できないことを自分から約束にして取り付ける人間ではない。

そこは信頼している。つまりマサとしても不本意とゆうか突然の訪問だったのだろう。


戸を開けて話しているので玄関が見えている。

そこにはいつものマサのスニーカーと女性モノのヒール?

瞬間私には恐ろしい想像が浮かんだのである。


そう、まさかいわゆるこれは女を連れ込んでやったぜ!

とゆうものではないだろうか。

マサとて男である。少々身持ちが硬すぎるきらいがあったがついに理性の()()が吹き飛びそこらへんの女性を甘言で引っ掛けて来たのではなかろうか。

そして連れ込んだあとに私との約束をはたと思い出し、形式だけ約束を済ませてから体よく追っ払うつもりなのでは?


想像力豊かとお笑いになればいい。

しかしマサといえば禁欲の僧侶といった形でこうでもしなければマサと女性とゆうのが結びつかないのだ。

あと女モノの靴とゆうだけで混乱したのもある。


「女か?」


少しばかり座った目をしているかもしれない。

言っておくが私がこんなことを言うのはモテないやつのひがみ、妬みではない。

断じて。もし本当に女であれば「裏切り者め!お前は生涯独身貴族ではなかったのか!」と叫びつつグーで殴るだけである。

他意はない。


「え?」


ワタワタと挙動不審となるマサ。

さらに怪しい。


「ち,違う!何を勘違いしたか知らないが来客とゆうのは俺の姉だ!」


え?姉?いたのか。そうか。

知らなかった。疑ってすまない。


「全く、紛らわしいことをしないでくれよ」

「ご、ごめん........なんで俺は謝らされたの?」


それが謝罪とゆうものだからである。

良かったなマサ。危うく私の簡易コマンド昇龍拳が炸裂するところだったな。


「とりあえず上がりなよ。うちの姉がうるさいだろうがすまん」

「いやむしろ夜分遅くに押しかけた私が悪い」


夜分遅く、とゆうほど遅くはないのだけれどね。

靴をぬぎ、細い台所兼廊下を通れば畳敷きの小部屋があった。

よくよくみれば古さとゆうのも感じるのであろうが地面を埋め尽くさん勢いの家具に加えて中央に机があるとあっては実感する機会もない。

そして机には女性が一人クッション(かわいい系!)に座りつつ、テレビをご覧あそばされていた。

向こうも私の存在を認知したらしく、テレビから目を離すと目を瞬かせた。


「あら?正弘。人が来るんだったの?なら言ってくれればよかったのに」


マサの連絡不足であったか?

女性は私のことを知らなかったようである。


「姉貴が急に押しかけたんだろ!泊まらせろって。それに姉にまで気をつかわせたくない!」


それもそうか。なんとゆうかどこか抜けてそうなところは双方に遺伝したようである。

間違いない。今の会話は間違いなくマサとその姉の会話である。

少々確信の仕方が不純ではあったがなんとも分かりやすいものである。


「星さん。俺は食事の用意してくる。ゆっくり,,,は無理でも休んでいてくれ。姉貴がうるさすぎたら無視していいぞ」


そんなことを言って廊下にマサは戻っていった。

向かうのは台所だろう。

マサの発言を聞いてお姉さんは「あら酷い」などどカラカラ笑っていた(これまた普段のマサと酷似していた)が私に向き直りいた住まいを正して改めて自己紹介した。


「改めてまして、正弘の姉の杏と言います。正弘あれでしょ?結構迷惑かけてるでしょ?」


マサの姉。目の前にいる方は随分な美人さんであった。

手入れの行き届き、切り揃ってる髪に、髪留めなどの小物のほうに重点を置くオシャレの仕方は確かに「お姉さん」であった。顔立ちだけならもっと綺麗な方もいるのかもしれないが、このオシャレの仕方により所謂総評美人になっている感じがある。努力の人やで。


とはいえ、酷評である。

身内から見たらそう言いたくなるのだろうか?

私としてはマサの完璧ではないところに人間味を感じて良いのだけど。


「いえいえ、仲野くんにはむしろ助けられてばかりで,,,」


いつもなら仲野くんなんぞ絶対に使わんがな。

今ばかりはあだ名で呼ぶわけにもいくまい。


「うーん、そうかぁ。正弘は大学でもちゃんとやってるわけね」

「はい。勉強も教えてもらったりしています」


友人を褒めるというのはむずむずする行為である。

先ほどからマサの良い点ばかりを挙げてる気がする。

褒めて伸ばす方針ではないと言うにっ!

だが今日のところはお前の顔を立てておいてやろうじゃないか。

負けてないからな。いずれ酷評してやる。おもにこんな美人な姉を持った私怨で。


「ちなみに正弘、大学で()()()()とかできたのかしら?そうゆうこと全然話さないものだから」


これは、話してよいものか?マサの交友関係は把握しきれていないが・・・。

ぐるりと部屋を見回す。単色のタンスにハンガーにかけてある薄手の上着、台所の皿も明らかに一人分より少し多い程度である。


ないな。マサにその手のお付き合いをしているひとはいない。わかってはいたが。


「あー、その、わかりかねます。モテてはいると思うのですが」


すると杏さんはこちらを見つめて


「たしかにねぇ。正弘はルックスはいいはずなのだけれどなんか身持ちが硬すぎるのよねぇ」


ルックスはいい、のくだりでこちらをみないでいいただきたい。

悪意はないと知っていても完全に嫌味である。


「星さん。ご飯できたわ。机の上空いてるかな?ものとかない?ないなら持ってくけど」


そこでマサからご飯ができた旨が聞こえてきた。

そんなに長い時間話していたとは思わなかった。


するとマサのお姉さんは体を伸ばしながら立ち上がって、荷物をまとめている。

帰るのだろうか。

それを見てか部屋の方に大皿を運んできたマサが聞く。


「あれ?ねぇちゃん帰るん?」


お姉さんの方は苦笑して


「まぁ、正弘の様子が見たかっただけだしね。それに正弘の料理はちょっと・・」


すごく納得した。とゆうか家族からもメシマズ認定されているのだなマサは。

おいたわしや。


「じゃあね。正弘をよろしくね」


そうしておねえさんは去っていった。

マサはといえば思案顔である。


「姉貴のぶんまで作っちゃたんだが・・・」


お前!それ!食うのは私なんだぞ!

なんとゆうことを!


なお、マサの料理は予想の6倍ほど美味しかったことを報告する。

数ヶ月でここまで成長できるものなのだとしみじみ。


食事の様子は割愛。

酒が入ったための自主規制である。

会話の端々にP音が交じるのはマズイなんてものではない。

年齢規制不可避である。

我が文章は健全であります!(べべれけ)


宴も終わり、帰路についたとき私は完全に陽気に満ちていた。

「夏は夜」確かにその通りである。

空を見上げれば星が瞬き、風は生ぬるくともそよそよと凪いでいた。


そんな景色を見ながら私が思ったことは


「居酒屋行こ」


まさかの梯子であった。

酒飲みの戯言と思って欲しい。

趣き、というのを感じとりたい今日この頃である。

実は主人公の性別が女性でした。

とかネタバレしたら怒られるのだろうか。

いや、読者諸兄のことだから分かってたはず!



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