第一話
1.場外実況
「皆様、お元気でしょうか?この放送は、千葉サテライト放送が、全国の野球ファンの皆様にお送りしております、わたしは、アナウンサーの鶴岡と申します。本日は、我千葉ポセイドンズが、首位を独走する東部ジャガーズを向かえての第7戦をお送りいたしますが、特別企画として、試合開始18:30より前に16:00より、試合前の選手の情報を実況いたします。今や、我千葉ポセイドンズのリリーフエースに成長した河我投手の自宅前に、リポータの小意地アナウンサーが、行っておりますので、呼んでみましょう」
「リポータの小意地アナウンサーそちらの様子は如何ですか?」
「リポータの小意地です、わたしは只今、河我投手の自宅アパート前に到着しておりまして、これから球場に向かうであろう河我投手が、現れるのを、今か今かと待ちわびております」
「こちらは、千葉ポセイドンズのホームであるマリーンスタジアムに略近い海辺の、バブル時期にアブク銭を注ぎ込んで出来上がった閑静な住宅街の外れにある、昔からのアパートが残る一画です、平日の夕方ということもあり、行交う人々も疎らで、近所の奥様・学生さんがほとんどです」
「おーと、鶴岡さん、今玄関に人影が写りました、どうやら河我投手が、出かけるようですので、実況に入らせていただきます」
「只今、玄関のドアが開きまして、河我投手が現れました、白地に赤の縦縞のジャージにスニーカを履き、球団の帽子を被っております」と小意地アナウンサーの声
カシャっとゆう音
「これは、試合前のウォーミングアップを行うのでしょうか?しかし背中に登山の時に荷物を背負う為に付けるL字の荷物置きの器具を背負っております、これは何の為につけているのでしょうか?しばらく様子を見てみたいと思います」
「ドアを閉めて、鍵をかけました、その鍵を玄関横の植木の・・・」突然ブザー音
「小意地さんそれ以上の実況は、防犯上問題です」と鶴岡アナウンサーの声
「あーと失礼しました鶴岡さん、つい実況に夢中になりました、今後は気をつけて、実況いたします」
「河我投手、ランニングを始めました、やはりウォーミングアップのようです、住宅街を走り抜けようとしております、私も原付で追いかけます」
「河我投手かなりのハイスピードで、ランニングを行っておりまして、原付で追いかけておりますが、付いていくのがやっとという状況です」
「河我投手は、プロ野球選手としては、小柄の165cmですが、球界一の速球投手でもあり、強靭な足腰を持っているということでしょうか?」と鶴岡アナウンサーの声
「そうですね、かなりのハイスピードですが、顔見知りの近所の奥様方でしょうか、すれ違う毎に挨拶する余裕すらあるようです」
「河我投手は、1987年3月生まれの22歳、17歳の時千葉ポセイドンズの入団試験に一般参加して、合格。翌年のシーズンより、速球とフォークを武器に、リリーフ投手として活躍、その年のパリーグの新人王に輝きました」と鶴岡アナウンサーの声
「無名の選手が、新人王を取ったときは、わたしも驚きました」
「そうですね、リトルリーグでは、幕張ファイヤーズに所属して、投手として、チームを3年連続全国優勝に導いたとの記録がありましたが、当然高校野球の経験はなく、ドラフト外での新人が新人王に輝くというのは、リッパとしかいえません」と鶴岡アナウンサーの声
「そうなんですよ鶴岡さん、しかし河我投手がすごいのは、新人王をとった翌年、残念ながら突然の10ヶ月の休養により、一旦は、退団となり、その後すぐに奇跡の復活をとげたことでしょうか」
「たしかに、自他共に認める千葉ポセイドンズファンのわたしも、新人時代の河我投手の小柄で、プロ野球選手としては、キャシャな体格では先が思いやられると、当時は思っておりまして、若気の至りかとは思いますが、10ヶ月の休養に入った時は、このまま選手生命は終わるのではと思ってしまいましたよ、しかし復帰後は、腰周りに肉がついて、下半身が安定し、新人時代の球質の軽さの欠点が克服され、ホームの試合には必ず登板しての、リーグ最多の32セーブをマークして、ロングリリーフもこなすリリーフエースとして、活躍されております」と鶴岡アナウンサーの声
「本日もホームスタジアムの一戦ですから、河我投手の勇姿が試合でも見られそうですねー、このウォーミングアップのランニングでも、河我投手の気迫が伝わってくるようです」と小意地アナウンサーの声
「おや、どうやら目的地に到着したようですよ、建物に入っていくようです、こんな住宅街に、ジムでもあるのでしょうか?わたしも、近くにいってみます」
「若奥様方が、集まっておりまして、看板がでております、なになに若草幼稚園とありますねー」
「これは、園児のお出迎えの奥様方ですねー、その中に、河我投手も混じっております」
若い女性達の声がマイクに入ってきて、騒然としている。
「ママー」ひときわ大きい男の子の声
「徹―」と若い女の声
「おーと、教室から男の子が勢い良く河我投手に向かって、叫びながら抱きついてきたー」
と小意地アナウンサーの実況
「河我投手の一人息子の徹君だー、河我投手、徹君を抱き上げて大空高く、高い高いをしております、なんと試合前のウォーミングアップを兼ねた、園児のお出迎えだー」
「働く女性にとっては、園児のお出迎えもスケジュールに入れておかなければいけないということでしょうか?」と鶴岡アナウンサーの声
「そうですね、河我投手は、土日は、デイゲームもありますが、平日は、夜のお仕事ですので、その点では、恵まれているともいえるのではないでしょうか?」
「夜のお仕事?ナイトゲームと言ってくださいよ!まぎらわしい」と鶴岡アナウンサーの声
小意地アナウンサー聞いていないように実況を続ける。
「徹君は、元気がいいですねー、河我投手似でしょうか、大変かわいい男の子です。河我投手も大変しあわせそうに笑っています。」
「河我投手、旧姓星野選手としては、大事な2年目のシーズン前に妊娠、できちゃった婚にて、シーズンを棒にふって出産、退団という苦難を乗り越えてのお子さんですので、よりいっそうかわいいのではないでしょうか」と鶴岡アナウンサーの声
「いやー、理屈抜きに河我投手がかわいいから、お子さんもかわいい、何といっても、河我投手の名前は、唯、河我唯・かわゆいですからー」一瞬の沈黙、カシャっとゆう音
「教室から保母さんが出てきて、出迎えの若奥様方にあいさつしております、」
「保母さんが河我投手に近づいてきました。大変親しそうに話が弾んでいるようですが、良く見ると、これは驚きました、鶴岡さん、この保母さんは、ソフトボール日本代表の下田投手ですよ!」
「なるほど、高校時代河我投手は、成田高校で、ソフトボールをやっており、当時下田・星野の黄金バッテリーとして有名で、確かソフトボールの全国大会で優勝しています。ソフトボールでは河我投手は、キャッチャーをしていたようです」と鶴岡アナウンサーの声
「おーと、河我投手、時計を見て慌てだしました、名残惜しそうに下田選手にあいさつして、しゃがみました。すると徹君が河我投手の背中に回りまして、背中の荷物置きに座りました。」
「分かりましたよ鶴岡さん、出かけに荷物置きを背中に背負っていたのは、徹君をおぶる為だったようです、徹君をおぶってランニングするようです、子供といっても、おぶることにより、よりいっそうの体力強化になると思われます、やはりこういう地道な努力が、河我投手の成績に出るのでしょう」
「昔、忍者は、修行として、苗を埋めて、毎日その苗を飛び越す修行をしたと聞きます、苗は、日に日に大きく・高くなり、知らないうちに、高く飛べるようになったとのことです。子供も日に日に成長して、重くなりますから、知らないうちに、体力が付くということだと思われますね」と鶴岡アナウンサーの声
小意地アナウンサー、鶴岡アナウンサーの薀蓄は、無視して実況を続ける。
「河我投手ランニングを再開しましたので、わたしも後をおいかけます」
「河我投手は、自宅に戻るのでしょうか?」と鶴岡アナウンサーの声
「ランニングを開始した河我投手ですが、自宅とは、逆の方向に向かっておりますねー、今16:30を回ったところです、試合開始まで、2時間を切りましたが、どこに向かうのでしょうか?」
「さすがに、徹君の重さがあるのか、先ほどよりは、少しスピードが落ちたようですが、足取りは軽やかに、住宅街を抜けて、商店街の方向に向かっております、商店街の店主に軽く手を振りながら、商店街を駅の方向に駆け抜けていきます、まさに映画ロッキーの試合前のランニングのワンシーンを見ているようです」
「ローキーは、子供をオンブしてませんでしたよ、それに男だし」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手、先ほどより、時計をしきりに気にしているようですが、ようやく、次の目的地に到着したもようです、なんとこんどの目的地は、マルハチスーパーだー」
「河我投手、スーパーの買い物籠を手に取り、スーパーに入りました。わたしも入ってみます。」
「河我投手、まずは生鮮食品売り場にいきました、レタスを手に取りながら品定めをしております、両手にレタスをそれぞれ持ち、重さを比較しております、根気良く繰り返して、やっと一番重いものが判明したようです」
「河我投手、選びに選んだレタスを買い物籠に入れました、手馴れた様子です」
「今度は、ソースの売り場に向かっております、なんと、今日はケチャップが特売のようです、特用サイズのカゴメのケチャップが、普通サイズと同じ価格のようです、これは、安い!」
「次は何処だ!肉・魚売り場だー、ここには、主婦が大勢集まっている」
「ここで、河我投手も時計を見ながら立ち止まった、何を待っているのでしょうか?」
「おーと、ここで、スーパーの奥から店員が出てきた、腕に何やらいっぱいシールを張っているぞー、これは噂の半額シールだ!、店員が次々に肉商品の上にシールを張っていく、タイムセールが開始されました、只今の時間は、17:00ジャストです」
「店員が、半額シールを張るや否や、周りの主婦達が、次々に買い物籠に入れてゆきます、買い物バトルとなっております」
「河我投手は、豚ロースブロックの所に陣取っている、店員の来るのを待っている様子です、店員が、半額シールを豚ロースに張ると同時に、河我投手、豚ロースをゲットしました、さすがに速球投手、手が早い」
「今日の河我家の夕食は、トンカツにレタスのサラダでしょうか?レジに向かって行きましたが、途中で、スパゲッティのところで、立ち止まりました。スパゲッティを添えるつもりのようです、有名イタリアン店のスパゲッティを手に取りました、おや、手帳らしき物をポケットから取り出して、見ています、どうやら底値手帳のようです、有名スパゲッティの値段を底値手帳で調べております、河我投手、スパゲッティを元に戻しましたここはガマンか!」
「河我投手、レジに向かいました、おーっと、一番長い列に並んでしまったが大丈夫かー、なるほど、さすが野球選手、目がいい、並んだ列は人は多いが買い物籠を使わない人もいて、スムーズに清算が進んでいる、これは、早い!」
「河我投手の番になりました、河我投手、おもむろに何やら袋とカードを取り出し、店員にカードを差し出した、エコバックポイントだー!、スーパーの袋を使わない代わりに、ポイントが溜まる、自然にも、家計にもやさしいシステムだ!」
「河我投手、レジでの清算を終えて、スーパーを出ました、今度こそ自宅に向かうのでしょう、エコバックの荷物を徹君の傍らに固定して、再びランニングの体制に入りました」
「河我投手、ランニングに入りましたが、またまた、自宅とは、方向が違うようです、先ほどよりもハイスピードで走り出しました。」
「試合開始まで、1時間半を切っていますが、間に合うんですか?」と鶴岡アナウンサー
「そうなんですよ鶴岡さん、いくら球場は目と鼻の先だといっても、支度もありましょうから、いったんは自宅にもどると思いますが、引き続き、追いかけてみます」
「駅の向かい側に向かっております、こちら側にあるものとしたら、特売で有名な富一スーパーです」
「河我投手、富一スーパーに駆け込みました、こんどは、買い物籠も取らず、麺類の売り場に直行です、何と、本日の特売商品は、あの有名スパゲッティだ!、有名スパゲッティの値段をチェックしており、河我投手、有名スパゲッティをゲットしました」
「これで、献立は、トンカツのスパゲッティ添えに、レタスのサラダとなりました、なるほどー、本日の試合は、どうしても勝ちたい東部ジャガーズ戦です、東部・東・トン・トンに勝つ・トンカツです」一瞬の沈黙
「しかし、河我投手、初心貫徹といいましょうか、目的に邁進する実行力は、たいしたものです、そして、目的を達した達成感でしょうか、なんとも満足した笑みをうかべております、河我唯投手、かわゆい」カシャっとゆう音
「小意地アナウンサー、さっきから、時折、カシャっとゆう音が聞こえるのですが、なんの音ですか?」と鶴岡アナウンサーの声
「はあ、何か聞こえましたー、私には、分かりませんでしたが、河我投手、元来た道をランニングしております、さすがに今度は、自宅に向かう様です、再び、後を追ってみます。」
「そうですか、たしかに聞こえたんですが、それでは、小意地アナウンサー、引き続き河我投手の追跡を行って、次の目的地に着きましたら、状況をお知らせください」と鶴岡アナウンサーの声
「了解しました、追跡をつづけます」
「いままで、ベールに包まれておりました河我投手の、意外な一面が、今回の実況で、判明したようです、又、共稼ぎの若夫婦の、子育て・家計のやりくりの大変さについても、一石を投じるリポートになったのではないか?と思うしだいです。」考え深げな、鶴岡アナウンサーの声
「さて、ここで、ランニングの時間を利用して、河我投手のことを良く知る人物、河我投手のお父さんである、星野一徹さんのインタビューを事前に行いましたので、放送させていただきます。インタビューアーは、当社の女子アナウンサーの加賀御子です」
「千葉サテライト放送の加賀御子です、本日は、千葉ポセイドンズの河我唯選手のお父様でいらっしゃる星野一徹さんのご自宅にお伺いいたしまして、お話を聞いております、星野さんよろしくお願いいたします」と加賀アナウンサーの声
「こちらこそ、よろしくお願いいたします、唯の父の一徹です」と星野一徹の声
「まず最初に、お聞きしたいのは、やはり日本プロ野球界初の女性選手をお育てになりましたお父様に、何時頃から、プロ野球選手にしようと思われたのか、又、ご苦労されたこと等を、お願いいたします」と加賀アナウンサーの声
「そうですねー、もともと、唯は、あまり体が丈夫なほうではなかった、生まれた時も未熟児で、2200gで生まれましたから、又、3月生まれということもあり、幼稚園の時は、同じ歳では、小さくキャシャな体格だったんですよ、体を鍛えるためにと、わたしとキャッチボールを始めたのが切っ掛けでした、それが唯が野球をやりたいと自分で言い出して、リトルリーグの幕張ファイヤーズに入ったのですが、やたら早い球を投げるということで、投手として注目されました」
「投手としての実力が、認められたのですねー、でも、女性というハンデがありますが」と加賀アナウンサーの声
「わたしは漫画が好きで、唯の名前も、鬼面組という漫画の女の子からとったんですよ、特に好きだった漫画が、水島先生の野球狂の歌で、女性がプロ野球選手になる話を見て、これはありかなーと思ったしだいです。」
「漫画が切っ掛けですか?でもそれって、現実の話ではないですよねー、現にその頃は、プロ野球では、女子の登録は、できなかった訳ですし」と加賀アナウンサーの声
「そうですよ、でも何とかなるんじゃないかと思って、野球を続けさせたんですが、一番困ったのは、高校時代でしたね」
「プロ野球と同様に高校野球も女性の参加は、認められていませんから、これも何ともなりませんよねー」と加賀アナウンサーの声
「高校野球は、プロ野球以上に頭が固いやつらの集まりで、ちょっとした不純異性交遊や暴力事件でも、甲子園出場停止をする輩ですから、高校野球界は、唯を受け入れないだろうと思って、高校時代は、ソフトボールにしたんです」
「お父様のお考えには、少し偏見が入っているかもしれませんが、わたしも高校野球での女性の参加は、難しかっただろうと思います」
「そうなんだ、といっても、3年間のブランクは大きいから、ソフトボールをやらせたのさ、でも、ソフトボールの投手の投球方法は、野球とまったく逆なので、変な癖が付いたらいけないと思って、捕手にしたんだ。」
「でも、そのソフトボールでも、大活躍で、日本代表候補にまでなったとお伺いしましたが」
「あくまでも、目標は、プロ野球だったから、高校卒業とともに、ソフトボールは、やめたんだけど、ソフトボールも奥が深い様で、その後の唯の野球技術に活かされているようだなー」
「よく球団の入団試験が受けられましたねー、やはりその当時は入団試験の受験資格も、男性のみとなっていたと思うんですが?」
「あれは、一か八かだったなー、男装して試験受けたから」
「球団を騙したんですかー」
「抜群の成績で合格してから、実は女でしたといった時は、大騒動だったなー」
「他人事みたいにおっしゃいますが、仕掛けたのは、お父様じゃないのですか?」
「スコアラーの泥亀さんとスマイリー監督さんが唯を認めてくれて、入団をさせてくれて、本当に助かりました。その後も、公式戦の参加資格についても、プロ野球界をひっくり返したような騒ぎになってしまって、すべて野球を愛する皆様方の応援のおかげと感謝しております」
「最後は、他力本願だったんですか?」
「唯もわたしも、目標に向かって邁進する性格だから、なれると信じて努力しました、まあ、成せばなるということですねー」
「はあ、でも現実に唯選手は、女性プロ野球選手として、活躍されていますから、目標は、達成されたということですねー、では、次に唯選手のご結婚に付いてお聞きします、実は、わたしも、唯選手と同じ年ですが、同じ年の女性が結婚して、お子様がいて、共稼ぎをされていることについて、大変すばらしいと思う反面、大変だったのではと思うのですが」と加賀アナウンサーの声
「唯は、18歳で、目標だったプロ野球選手になり、新人王にもなっちまったから、目標がなくなったのかもしれませんなー、そこで、女の子の次の目標の、結婚を目指しちゃったんかなー」
「お父様は、反対されなかったのですか?」と加賀アナウンサーの声
「唯の名前をとった漫画鬼面組の女の子の苗字が、かわだったので、唯に運命の人だといわれて反対できなかったですわ、はっはっは」と笑いながらの星野の声
「また、漫画ですか、そんないい加減なー、でも、共稼ぎで、唯投手も大変なのでは?」
「幸い、時間的にも、子育て・家事には支障がない、時給はマックの数倍と高いパートが見つかったので助かった、と唯もスマイリー監督には、感謝しております」
「唯投手は、パート契約なのですか?」驚いた口調で、加賀アナウンサーの声
「他の野球選手も契約社員と同じようなものだからね、唯の場合は、外泊ができないから、ホームの試合だけとしたので、パート契約ですわ」
「そういわれれば、それしかできないように思いますが、パート契約だと、将来が不安ではないでしょうか?」と加賀アナウンサーの声
「時給制以外は、他の選手と同じ扱いで、契約も1年契約で、FAの権利もありますから、やれるところまでやって、ダメならマックもありますから」
「千葉サテライト放送の正社員になるため、学生時代から、放送会社でアルバイトして、コネを作って、先輩達のご機嫌をとって、やっと就職したのが、空しくなるお話ですね」と加賀アナウンサーの声
「君も若いのに、苦労しているねー、若いときの苦労は人生の肥やしになるというから、気を落とさず、これからも、がんばりなさい」
「ありがとうございます、というか、私の話しは、ここまでにして、唯投手のお話に戻します、それでは、最後に、唯投手に向けて一言おねがいいたします」と加賀アナウンサーの声
「唯、目指せ時給アップ」
「本日は、ありがとうございました、千葉ポセイドンズの河我唯投手のお父様の星野一徹さんでした」
「河我投手のお父さんのインタビューでした、ひとつの目標に向けて、親子が一緒になって努力をした、心温まるお話でした。しかし、河我投手がパート契約とは、驚きの事実が、判明いたしました、ところで、そろそろ、河我投手もご自宅に到着するころかと、リポータの小意地アナウンサーを呼んでみましょう、小意地アナウンサー」と鶴岡アナウンサーの声
「はい、小意地です、河我投手の後を追ってきまして、只今、河我投手は、自宅近くまで、戻ってきております、只今の時間は、17:30です、もう他の選手は、球場入りを済ませている頃と思いますが、おーと河我投手、自宅近くで、公園に入りました、近所の主婦が、子供を連れて集まっております、河我投手は、徹君を砂場に置いて、主婦の群れの近くに座りました、それから、なんと、ストレッチを始めました、これも予定の行動のようです」
「主婦達も河我投手に気づいて取り囲みながら、話出しました、なんと、ストレッチしながらの井戸端会議だー、今のところ、河我投手は、球場に向かう気はなさそうです、今日は、出場しないのでしょうか?」
「只今、今夜の東部戦のベンチ入りのリストが発表されました、投手枠にて、河我投手の登録がされておりますので、出場する事は確実です、本日の東部戦は、首位を独走する東部に負け越して2位に付けている我千葉ポセイドンズにとって、勝率を五分にし、今後の戦いを占うにも、重要な一戦です」
「先発は、今一番安定している防御率1点台の織田投手ですので、1点勝負になることが予想され、リリーフの出来次第で、勝負のいくえが決まる一戦となる公算が高いといえます」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手、先ほどらいのランニングを見る限り、体調は良いと思われ、活躍が期待されます。おーと、ここで、河我投手、ストレッチが終わった模様です。徹君を呼んで、公園の主婦達にお別れのご挨拶をしております、そのあと、徹君の手を引いて歩いて自宅に向かうようです、この後の東部との激戦を思うと、まさに嵐の前の静けさといった風景です」と小意地アナウンサーの声、カシャっとゆう音
「小意地アナウンサー、いまたしかに、カシャっとゆう、カメラのシャッター音がきこえました、カメラマンが同行しているのですか?撮影許可は、取ってませんよ」と鶴岡アナウンサーの声
「いやー、実は、私は、新人の頃からの、河我投手ファンでして、つい、携帯電話のカメラで、写真を撮ってしまいました」と小意地アナウンサーの声
「小意地アナウンサー、これは、ラジオの実況放送です、パパラッチのようなことは、やめて下さい、お願いいたします」と鶴岡アナウンサーの声
「えー、すいません、自粛します、さて、そろそろ、河我投手のご自宅アパートが、見えてきております、一度、自宅に戻って、球場に向かうつもりでしょうか?あーと、突然お隣の家ドアが開きました、中から現れたのは、パンタロンのパンツの上は、トラ柄のワンピースといういでたちの40代の女性です、これは、噂に聞く関西は、大阪地区に多く分布している、おばちゃんという種族かー?」
「何ですか、その日本人ではないような表現は、でも、トラ柄のワンピースとは、閑静な住宅街には、不釣合いな格好とは思いますが」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手が、お隣さんに呼び止められた、手には何やらボードを持っております、あれは、回覧板かー、お隣さんは、回覧板を手渡しながら、河我投手に矢継ぎ早に話しかけている、かなり話し好きのおばちゃん族の様です」
「もう18:00を過ぎております、河我投手、おばちゃんの長話に付き合っている時間は、無いと思いますが」と鶴岡アナウンサーの声
「そうですねー、こちらから見ても、さすがに河我投手も、困っているようです、おーと突然徹君が、河我投手と手を繋いだまま、自宅に向かって走り出しました、それにあわせて、河我投手も自宅に引っ張られて、おばちゃんの話が途切れてしまった、間髪を入れずに、河我投手、おばちゃんに挨拶して、自宅に向かった、徹君ファインプレイです」
「おばちゃん、話し相手がいなくなって、周りをキョロキョロと見ている、ああーと、つい、おばちゃんと目が合ってしまった、おばちゃんが、こちらに向かってきました、これは、大変まずいことになりそうです」
「あんたー、何してんのー、あんた、さっきからマイクもってこの辺をウロウロしてたやろー、おばちゃんなー、家からみてたんやでー」とお隣のおばちゃんの声
「あんたーリポーター屋さんやろ、カメラは、どこにあんの」
「いえ、これは、ラジオの番組ですので、カメラはありません」と小意地アナウンサーの声
「なんやーラジオかいな、一張羅のワンピース着てきて損したわ、まあええわ、これもなんかの縁や、特別になんでも聞いてーや、こたえるさかい」
「おばちゃんなー、こうみえても、大阪出身やねん、おとうちゃんの仕事で、千葉くんだりまで、来てもうたんやけど、住んだら都やねー、おばちゃん、ここが気に入ってもうたわ、近所の人もちょっと無口やけどいい子達やし、さっきおばちゃんと話してた子なー、若くてかわいいやろー、でも子持ちでなー、じつは、どうも夜のお仕事してるみたいやねん、あーしゃべってしもうた、あんた、聞き上手やなー、今のは、内緒やでー」とおばちゃんの声
「そうですか、あの人は、夜のお仕事ですか、いつもは、何時頃お出かけするんですか?」と小意地アナウンサーの声
「そんなん、知らんわ、わてかて夕方は、メッチャ忙しいねん、でも、この辺は、夜中は、静かやから、隣の原付の音で、夜中に帰ってくるのは分かるんや、でも何でそんなこと聞くねん、あんたー、怪しいなー、携帯電話で、写真撮ってたやろ、リポーター屋の振りして、下見にきたんちゃうかー、携帯電話みせてみーや」
「いえいえ、決して怪しい者ではありません、千葉サテライト放送の小意地というアナウンサーです、鶴岡さん、一旦マイクをお返しします」
「現場が騒然としていますので、一旦マイクを、戻しまして、球場よりお送り致します」と鶴岡アナウンサーの声
「只今、18:20です、我千葉ポセイドンズの、スターティングメンバーが、発表されましたのでお伝えします、一番ショート沖田、二番サード土方、三番ライト近藤、四番DH坂本、五番レフト勝、六番センター服部、七番ファースト竹中、八番セカンド大蔵、九番キャッチャー西郷という布陣です、先発ピッチャーは、予想通り、織田投手となっており、東部の先発の明智投手との、投手戦が、期待されます」
「あと10分あまりで、試合開始となりますが、河我投手は、まだ自宅にいるようです、小意地アナウンサー、河我投手の様子はいかがですか?」と鶴岡アナウンサーの声
「やーと、おばちゃんを排除いたしました、マイクが局にもどったとたん、『なんやーもうしまいかいなー』との捨て台詞をいって、自分の住処に戻っていきました」と小意地アナウンサーの声
「河我投手は、自宅にもどっており、出かける様子は、見られません、あーと、河我投手の自宅前に背広姿のサラリーマン風の男が立ちました、何かの訪問販売員でしょうか?」
「サラリーマン風の男が、玄関のブザーも押さずに、ドアを開けた、これは、強引だ!」
「近くに寄って見ます」と小意地アナウンサーの声
「ただいま」と男の声
「お帰りなさい」と河我投手の声
「パパー、お帰りなさい」と徹君の声
「なんと、サラリーマン風の男の正体は、河我投手の旦那さんでした」と小意地アナウンサーの声
「あなたー、夕飯の用意ができるまで、徹君の相手をしててー」と河我投手の声
「ああ、徹、こっちにおいで、ママがお料理するから、パパとあそぼー」と男の声
「今日は、なに」ふたたび、男の声
「トンカツに、あなたの好きな、スパゲッティーよ、あの有名スパゲッティを奮発して、買っちゃったのー、でも、スーパーの特売だったから・・・・」と河我投手の声
突然ブザー音
「小意地アナウンサー、家の中での声を放送するのは、プライバシー的に問題です、後で、問題になりますから、十分気をつけてください」と鶴岡アナウンサーの声
「いよいよ、試合開始の時間です、今、審判が、プレイボールを行いました、ここからは、野球解説者、元大リーガー投手の野村豊さんに、加わって頂き、試合の実況とリポートを平行して、お送りいたします、野村さん、よろしくお願い致します」と鶴岡アナウンサーの声
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」と野村解説者の声
「早速ですが、野村さんからみて、今日の一戦の見所などをお願いします」
「そうですね、東部ジャガーズは、私が大リーガーに行く前にプレイしていた頃から、名実共に、日本プロ野球界の頂点に立つ球団ですから、千葉ポセイドンズが、如何に食い下がっていけるか、というところでしょうか」と野村解説者の声
「食い下がる!、今期両者は、千葉ポセイドンズの3勝4敗1引分と略互角の戦跡ですから、実力は、拮抗していると思うんですが、それでは、実況を始めます、18:30分、千葉ポセイドンズ対東部ジャガーズの7戦目が、開始されました」
「千葉ポセイドンズの先発は、織田投手、東部ジャガーズの一番、センターのイチローが、打席に立ちました、織田選手、第一投目・・・、投げました・・・、イチロー選手、打ちました、これは大きい当たりです、打球は、センター方向に飛んでいきます、大きい、大きい、入りました、打球は、バックスクリーンに直撃です、東部イチロー、先頭打者ホームランです」と鶴岡アナウンサーの声
「いやー、織田選手、打たれました、イチロー選手、ゆっくりと、ダイアモンドを一周しております、東部、一点先取いたしました」
「真ん中低目の難しい球でしたが、さすが東部の一番打者、良く打ちました、東部の打者は、他球団に行けば、四番を打てる打者ばかりですから、何処からでも、点が入ります」と野村解説者の声
「織田投手は、立ち上がりが悪い選手ですが、これは、波乱の幕開けとなりました、この調子ですと、いよいよ、河我投手のリリーフが、ありそうですが、小意地アナウンサー、河我投手の状況は、如何でしょうか?」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手が出かける様子は、まったくありません、あーと、ひょっとして、いやそうですよ、鶴岡アナウンサー」と小意地アナウンサーの声
「なにが、そうですよですか?」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手は、野球ファンの中では、『8時半の女』と呼ばれていますよね、押さえのリリーフ専門の河我投手は、いつも、8時半を過ぎないと出てこないから、誰とも成しにそう呼ばれるようになったのですが、河我投手の、今日の行動は、8時半の出番に合わせているのではないでしょうか」と小意地アナウンサーの声
「そういわれてみれば、そうかもしれません、いや、そのとおりだと思います、特に、河我投手は、時間給のパート契約ですから、球団も、そのほうが、安上がりですから、これで、いままでの、河我投手の行動が納得できます」と鶴岡アナウンサーの声
「しかし、試合は東部の猛攻が続いております、織田投手は東部二番のジロー選手にストレートのファーボールを与えた後、三番サブロー選手にファールで粘られ、そのあと、センターに2塁打を打たれ、現在、ノーアウトで、2・3塁となっています」と鶴岡アナウンサーの声
「織田投手、三塁ランナーを見ながら、東部四番シロー選手に対して、第一球のモーション、投げました、ボール、外角大きく外れました、ボールカウント、ノーストライク・ワンボールです」
「続きまして、織田投手、三塁ランナーを見ながら、東部四番シロー選手に対して、第二球のモーション、投げました、打ちました、ボールは、レフト方向大きい、レフト勝、懸命にバックしますが、これは、見送った、ホームラン、東部シロー選手のスリーランホームランが出ました」
「織田投手、又撃たれました、いきなりの4失点は、千葉ポセイドンズにとって、最悪の試合展開です、野村さんからみて、織田投手のデキは、如何ですか?」と鶴岡アナウンサーの声
「そんなに悪くは無いと思います、むしろ、打った東部の各打者が、上手いという事です、東部の打者は強打者揃いですから」と野村解説者の声
「試合は、一回表から、白熱しておりますが、小意地アナウンサー河我投手の様子は、如何ですか?」と鶴岡アナウンサーの声
「先ほどまで、台所の明かりが点いており、トンカツを揚げる音が聞こえておりましたが、出来上がった様です、今はリビングの明かりが点いており、一家水入らずで夕食を食べているようです、千葉ポセイドンズのピンチを知らないのか、時折、笑い声も聞こえております、依然河我投手が球場に向かう様子は、全く見られません」と小意地アナウンサーの声
「長い一回の攻防が終わりました、いきなりの4連打で、4得点を献上した織田投手でしたが、その後の打者を、セカンドゴロ・センターフライ・ライトフライに討ち取りました」と鶴岡アナウンサーの声
「その裏、我千葉ポセイドンズの反撃が期待されましたが、明智投手の打者心理の裏を突く、巧みな投球の前に、三者凡退となっております」
「一回の両軍の攻防が、終わったところで、試合開始前に千葉ポセイドンズのスマイリー・オハラ監督に加賀アナウンサーがお話を聞いておりますので、お伝えしたします」と鶴岡アナウンサーの声
「スマイリー監督、試合直前ですが、本日の一戦の意気込み等、お聞かせください」と加賀アナウンサーの声
「い・き・ご・み、オーWait、ちょっと待ってください」とスマイリー監督の声
「Eagerness、はい、選手も私も、todayは、very Importance 重要な戦いだと、熱くなっています東部ジャガーズは、Season初めから、topです、catches up追いつく為には、3連戦のThe first match初戦を勝つことが重要です」
「スマイリー監督、今日の一戦で、勝つためには、何が重要と、思われますか?」と鶴岡アナウンサーの声
「はい、千葉ポセイドンズは、Unique個性的な選手が多いですが、皆、自分のPart役割が分かっています、皆のAbility能力がforms a partnership組み合えば、大きな力になり、きっと勝つと思います」
「大変力強いお話が聞けて、ファンは、喜んでいることでしょう、是非頑張って下さい、ところで、先ほどから、話しながら、操作されているのは、何ですか?」と加賀アナウンサーの声
「私は、皆さんとお話しするのが好きです、選手とも、よく話します、でも、私のFeelings気持ちを、正しい日本語でExpression表現するの、大変難しいです、Interpreter通訳の人も、Always何時も一緒でないので困っているとMrs唯に話したら、秋葉で安かったからと翻訳機、買って来てくれました、安心して、お話できるようになりました」とスマイリー監督の声
「河我投手の贈り物ですか、そういえば、河我投手が居ないようですが?」と加賀アナウンサーの声
「大丈夫です、Mrs唯は、大変良く、自分の役割をunderstands分かっています、心配無しです」
「試合前の、お忙しいところ、お話いただきまして、ありがとうございます、スマイリー・オハラ監督でした」と加賀アナウンサーの声
「試合前のスマイリー監督のお話でした、試合前、スマイリー監督は、勝利への意気込みをお話されていましたが、試合の方は、二回表の東部の攻撃にて、織田投手、ツーアウト後、一番のイチローにレフト前ヒットを打たれ、無念の降板となりました、只今中継ぎ投手の羽柴投手が、二番ジロー選手と対しております、羽柴投手第一球目のモーション、投げました、外角高めに外れて、ボール、ノーストライク・ワンボールです、羽柴投手第二球目のモーション、投げました、打ったー、打球はライト方向に高―く上がって、ライト上段に入りました、ホームランです、代わった羽柴投手も、東部のホームラン攻勢にあい、得点は、6対0となってしまいました」と鶴岡アナウンサーの声
「東部ジャガーズらしい、ホームラン攻勢ですなー、東部の一番から五番までの各打者は、他球団で、四番を打っていた推定年俸一億円以上のプレイヤーです、一億円打線は、ホームランで点が取れるから、ヒットが繋がらないと点が取れない、他球団と違い、各選手の力を合わせてなんて、関係ありません」と野村解説者の声
「たしかに、本日の千葉ポセイドンズのスターティングメンバー全員の推定年俸より、東部の一番から五番の選手の推定年俸の方が多いですから、今日の試合は、千葉ポセイドンズの総合力対東部各選手の個人力の戦いといっても良いようです」
「試合の方は、その後、羽柴投手、打たれながらも要所を締める投球で、追加点を許さず、試合は、只今、四回まで進んでおります、試合が、中盤に入りましたが、ここまでの試合の感想を野村解説者にお願いします」と鶴岡アナウンサーの声
「球界最強の東部の一億円打線の攻撃に、一時は、コールドゲームかと思いましたが、2失点はしたものの、球界最高齢の羽柴投手、ベテランの技で東部の猛攻を、上手くかわしているようです、羽柴投手は、大学時代の2年先輩ですが、スタミナ的にこのまま、いつまで、東部の猛攻をかわせるかは疑問ですねー」と野村解説者の声
「東部の明智投手のピッチング内容は、如何ですか?」と鶴岡アナウンサーの声
「ボールを低めに集めて、持ち前の頭脳的なピッチングです、味方に大量点を貰って、余裕の投球をしています、球数も少なく、完投ペースです」
「ここまでのところ、試合の流れは、東部に圧倒的有利に動いていますが、流れは、ちょっとした切っ掛けで変わることもあります、千葉ポセイドンズとしては、何とか反撃の機会を見つけたいところです」と鶴岡アナウンサーの声
「鶴岡アナウンサー、小意地です、只今19:30分、どうやら、『8時半の女』が球場に向かうようです、玄関の電気が点き、おーと、今、ドアが開いて、黒のレーシングスーツにフルメットを持った河我投手が、現れました、旦那さんと徹君が見送っている、河我投手は、玄関横に置いてある原付に向かいました」と小意地アナウンサーの声
「いよいよ、出陣のようですね、小意地アナウンサー、引き続き、実況を続けてください」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手、原付に乗って、出かけました、私も、すぐ後を追いかけております」
「河我投手、原付の制限時速30kを守っての、安全運転をしております、この調子だと、河我投手球場までは、15分位で、到着すると、思われます」
「リポート有難う御座います、さて、試合の方は、症候状態に入っており、両軍ヒットは出て、スコアリングポジションに駒を進めては、決定打が無く、5回が終わって未だ6対0の状態です、千葉ポセイドンズとしては、ここらで、1点でも・2点でも点を入れて、後半に、期待を持たせたいところです」と鶴岡アナウンサーの声
「東部明智投手は、打たせては要所を締める投球で、隙がありませんなー、対して羽柴投手は、ロングリリーフになってますから、東部の打線に捕まるのは、時間の問題でしょう、3番手、4番手の投手の準備が必要です、河我投手も敗戦処理には、間に合うでしょう」と野村解説者の声
「千葉ポセイドンズの敗戦が決まったようなお言葉ですが、まだ、千葉ポセイドンズの選手も、ファンも、諦めては居ないと思います、小意地アナウンサー、球団には、球場内での河我投手のインタビューの許可を取ってますので、河我投手が、球場内に入りましたら、突撃インタビューをお願いいたします」と鶴岡アナウンサーの声
「了解しました、今、私も、河我投手の原付の後を追って、球場の駐輪場に着きました、河我投手が、関係者入り口から球場内に入ろうとしておりますので、一緒に入って、インタビューを試みます」
「急いでください、余り時間はないでしょうから」
「河我投手、千葉サテライト放送の小意地ですが、お忙しいところ、少しお話を、聞かせてください」と小意地アナウンサーの声
「すみません、ちょっとだけ、待ってて」と河我投手の声
「河我投手のインタビューを行おうとしましたが、やはり、忙しい様です、何処へ行くのでしょうか?うーん、なるほど、皆さんも出勤したら必ず行くところ、タイムカードです、時給の河我投手としては、一刻を争う事でした」と小意地アナウンサーの声
「どうも、小意地さん、お待たせしました、今日はどうしたんですか、夕方から、私んちの方で、うろうろしてたみたいだったけど、試合の放送も掛け持ちですか?」と河我投手の声
「今日は、特別企画で、河我投手の様子を、放送させていただきました、ところで、今日の東部戦ですが、今、千葉ポセイドンズは、5回を終わって6対0と大量リードをされてますが、河我投手の意気込みなど、聞かせてください」と小意地アナウンサーの声
「えー、負けてんだ、ちっとも知らなかった、今日は、織田さんが先発だって、張り切ってたから、出番がなくて、楽できると思ってたのにー」と河我投手の声
「これからの、反撃しだいでは、まだまだ、分かりませんが」と小意地アナウンサーの声
「そうよねー、今期、うちの打撃陣は、調子良いから、まだまだ、分からないよねー、応援してくれるファンの為にも、頑張りまっす」と河我投手の声
「河我投手、アナウンサーの鶴岡です、16:00よりリポートさせていただきましたが、調子は、良さそうですね」と鶴岡アナウンサーの声
「はい、調子は良いです、今日投げることがあったら、頑張りまっす」
「でも、ランニングでは、予定外に、駅向こうまで、走ったりしてた様ですが、スタミナは、大丈夫ですか?」
「えー、そんなことまで、知ってんですか?あんなことは、しょっちゅうですから、大丈夫ですよー」
球場内の観客の歓声が、時折、大きく聞こえてきている、突然、男の声が入ってきた。
「河我投手、スマイリー監督から、直接ブルペンに入るようにとの連絡がありました」
「はーい、今行きます、すみません、お呼びが掛かったので、行きますねー」と河我投手の声
「では、活躍を期待してます、河我投手でした」と小意地アナウンサーの声
「鶴岡です、試合が動き出しました、6回裏、千葉ポセイドンズの反撃です、2アウトながら、四番坂本選手のソロホームランが飛び出しました、これで、6対1とその差は、5点となりました」
「これで、試合の流れが、我千葉ポセイドンズに変われば、この試合は、分からなくなります、小意地アナウンサー、引き続き、河我投手に密着して、ブルペン情報をお伝えください」と鶴岡アナウンサーの声
「1点では焼け石に水の感はありますが、ここは、東部も追加点が欲しいところです、ラッキーセブンのこの回は、一億円打線から始まりますから、駄目押し点が入るのではないでしょうか?」と野村解説者の声
「さて、7回表の、東部の攻撃をお伝えします、この回は、一番イチローからの好打順です、羽柴投手、東部の一番イチローに対し、一球目のモーション投げました、打ちました、打球は、三遊間をゴロで抜けて、レフトに転がりました、ヒットです、東部ノーアウトのランナーが出ました」
「さすが、東部の選手は、打つべき時に、打ちますね、羽柴投手の誤魔化し投球も、通じなくなりました」と野村解説者の声
「続きまして、東部は二番ジロー選手です、羽柴投手、一塁のイチローを牽制しながら、第一球目のモーション、投げました、ボール、外角に外れました、ジロー選手微動だにせず、見送りました、ボールを良く見ております」
「続きまして、羽柴投手、一塁のイチローを牽制しながら、第二球目のモーション、投げました、打ちました、打球は、三塁方向に転がりました、サード土方前進して取った、二塁は間に合わない、一塁に送ってアウト、これで、ワンアウト二塁となりました、ヒットエンドランが掛かっていた為、ダブルプレイには、なりませんでした」と鶴岡アナウンサーの声
「スコアリングポジションにランナーを置いて、クリーナップに打順が回りましたので、大量点、悪くても追加点の場面です」と野村解説者の声
「こちら、ブルペンの小意地です、河我投手の投げ込みが、急ピッチに進んでおります、河我投手、最初から、キャッチャーを座らせて、持ち前の速球を既に20球ほど、投げ込みました」と小意地アナウンサーの声、ボールがキャッチャーミットに入る音が、大きく聞こえている。
「羽柴投手、東部三番のサブロー選手に対し、ボールが先行して、ノーストライク・ツーボールとして、第三球目のモーション、投げました、打ったー、これは大きい、打球は、センター方向に飛んでおります、センター服部選手、懸命にバックし、フェンスによじ登りました、取ったー、服部選手、ホームラン性の打球を、フェンスに登って、掴み取りました、アウト、これは、大ファインプレイがでました」
「ブルペンの小意地です、いよいよ、河我投手、登板の様です、今、ベンチより連絡が入り、マウンドに向かって走り出しました、時計は、20:30です、『8時半の女』の出番です」
「スマイリー監督、選手交代を、審判に伝えております、河我投手が、ブルペンから出てきました、リリーフエースの投入です」と鶴岡アナウンサーの声
「目先を変えて、東部打者の攻撃をかわす作戦でしょうが、さっき球場に着たばかりのパートの子に抑えられるほど、東部打者は、甘くはありません、狼の前に羊を放したようなもので、恰好の獲物となるのが堕ちでしょう」と野村解説者の声
「四番シロー選手を向えたところで、スマイリー監督は、ロングリリーフとなった羽柴投手から、河我投手に交代です、河我投手、ツーアウト二塁の場面で、東部四番シロー選手に対し、第一球目モーション、投げました、ストライク、真ん中低めに、ストレートが決まりました」
「続きまして、河我投手、第二球目のモーション、投げました、空振りストライク、内角高めのストレート、シロー選手のバットは、空を切りました」
「河我投手、早いテンポで、投球を行っております、第三球目のモーション、投げました、ストライク、今度は、外角低めの球、シロー選手、見送って三球三振、河我投手、羊どころか、ライオンの様に、狼の前に立ちふさがりました、小さくガッツポーズをして、ベンチに向かいました」
「見送った!,何してんだ、振らなきゃ、当たるもんも当たらないじゃないか!」と野村解説者の声
「千葉ポセイドンズの7回裏の攻撃は、六番服部が、内野ゴロを持ち前の俊足で、内野安打にして出塁、続く七番竹中ピッチャー横を抜けるヒットで続き、イーアウト1・2塁とし、八番大蔵は、自らも生きようとしたバントでしたが、鹹くもアウト、しかし、送りバントの形になり、2・3塁に、それぞれ進塁しました、九番西郷は、ファールで粘った後に、ファーボールを選び、ワンアウト満塁となりました」と鶴岡アナウンサーの声
「野村さん、千葉ポセイドンズが、追加点のチャンスとなりましたよ」
「内野安打とピッチャーゴロとファーボールですから、たまたま、幸運が続いたというところです、東部は、落ち着いて守りたいところです」
「さて、打順は、トップに戻って、一番沖田選手です、東部ピッチャー明智、沖田に向かって、第一球のモーション、投げました、ボールは、外角に逃げる球で、ボール、続きまして、第二球のモーション、投げました、沖田選手打ちました、詰った打球は、ライト方向に向かっています、これは、ライト前に落ちそうだ、三塁ランナー・二塁ランナー続いてホームに向かいます、今三塁ランナーホームイン、ボールは、ライトから、キャッチャーに返球されてくる、クロスプレイだ、セーフ、打ったランナーは、この間に二塁に達しています、沖田選手のタイムリーがでました、千葉ポセイドンズ、2点を返しました、これで、6対3と3点差になりました」
「ライトが深く守りすぎなんだよ、ライトフライが、タイムリーになったじゃないか、やらなくてもいい点だったのに」と野村解説者の声
「千葉ポセイドンズの攻撃が続きます、バッターは、二番土方、東部明智投手、第一球のモーション、投げました、打ったー、打球は、レフト方向に飛んでいます、これは、犠牲フライになるか、三塁ランナー、タッチアップの体勢から、今、ホームに向かいました、ボールは、中継のショートに返っただけ、ホームイン、またまた、追加点が入りました、千葉ポセイドンズ、6対4と東部に詰め寄りました」と鶴岡アナウンサーの興奮した声
「千葉ポセイドンズは、各選手の持ち味が、でてきているようです、あーと、三番近藤の打球は、サードを強襲しましたが、東部の巧手に阻まれて、スリーアウトになりました」と鶴岡アナウンサーの声
「8回表、東部の攻撃は、五番ゴロー選手からです、千葉ポセイドンズの投手は、『8時半の女』河我投手です、河我投手、ゴロー選手に対して、第一球のモーション、投げました、ボールは、真ん中低めに決まって、ストライク、ワンストライク・ノーボールです」
「続いて、河我投手の第二球目のモーション、投げました、ストライク、速球が外角低目に決まりました、続いて、第三球のモーション、投げました、フォークです、ゴロー選手タイミングが合わず、空振り、三球三振です、河我投手、最初から飛ばしています、持ち前の速球とフォークで、上手く緩急を付けています」と鶴岡アナウンサーの声
「河我投手、本日も、速球に切れがあるようです、手元でぐぐっと伸びてくるボールで、只今、東部六番ロクローを内角高めややボール気味の球で、空振りに、仕留めました、ソフトボールのライジングボールの様な、打者手前から更に、浮き上がる様な球でした」
「続いて、七番ヒチロー選手に対して、第一球のモーション、投げました、打ちました、これは、ぼてぼての内野ゴロ、ショートが取って、ファーストに送球し、スリーアウトチェンジ、危なげのない投球で、河我投手、東部の8回表の攻撃を三人で終わらせました」と鶴岡アナウンサーの声
「いやー、東部の打者も下位打線は、少し攻撃力が落ちますから、何とか抑えられたというところです、まだ2点も差がありますから、攻撃が甘くなっているのかなー」と野村解説者の声
「河我投手の好リリーフで、試合の流れは、完全に我千葉ポセイドンズになりました、ここで一気に、逆転したいところです、8回裏の攻撃は、先ほど反撃の狼煙となるホームランを打った、四番DHの坂本選手からと好打順です」と鶴岡アナウンサーの興奮した声
「東部のピッチャーの交代です、好投を続けていた明智投手に変わり柴田投手が、マウンドに上がりました、柴田投手、坂本選手に対して、第一球のモーション、投げました、内角低目の球、坂本選手見送りまして、ストライク、ワンストライク・イーボールです」
「続きまして、柴田投手の二球目のモーション、投げました、外角高めのカーブ、少し外れて、ボール、ワンストライク・ワンボールです、坂本選手、球を良く見ています」
「柴田投手、三球目のモーション、投げました、打ちました、打球は、一二塁間を抜けていきました、坂本選手の、本日3本目のヒットで、ノーアウト一塁となりました」
「ここで、迎えるバッターは、五番勝選手です、ここは、何としても繋いで行きたいところです、柴田投手、勝選手に対して、第一球のモーション、投げました、おーと、坂本選手走りました、キャッチーが二塁手に送球したが、セーフ、めったに走らない坂本選手の盗塁が決まりました、これは、驚きました、東部柴田選手の隙をついて、好走塁にて、ノーアウト二塁となりました」
「鈍足の坂本に走られるなんて、バッテリィー何やってんだー、ちゃんとけん制しとけよ」と呟き声
「続きまして、柴田投手、五番勝選手に対して、第二球のモーション、投げました、打ちました、ショート強襲のゴロ、ショートとって、二塁の坂本選手を見てから、一塁に、送球して、ワンアウトとなりました、しかし、先ほどの、盗塁が好をそうしました、ランナーが一塁のままでしたら、ダブルプレーで、一挙にツーアウトになっていたところです」と鶴岡アナウンサーの声
「続きまして、千葉ポセイドンズの打者は、先ほど東部三番サブロー選手のホームラン性の当たりをアウトにした、服部選手です、柴田選手、第一球のモーション、投げました、打ちました、打球は、三遊間をゴコで抜けていきます、とうとう、同点のランナーがでました、ホームランがでれば、一打逆転の場面です」
「選手の交代をお知らせいたします、千葉ポセイドンズの七番ファースト竹中に変わりまして、武田背番号22番となります」と場内アナウンサーの声
「スマイリー監督は、勝負に出ました、代打の切り札、武田の登場です」と鶴岡アナウンサーの声
「柴田投手、大きく息を吸い込みました、代打武田選手に対して、第一球のモーション、投げました、真ん中低目の速球ストライク、ワンストライク・ノーボールです」
「続いて第二球目のモーション、投げました、打ちましたが、これは、一塁側スタンドに入るファールです、武田選手、ツーストライク・ノーボールと追い込まれました」
「続いて第三球目のモーション、投げました、打ちました、打球は、キャッチャーの上を越えて、ファールとなりました、今の球は、ボール気味の球でしたが、武田選手、良くあてました」
「柴田投手、ツーストライク・ノーボールと追い込んでの四球目のモーション、投げました、打ちました、打球は、ライト方向に飛んだ、これは大きいぞ、しかし、ライトのポールに向かって飛んで行きます、ファールか、ホームランかー、審判の手が大きく回った、ホームランだ、武田選手打ちました、値千金の代打逆転スリーランが出ました、三塁ランナーに続いて一塁ランナーがホームに帰ってきました、打った武田選手は、ゆっくりと、ガイヤモンドを回っております、おーと、二塁を回ったところで、ガッツポーズがでました」
「やりました、武田選手、我千葉ポセイドンズ、前半の6失点を、後半の反撃にて、とうとう8回の裏、逆転に成功いたしました、打線が繋がりました、あとは、河我投手が9回の東部の攻撃を、如何に阻止するかに掛かってきました!」と鶴岡アナウンサーの叫び声
「野村さん、ついに、千葉ポセイドンズが東部ジャガーズに食い下がり、逆転しましたが」
「今のファールじゃないの、ホームランかー、ちぇついてねーなー、楽勝の試合が、なんてこった」と野村解説者の呟き声
「野村さん、解説をお願いします」
「はい、逆転はされましたが、まだ、9階の表が残っております、東部は、二人塁に出れば、一億円打線に回ってきますから、再逆転、悪くても同点にして、延長戦に持ち込みたいところです」
「試合は、9回表、東部の攻撃になっております、先頭打者は、八番ハチローです、河我投手キャッチャーのサインに頷いて、第一球のモーション、投げました、ストライク、この回も、速球から入りました、続いて、第二球のモーション、投げました、おーっと、これは、先ほどとうってかわっての超スローボール、ハチロー選手、タイミングを外され、空振りです、河我投手、スローボールも投げられるということは、制球力があると言う事ですねー、安心して、見てられそうです」と鶴岡アナウンサーの声
「ブルペンでも、何球かは、スローボールを投げていましたので、この回、使ってみたのでしょう」と小意地アナウンサーの声
「河我投手、ハチロー選手に対して、最後は、フォークボールにて、見逃し三振として、討ち取りました」と鶴岡アナウンサーの声
「選手の交代をお知らせいたします、東部九番のクロー選手に変わりまして、上杉選手、背番号19番となります」と場内アナウンサーの声
「さあ、東部も代打の切り札、上杉選手が登場です」と鶴岡アナウンサーの声
「上杉選手は、ここ一番でホームランが打てる好打者です、東部としては、ここで、再び同点として、上位打線に繋ぎたいところです」と野々村解説者の声
「河我投手、ぽんぽんと内角・外角低めにストライクを取りました、続いて第三球目のモーション、投げました、ストライク、バッターアウト、河我投手、内角高めのホップする速球にて、空振り三振に討ち取りました、ツーアウトランナー無しとなりました」
「何やってんだ、こんな小娘の球に空振りかよー、天下の東部の名が廃るぞ!」と野村解説者の声
「千葉ポセイドンズのファンから、『あとひとり』コールが興っています、河我投手、これまで、打者6人に対して高めのホップする球、低めの速球、超スローボール、フォークボールと高低・緩急を織り交ぜた投球で、ノーヒットに抑えております、しかし、東部の打順は、一番に戻って、本日、先頭打者ホームランを打っているイチロー選手です」
「東部自慢の一億円打線ですから、ここは、イチローが何とかしてくれるでしょう」と野村解説者の声
「千葉ポセイドンズ対東部ジャガーズの第7戦も、大詰めとなりました、一億円打者対時給投手の対決で、この試合の勝敗が決定いたします」
「河我投手、イチロー選手に対し、第一球目のモーション、投げましたー、ストライク、真ん中高めのライジングボールです、河我投手、続いて第二球目のモーション、投げましたー、空振り、フォークボールに、イチロー選手タイミングが合いませんでした」
「河我投手、後ろを向いて、守っている野手の方に両手を上げました、大きく息をして、再び、打者に向き合いました、河我投手、第三球目のモーション、投げましたー、ストライク、本日最速と思われる速球が、真ん中低目に決まりました、河我投手、東部ジャガーズのイチロー選手を三球三振にとりました、スリーアウト、試合終了です、時給投手が一億円打者をねじ伏せました、おーと河我投手のガッツポーズが出ました、本当に、うれしそうです」と鶴岡アナウンサーの声
「やりました、我千葉ポセイドンズ、首位東部ジャガーズに逆転勝利です、これで、対戦成績を五分にし、首位東部との差は、2ゲームと縮まりました」
「野村さん、白熱した試合で、ファンの皆様も、満足している事と思いますが、本日の試合を振り返って、一言いただけますでしょうか?」
「あーあ、勝ってた試合を落としてちゃったよー、まあ、ホームランもヒットの数も、東部の方が多いから、良しとするか」と野村解説者の声
「しかし、自慢の一億円打線が、河我投手に、ノーヒットに抑えられました、明日も千葉ポセイドンズのホームの試合ですから、河我投手が出てくると思いますが、何か対策は、ありますか?」と鶴岡アナウンサーの声
「場外リポートを聞いてて、今日は来ねーと思って安心してたのに、あんなに早くでてくるとはなー、投球がスピード違反なんだから、来る途中で、警察のネズミ捕りにでも引っかかれば、遅刻してたのに」と野村解説者の声
「はあ、とても根本的な対策とは思えません!、もっと根本的な対策などをお聞きしたいところですが、そろそろ放送時間が無くなってまいりました、解説の野村さん、有難う御座いました」
「本日は、特別企画として、試合前の河我投手の様子から、お伝えいたしました、その河我投手の活躍もあり、我千葉ポセイドンズの勝利をお伝えして、今夜の放送は、終了させていただきます、又の放送をご期待ください、千葉サテライト放送より、全国の野球ファンの皆様に、ごきげんよう、さようなら」と鶴岡アナウンサーの声
2.女子プロ野球選手誕生
3.結婚
4.会社員の妻として
5.めざせリーグ優勝