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勇者学院へようこそ!  作者: 遣ラズ野 アメ
5/8

4話 『わたしから、君たちへ最初の祝福を与えよう (後編) 』

アクセス解析という存在を知りました。

読んで頂けているんだなと、感動。

ありがとうございます。

---あぁ、溜めていたものを吐き出すかのようなマリア先生の話。



マリア先生は落ち着くこともなくずっと熱く語っている。なにか相当に溜めて混んでいて変なスイッチが入ってしまったのだろうか?


(うーん、マシンガントークとはまさにこのことだなぁ)


思いながら僕らが口を挟む隙もなく、静かに耳を傾けるしかない。けれど幾つか分かったこともある。僕らが残念系銀髪女に連れて来られた世界はファミルディアという異世界だということ。異世界人が召喚を行うと、なぜだか僕らの世界の人を召喚してしまうということ。...あと間違いなくマリア先生は僕らの世界をdisっていたこと。


「...かといって、みなさんをわたしとノイン様のけんきゅ...」

「あの!マリア先生。良いですか?」

「あぁぁ!...ふぅ、すみません。わたしとしたことが、少し熱くなりすぎてしまいました/// どうされましたか?」


(マリア先生の話は聞いてて楽しいけれどなぁ...)


僕らはみんなマリア先生が熱くなりすぎて徐々に余談が増えて、話が脱線してきてるのを感じている。このまま放っておくといつ話が終わるかわからないし、流石に参ってきてしまいそうだ。僕は(よしっ!)話を折る/終わらせるつもりで、手をあげてマリア先生に声をかけた。


「えっと、すみません!...その、僕らの自己紹介は...いつ...」

「あぁっ!ごめんなさい!わたしの話ばかりになって...もぅ、自己紹介するつもりだったのに関係のない話になっていましたね/// 」

「あ、いやそんなつもりは...うぅ、なんかごめんなさい」

「あらあら気になさらないでください。うん♪ わたしはこれから貴方がたの担任です。わたしについて聞きたいことや質問があれば、その都度声をかけてくださいね♪」

「は、はい! ありがとうございます!」


少し勇気を出してよかったぁっと僕ホッとした。人に寄るけど話を遮られると機嫌を悪くしたりする人いるからなぁ。マリア先生はそっちのタイプじゃなかったみたいだ。ようやくさっきまでのマリア先生に戻った/お戻りになったみたいだ。周りのみんなも心なしか話が終わってホッとしているように感じた。


(おかえりなさい、マリア先生)


と、心の中でそっと思った僕だった。


「じゃあ、次は貴方がたの番ですね...そうですねぇ、では前の席からいきましょう♪


(あぁ、この流れは...)


「うん、君からお願いします!」

「あっ!はい、じゃあ僕から...」


そうそう。なんとなく想像出来ていたけど、こういう場合は大概名乗り出たヤツか、きっかけを作ったヤツから始まるのは僕は知ってる。...みんなも知っている。そう、僕らはみんな知っているテンプレだ


(あーぁ、こうなることを分かっていながら自己紹介なに言うかなんにも考えてないよ...)


マリア先生は改めて自己紹介の時間のきっかけを作った僕を指名し顔をこちらに向ける。椅子を引いて起立し、うーん、何を言おうか考えたところで教室のドアが開く。


《ガチャ...》


「やぁやぁ、どうだい? 自己紹介は進んでいるかなマリア?」

「あぁ!ノイン様ぁ! あのですね...わたしが少し喋り過ぎてしまって、あの...これから生徒さんの自己紹介なんですょ///」

「ははは、そうかそうか。まぁマリアのことだ、いつものように熱くなって周りを置いて暇にさせていたんだろう? なぁ君たち?」

「うぅぅ、やめてくださぃ///ノイン様ぁ」


残念系銀髪女は僕らの様子を見にきたのだろうか? ふらっと教室に入ってきた。いや、大方マリア先生の話が長くなることをわかっていて廊下で教室の様子を伺い、なんとなく落ち着いたのを見計らってやってきたに違いない。少しその様を想像して見たら、なんか微笑ましいなぁとニヤけた。


「ん? なんだお前ニヤけて? ふん、エロいことでも考えてたのか、この変態め!」

「えっ、うわぁ! 違いますよっ!!」

「あ、ノイン様ちょうど良かったです。彼から自己紹介を始めるところだったので、参加していきませんか?」

「あぁ、まぁいいだろう。わたしも君たちに用事があってきたしな」



---ニヤけ顔を見られ、軽くイジられてしまったが気を取り直して自己紹介を始める。



「はじめまして!僕は逢坂 正/アイサカ セイって言います」

「セイって性欲の性か?変態め(ボソッ)」

 (おいこら、黙れ。聞こえてるぞ残念系銀髪女)


「...ふぅ、みんなも同じだと思いますが。今日は入学式から色々戸惑ってばかりです。これからどんなことを勉強してどうなっていくかもわかりませんが、みんなと一緒に頑張っていけたら良いなぁって思います。よろしくお願いします!」


「性欲の塊によろしくされてもなぁ? なぁ、マリア?(ボソッ)」

(くそぅ、残念系銀髪女め許すまじ!)

「ちょっと!やめてください、ノイン様///(ボソッ)」

(あぁ、マリア先生まで...)


「...はぁ、銀髪脳筋残念女め(ボソッ)」


「はぁぁぁぁん? 聞こえたぞぉ! 変態丸出し性欲坊主がっ!!」

「ちょ、最初に茶化してきたのは、そっちでしょう!?」

「わたしは良いんだよ! なぜなら校長だからなっ! 偉いからなっ!」

「はぁぁぁぁん? 偉いぃ? そっちこそエロいの間違えなんじゃないんですか?」

「言ったなぁ...良い度胸だお前ぇ...よし良いだろう! 表に出ろやぁぁぁい!!!」



《ちょっと!お二人とも、いい加減にしてくださいっ!!!!》



---僕と銀髪脳筋残念女は、マリア先生に怒られた。



「もぅ、ノイン様も大人げないですよっ!なんでセイくんを茶化すんですか?」

「...いや、なんかイジったらこいつ面白そうで...ついな!(キラッ☆)」


(おいおい銀髪脳筋残念女め!キラッ☆じゃないからね!)


マリア先生が仲裁に入りノイン様はなんでいつもこうなんですか、まったくもぅという感じで叱られている。


「あはは、なんか漫才みてぇ」


隣の席のハルくんは僕とノイン校長のやり取りを見て笑い声を堪えてクスクスこっちを見てる。


「あうぅ...」


ゆるふわボブの可愛い女の子は、どうしょ!どうしょ!とあたふた周りをキョロキョロしてこっちを見ている。無愛想ツインテ女は相変わらず我関せずって感じで窓の外をボーっと眺めている。


(どやぁ、銀髪脳筋残念女め。ざまぁ)


僕がマリア先生を味方につけた気で銀髪脳筋残念女を見ていると。


「セイくんもセイくんですよ!」



---と、銀髪脳筋残念女が悪いのに僕も釘を刺されてしまった。



「まぁ、悪かったなアイサカ。わたしも大人げなく調子に乗ってからかい過ぎた。まぁよろしく頼む」

「...僕の方こそ、申し訳ありませんでした。よろしくお願いします!」


こんな感じで僕の自己紹介は終わり、マリア先生はハルくんの方を見て次は貴方よって指示を出していた。ハルくんはこのあとはやりづらいわーって雰囲気で少し遠慮がち/だるそうに席を立ち、自己紹介を始めた。


「俺は、日向 春彦/ヒムカイ ハルヒコ! ハルって呼んでくれて良いぜ!」

「ほぅ、ヒムカイか。お前は元気が有り余ってそうだな、剣の授業でしごいてやる!よろしく頼む」

「うんうん♪ ハルくんね、先生もよろしくね♪」

「俺もまだよくわかんないけど、モンスターとかいっぱい倒せるんだろ?で、人の助けにもなるなら早くやってみたいぜ! みんな、よろしくな!」


と言ってハルくんは僕らを見回し着席する。


(ハルくんって爽やかで熱血で、絶対モテるタイプだ。ん?...っていうか僕との扱いの差!!!)


と心の中で思っていると、マリア先生は後ろの席のゆるふわボブの可愛い女の子に自己紹介をするように促した。


「ひぁっ、あのぉっ! わぁ、わ...わたしはぁ。 ひ、ひ...柊 茉子/ヒイラギ マコって言いますぅ///...うぅぅ」


《ガタッ!》と椅子を鳴らし立ち上がるゆるふわボブの可愛い女の子。


「わ、あわわわ。泣くのか?泣きそうなのかヒイラギ?だ、大丈夫か?へ、変態が怖いのか?」(おい!どうして僕が出た!)

「うぅぅ...大丈夫ですぅ...ごめんなさぃ、人前で、お、お話しするの慣れてなくてぇ...うぅ」

「だ、大丈夫よマコさん! じ、じゃあ先生の方だけ向いて深呼吸して落ち着いたら話してみましょうか?(ニッコリ)」

「はっはぃぃ...(スウゥ) ..............わ、わたしもぉ! はっはやくぅ、みんなと仲良くなれるようにぃ...頑張りますぅ!」


と言うと柊さんは顔を耳まで真っ赤にして席に隠れるように、すぐに座ってしまった。僕が思ってた以上に恥ずかしがり屋なのかもしれない。僕は言葉に注意して優しく接しようと心の底から思った。


(...なによりまず変態疑惑を解かなければ!銀髪脳筋残念女め余計なことを!)


マリア先生は最後に残ったひとり無愛想ツインテ女に顔を向け(どうぞという感じ)で手を向けた。


「九条 朱利/クジョウ シュリです」


---それだけ言って九条は席に再び就こうとする。それを遮るかのようにマリア先生はすかさず質問する。


「あ、待ってシュリさん! シュリさんはみんなと仲良く...とか、うん!何がしたいーとかないの?」


---椅子に座りかけた九条が再度起立し微妙に重たくなった空気の中、口をひらく。



「...はぁ、私は【兄】を異性界に探しに来ました...」



「ほう、お前は【セイジ】の妹か...説明会で【どこの異世界に行く】んだ?としつこく聞いて来たヤツがいると聞いていたがお前だったか...ははは、いいだろう!どこにいるか教えてやろうか?」

「このファミルディアに行った/居るのは、わかっています!! 私は私自身で力を得て自分の力で兄を探しますっ!だからお心遣いは結構です」



「......................... 、【〇〇】め(ボソッ)」



最後に九条が何かをつぶやいた気がしたが、上手く聞き取れなかった。着席するときに九条はノイン校長を睨みつけた気がしたが気のせいだったのだろうか?穏やかな空気の中での自己紹介だったはずが九条の衝撃のカミングアウトにより教室内の空気が急に重くなり、マリア先生はあたふたしノイン校長はニヤリと面白いものを見るような目で窓の外を眺めていた。


「あらあら...シュリさん、よろしくお願いしますね! 先生も相談に乗れることがあればなんでも聞くから頼ってね!」

「ふふふ、まぁいい。これで全員の自己紹介は済んだわけだ。改めて言うが、これからお前たちはこの学校の生徒だ!各々目的のために励むもよし!仲間と楽しく切磋琢磨して過ごすもよしだ! では、わたしの用事も済ませるとしよう」


そう言うとノイン校長はコツコツと足音を鳴らしながら、僕らの机の上に【黒いカード】を1枚づつ置きながら教室を一周した。九条以外はカードを手に取りこれなんだろう?と光に透かしてみたり、クニュッと少し折り曲げてみたりしている。



『わたしから、君たちへ最初の祝福を与えよう』



ノイン校長がそう言うと、今度はマリア先生がトコトコやって来て机の上に【針】を1本だけ先ほどのノイン校長と同じように置いていった。今度は針を手に取り、針を観察する僕ら。


「はい♪ みなさん注目です。いまわたしが机の上に置いて行った針を人差し指の指先に刺してください。あ、ちゃんと血が出るようにですよ! そうしたらその指で黒いカードに触れてみてくださいね♪」

「...え、先生!これはなんですか?」

「アイサカ!気にするな、やってみればわかる!説明は後だ!」


これ以上何を言っても話が進まなそうなので、言われた通りやってみる。僕らは各々針を利き手につまみ、人差し指に針を刺す。深くまで刺してしまったのか意外と痛みがある。


「...痛っ!」


周りを見るとハルくんはワクワクとした表情。


「なにがでるかな♪なにがでるかな♪」


柊さんはビクビクと怯えながらチョンチョンと何度も針を指先に当てている。


「あうぅ...怖いよぉ(ぐすん)」


九条は無表情でもう針を刺したみたいだった。僕らはそれぞれ針を指先から引き抜き血が出ているのを確認して黒いカードに触れる。



「おぉ!」



---黒いカードに触れると、ソレは青白く強く光った。






拙い文章ですが、よろしくお願いします。

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