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第十七歩 訓練

「ごちそうさまでした。」


本日の朝ごはんを食べ終え、早速出掛けることにする。


「いえいえ、今日はどこにいくんですか?」


モミジが洗い物をしながら聞いてきた。


「今日はミマリ達に会ってくるよ。警備メンバーの練度も見ておきたいし。モミジは?」

「私は今日もサクラさんのお手伝いをする予定です。」

「なるほど。サクラ、モミジは役に立ってる?」


洗い物を手伝っているサクラに話を振る。


「はい、助かってます。」

「もう、ユウさんひどいですよ。」

「冗談だよ。じゃ、行ってくるわ。」

「いってらっしゃい。」


家をでて村の門に向かう。訓練はその近辺でしているそうだ。射撃してるんだから村の真ん中で撃つわけにはいかない。通りすぎる人たちに挨拶しながら道を行く。まだそこまで日は立ってないがヒルノさんのお陰で収穫率は上がっているようだ。今度小屋で見つけた資料でも持っていこう。時代が違いすぎて出来ないかも知れないけど。

門に着いて櫓の上にいる兵士に声をかけた。


「おーい!」

「ん?村長、おはようございます!」

「ミマリはいる?」

「はい、向こうの方に!」


見張りが指を指したのは門の外だった。


「ありがとう!」


門を通って教えてくれた方へ向かう。すぐ近くということで銃は持ってない。まぁ、近いから何とかなるだろう。そういえば見張りも弓じゃなくて三八式持ってたな。凄い違和感がしたけど。

目的の場所は広い平原。ミマリ達はすぐに見つかった。一人が三八式を構えて寝そべっている。その先には丸い的が置いてあった。すぐそばでミマリがあれこれ指導しているのが見える。どうやら射撃訓練中らしい。


「射撃用意……撃て!」


その号令と同時に辺りに広がるように銃声がなる。残念ながらここからでは結果は見えない。がミマリの反応からどうやら良好らしい。


「ミマリー。」

「あ、ユウ。来てくれたんだ!」


一旦休憩と指示をだしこっちに走ってきた。


「どうだ、上手くいってるか?」

「うん、皆の飲み込みが早くてもう使いこなしてるよ。それと弓とは全然違うね。使うまでは分からなかったよ。」

「そうか。それはなによりだな。」

「あと集まったのは20人だよ。これだけじゃ足りないよね?」

「いや、こっちでも人手が集まりそうだから何とか足りると思うよ。」

「そっか!」

「それにしてもよくこの場所にしたな。門の外だけど大丈夫か?」

「このあたりなら見張りにも見える所だからもしもの時はすぐに戻れるよ。……実は、初めて村の中で射撃したときに門に穴開けちゃってさ。」

「内側から壊さないでくれよ?」

「気をつけてるから大丈夫だよ!」


実際に撃っちゃってるけどな。


「じゃ、私は訓練に戻るね。」

「ああ、ありがとな。」


また射場に戻り、指導を始めた。因みに訓練方法についてもカツトシさんからアドバイスを貰ったようで初心者にしてはなかなか上手く出来ている。因みに考えとしてはミマリ達には警察的な役割になってもらおうと思っている。微精霊に全てを任せても良かったんだけどカツトシさんやモミジに相談するとやってもらっているだけじゃダメなんだそう。精霊と微精霊の間にも何かあるんだろうか。

訓練を見ている傍ら少し先の草むらに赤い何かが落ちているのが見えた。よく見ると靴……だと思う。なんであんなところに?

ミマリたちのかもしれなかったが気になったので近づいて見ることにした。ミマリ達には……言わなくていいか。訓練中に声をかけるのは良くない。それにすぐ近くだから何かあっても大丈夫だろう。


落ちていた所までいって見ると確かに靴だった。女性物だろう、なんでこんなところに。考えることに集中しすぎて近くの気配に気づかなかった。


「ガルァァ!!!」

「!?」


突然の奇襲だった。草むらから飛び出てきたそれに首を捕まれた。かなり力が強い。離れようと暴れるが全く緩む様子がなく、何も変わらない。首を捕まれているため何に捕まれているのか確認もできない。するとそれは移動を始めた。引きずられる形になり、何とかダメージにならないようにする。相変わらず力は緩まずどんどん奥へ進んでいく。ミマリ達には完全に見えなくなった……。


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